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アスペルガーの困りごと

 私は先天性の障がいで、広汎性発達障害アスペルガー症候群を持って生まれた。最近では自閉症スペクトラムと呼ばれている。発達障害には、その他にもADHD(注意欠陥多動性障害)LD(学習障害)等があり、人それぞれ個性があり症状も違ってくる。

 よく、発達障害の人は空気を読もうとしない、と言われたり、本に書かれる事があるが、そうとは限らない。空気を読もうとしても、定型発達の方の暗黙の了解や曖昧な指示、そういったものが理解しようとしても理解出来ないのだ。理解しようと努力をするのだが、どうしても分からない。私の場合は、子どもの頃に受けたいじめにより、人の顔色を伺い過ぎる傾向が強くなり、空気を読めなかった子ども時代から空気を読み過ぎてしまう大人になった。空気を読み過ぎるのなら良いではないかと思われがちだが、常に相手に気を使い過ぎてしまい、相手が鬱陶しいと感じてしまうくらい、相手のことを思いやってしまう。私は特に穏やかで柔和なタイプなので、思いやりや優しさを特に大切に生きてきた。しかし、それも度を越してしまうと逆効果だ。私はHSPという気質も持ち合わせているために、余計に気を使い過ぎてしまうのだろう。(HSP気質については、また別日に紹介する。)

 例えば、私自身は人の買い物に付き合うのはすごく好きだ。相手がここに行きたい、これを買いたいから付き合ってくれ、と言った場合、自分はホッとするし、喜んで付き合う。しかし、逆に自分が欲しいものがあって、買い物に付き合ってもらってる場合、ついて来てもらって悪いな、申し訳ないな、と感じ、心の底から罪悪感でいっぱいになってしまう。私はカメラで写真を撮るのが好きなのだが、写真を撮る時は基本1人で行動する。何故なら、相手がいたら落ち着いて写真を撮れないからだ。相手に対して待たせて申し訳ない気持ちで撮っても、良い作品なんて撮れない。

 人との関わりにおいて、仲良くなりたいと思うのに、いつも何故か嫌われてしまう。きっとそれは私が気を使い過ぎているのがひしひしと伝わってくるからだろう。空気を全く読めないか、読み過ぎてしまうかの両極端。適当が出来ない。困ったものだ。

 私の場合、聴覚過敏視覚過敏がある。聴覚過敏はとてつもなくしんどい。全ての音が同じボリュームに聴こえるのだ。定型発達の方の場合は、聴きたい声や音にフォーカスすると、周りの音をある程度シャットアウトして聴こえると思うが、私の場合、全て同じ大きさに聴こえるので、例えば居酒屋などで飲食しながら会話をしていても、話してる声と周りのガヤガヤした音が同じに聴こえてしまい、全く会話が聞こえないという状況になってしまう。なので、テレビの音もガヤガヤしており普通より大きく聴こえるので苦手だ。

 視覚過敏は、そこまで眩しくない環境下でも、光の刺激が強過ぎて、目を開けてられないくらい眩しく感じてしまう。太陽光や蛍光灯の灯りは苦手だ。車の助手席に乗る時は必ずサングラスをするが、それでも眩しい。私は今、遮光レンズと呼ばれる黄色味がかった特注レンズを使用して、日常的に光を遮断している。値段はレンズのみで5万円ほどしたが、必要経費だった。

 私自身、人と関わる事は好きなのだが、過去に大きな絶望を味わい救いを求めた時、手を差し伸べてくれた人全員に裏切られた経験がある。弱みを見せている人間に対し友達だと言い近寄り、宗教やネットワークビジネスの勧誘を受けたのだ。本当に仲良くしてくれるつもりがあるのなら、勧誘抜きでアスペルガー症候群のある私自身を友として受け入れて仲良くして欲しい、と伝えたのだが、残念なことにほとんどの方が離れて行ってしまった。こんな悲しい事があって良いだろうか。障がいがあろうがなかろうが、1人の人間としての私自身を見て知って欲しかった。もちろん仲良くしてくれる友人はいる。全員と仲良くする事など出来ない。しかし、発達障害があるからという理由だけで偏見を受けたり差別される世の中であって良いわけがない。その差別偏見を取り除けてやっと、発達障害者が生きやすい世の中になるのではないかと思う。

 もし同じように、発達障害で辛い思いをし苦しんでいる方がいるなら、この日記を読んで欲しい。是非仲間として苦しさや辛さ、逆に嬉しさや喜び等を共有出来たら良いなと思う。コメント欄に遠慮なくコメントして頂ければ幸いである。

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