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得意なことに遊び心を含ませる

雑誌などを読んでいると気付くのですが、ファッションでもなんでも「こなれ感」を出すのがおしゃれとされている印象があります。それは「抜け感を出す」であったりとか、「足し引きをする」であったりとか、もしくは「遊び要素を入れる」ということだったりします。これはモテるためのテクニックでよく言われている「あえて隙を作る」となんとなく似ているんじゃないかと私は勝手に思っています。初級者ではついていくのが精いっぱいになるくらい難しい要素を、中級者以上の人は軽々と取り込んで魅せるのです。

これはカラオケで例えるのなら、私のように歌うのが苦手な人は音程通りに歌うことで必死になります。けれども、うまくなるとビブラートなどのテクニックを使えるようになったり、きっと上級のレベルの人たちというのは(実際にプロ活動をしている人も含め)、普通に歌うだけでは飽き足らず自分なりの歌い方というのを磨くようになるのではないかと思っています。つまりは同じ歌でも違う歌い方が容易にできるようになっているのです。抑揚などを工夫するようになったり、即興でアレンジを入れたりと。


それは基礎的なことをして過ごしているだけの初心者には全く想像のできない、得意な人だけが見えている世界があるのではないかということです。既に深く理解しているからこそ、試してみようと思うことがあるのだと考えています。それが「遊び要素」という個性や工夫を出すことに繋がっているのではないかと思うのです。

それは一体どこから来ているのでしょうか。最初からコツを感覚的につかむことができていたり、練習の末に何かの境地に達するのかもしれません。やっているうちに仕事などでの「自動化」のように無駄な動作を抜くことが可能になっていくとか。


自分のその時の工夫によっていくらでも違ったものとして魅せるというのが、どのことについてもそこまでのレベルに達していない自分からするととてもかっこよく見えます。それは初心者からすれば「何これ」と思うような場合があったとしても、上級者は1からの数字でなく常に別軸で考えているので「それ、個性的でとてもいいね」というものを生み出すことができたりするのだと考えています。

それはファッションや歌に留まりません。スポーツだったり料理であったり、芸術方面であってもあてはまっています。他の分野でもたくさんあることでしょう。基礎を理解したり、できるようになっているからこそできる応用がこの世にはたくさんあるのだと気付かされます。

初心者の私は何となく「このアレンジすごいな」と思うくらいで、それがどういったひらめきだったり理論で動いているのかまでは考えもつきません。何かを生み出すのと、それを読み取るのは違うからです。既存のものにちょっとした遊び心を加えること――それが新しいことを作り出す方法のひとつなのかもしれません。


読んで下さってありがとうございました。




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スピカ
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