2021年今年の映画振り返り
出た。
この時期になると乱立する内容。
毎年12月になると街中はクリスマスの装飾、ネットは今年の映画振り返り。
かく言う私も振り返る。
私の場合は映画館を評価するZINEを作ろうとしてんだから、映画の話しても別に変じゃないでしょ。
2021年、私が映画館で観た映画の数。
なんと。
なんと。
2本
いや、全然観てないんかーい。
映画好きの方達も今年は流石に鑑賞回数が減ったに違いない。
そりゃ映画館ほど人と人が長い時間近づいてしまう娯楽はないでしょう。
まさに密。
でも違う。
密とかそうゆうの関係ない。
私は毎年こんなもん。
そりゃ私も映画学校に通っていた時はむさぼるように観たさ。
某映画監督に「映画監督になりたいんだったら年間300本は観なきゃダメ!」って言われて、悔しくて300本観た年もあったし。
映写責任者時代は仕事として週数本鑑賞して、家ではDVD観て、休みの日は映画観に行く日々を過ごしたさ。
だけど、映写責任者から営業の責任者に部署が変わり、さらに映画興行会社を辞めてしまった今、映画から随分と遠い場所に来てしまった気がする。
まあ良い。
いっぱい観たからと言って偉いわけでもなんでもない。
観る回数が少ないからこそ作品を厳選して観に行くし、鑑賞した後も何度も咀嚼して余韻に浸れると言うものではないか。
とりあえず今年観た映画は2本。
中でも印象に残っているのは「007 ノータイムトゥダイ」
激しくネタバレを含みますので鑑賞された方と
今後観る予定がない方と「007」に興味がない方だけ先にお進みください。
007シリーズは全て観たわけではないけど、我らがダニクレの最後のボンドであるならば観ないわけはない。今までのスマートでニヒルなジェームズボンドと違ってパワフルで少し粗暴なダニクレボンドは最初こそ非難されたものの、しっかりと新しいボンド像を作ったのではないかと思っている。
作品自体は賛否両論らしいけど、この監督はあえて作品のカタルシスを感じる(観客が求めてる)シーンを外してる気がする。
敵役の最後、ボンドガールの扱い、むしろボンドの扱いも。
敵役なんて「私はお前の父親なんだ」とか「我が人生一片の悔いなし!」とか派手な死に方するからこそ観客はカタルシスを得る訳でしょ。
それなのに1人は目を離した隙にいつの間にか死んでるし、今作のラスボスはファブルにやられたチンピラみたいな死に方だし。
ボンドガールだって、最初は意地を張ってるものの最終的にはボンドと夜を共にするのがお約束でしょ。なのにセクシードレス着たボンドガールがボンドと共闘して最後は「またね〜」みたいにあっさりお別れするんですもん。
そもそも各地を転々として悪い奴を懲らしめながらご当地美女とイチャイチャするし何故か何やっても許されるのがボンドでしょ。でも今回は許されないし、家族作っちゃうし、こんなのボンドじゃねえよ!って言いたくなる気持ちはわかる。だからこそのダニクレ最終話なのでしょうよ。
サフィン(ラミ・マレック演じる今回のヴィラン)がボンドに「お前が死んだとしても何も残らない、でも俺は残した(ウィルス兵器を)」って伝えるんだけど、最終的にウィルスは残らずに、ボンドの娘とマドレーヌ(レア・セドゥ演じるボンドの奥さん)から伝える父親の話が残った。つまりボンドは愛を残した。
ボンドがMI6を抜けて家族で過ごした時間は無駄な時間だったように思えるけど、その無駄のように思えた時間が実は一番大切な時間だったと気づくストーリー。
テーマも最後も観ようによっては非常にチープなんだけど、シンプルで凄く良い話だったのではないだろうか。
2021年の映画を振り返ると言いつつ1本の映画だけを振り返ってみた。
映画の話は定期的に書きたい。
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