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日本海側気候区


<<日本海側気候区>>
冬は北西季節風の影響で雪が多く降る、豪雪になる地域もある。
冬の気温は低いが、夏は暖かく、日照時間は全般的に太平洋側よりも長く気温も高まる。

<東北気候>
春から秋にかけては暖流の対馬海流の影響を受けて、太平洋側よりも暖かく日照時間も長いため、東北から北陸にかけて全国でも有数の穀倉地帯。冷害の心配はほとんどない。山からの湧水を生かした酒造りも盛ん。
逆に冬は厚い雲に覆われる日が多く、日照時間は太平洋側の3分の1から4分の1ほどしかない。秋田では日照時間が非常に短いため、スギなどの植林が盛ん。

全国有数の米どころである庄内平野の農作物に被害をもたらす「清川だし」というのがある。
清川は奥羽山脈を水源とし、新庄盆地を通り、出羽山地では最上峡を形成しながらくぐり抜けて、庄内平野で最上川と合流する。この途中で通る最上峡が風の通り道となり、ビルの隙間風のように強風となって庄内平野に初夏から秋にかけて頻繁に吹き付けて、稲穂をなぎ倒してしまう。1980年ごろから、この清川だしの通り道に風力発電を設けて発電に生かしている。田んぼの中に点在している風車はこの地方の風物詩。

・秋田:松舘しぼり大根、からとりいも、秋田ブキ、鹿角マルメロ、じゅんさい、とんぶり、火野カブなど
・山形;民田ナス、外内島キュウリ、鵜戸川原キュウリ、だだちゃ豆、藤沢カブ、小真木大根、宝谷カブ、温海カブ、山形青菜、平田赤ネギ、さくらんぼ、養蜂など

<北陸気候区>
典型的な日本海側気候区で日本一の豪雪地帯。
冬のフェーン現象の影響で山火事も日本の中では多い。

北陸地方は冬は雪が降っていないときでも曇りの日が多く、日照時間は1日平均2時間程度。その逆に夏になると太平洋網の暑さになり、日照時間も長い。だが太平洋側よりも湿度は高くないが、この気候が稲作に適している。新潟から福井までの北陸全県が東北とともに全国最大の穀倉地帯。それを支えているのが日本の屋根と呼ばれる標高が高い山々と降り積もり雪。このミネラルをたくさん含んだ雪解け水や湧水が美味しいお米を作る。

砺波平野では、日本海で低気圧が発達する3月から5月にかけて強い南風が吹く。そのため防風林として屋敷林が家をぐるっと囲み、さらに隣の家とは離れて同じコミュニティでも散在して、集落を形成している。こういった村を散居村という。こうして発生の恐れがある火災の広がりを防止している。このスギで作られた立派な屋敷林にはアオサギなどの大きな鳥が巣を作り、水田の土壌やカエルなどを食べて暮らす。

南砺市の井波地区では八乙女山から吹く局地風「井波風」「八乙女おろし」が吹き、農作物への影響ばかりか火災発生に見舞われることがある。そのため「八乙女山風神堂祭典」という神事が毎年行われている。

砺波平野のチューリップ栽培は冬季に水分が必要なチューリップにこの地方の気候が最適だったから。雪の下は放射冷却が起きないので実は外気にさらされるよりも暖かく、水も豊富な環境。富山や新潟などで栽培されていて、ともに県花になっている。

・新潟:長岡巾着ナス、十全ナス、ゆうごう、神楽南蛮、小平方茶豆、肴豆、寄居カブ、だるまレンコン、女池菜、カキノモト(菊)、長岡菜、曽根ニンジン、小池ゴボウなど
・石川:打木赤皮甘栗カボチャ、小菊カボチャ、金糸瓜、加賀太キュウリ、加賀ツルマメ、へたむらさきなす、二塚からし菜、金沢一本太ネギ、金時草、源助大根、五郎島金時、加賀レンコン、金沢シュンギク、中島菜、神子原クワイ、唐川菜、金沢青カブなど
・富山:高岡どっこキュウリ、銀泉マクワウリ、真黒ナス、入善ジャンボスイカ、大和イモ、みずぶき、五箇山カボチャなど
・福井:穴馬カブ、越前白茎ゴボウ、大野イモ、木田ちそ、三年子らっきょ、勝山水菜、杉箸アカカンバ、菜おけ、大麦など

<山陰気候区>
東に行くほど降雪量が多くなる。これは日本海が西に行くほど狭くなり、東に行くほど広くなるため。偏西風が温暖な海域を渡る期間が短いため、水分を確保する割合が変わる。

ただし、西も東も山間地に行けば豪雪地帯となる。
京都北部丹後ちりめんは、冬の間に農作業ができないことからはじまった。

夏は季節風が遮られるおかげでよく晴れる。梅雨もまとまった雨があるものの、全体で見ればそれほど雨は多くない。さらに平野部には中国山地の花崗岩が削られた砂質の土壌が広がるため排水性が非常に良い。
そのおかげでナシ、ブドウ、イチジク、ラッキョウ、サツマイモなどが栽培される。山間地は豪雪地帯で、夏も涼しいところが多いためリンゴ栽培も行われている。

神戸川、斐伊川、日野川流域で盛んだったたたら製鉄が盛んだった時代に大量の土砂が平野部に流れ込んだ。材料となる砂鉄を取り出すために花崗岩の山地を、流水を利用して大掛かりに切り崩し、不要な砂は川に流す鉄穴流しが行われた。平野の拡大と砂浜の拡大、砂質の耕作面積拡大に至った。

・鳥取:砂丘らっきょう、二十世紀ナシ、伯州ネギ、三宝甘長トウガラシ、砂丘ナガイモなど
・島根;出雲おろち大根、出雲メロン、津田カブ、出西ショウガ、黒田セリ、匹見わさび、ソバなど


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