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♡10 幸せ

エッセイや記事のネタに尽きると語源を調べる癖がある。普段何も疑問を持たず喉から発するその言葉はどういった経緯を巡り現在の形に収まったのか、その意味を私達は継承しているのだろうか、と正解のない答え合わせをするような感覚に迷い込む。

広辞苑片手に気になる語を探し、図書館で見聞を広め……というのが理想だが、残念ながら広辞苑は持ってないし、車もないので図書館まで距離がある。
なので電子の海に飛び込みゆらゆらと自分の求める物を発掘しに行くのだ。(毎回寄り道が激しい)

今回の目的は「幸せ」
名前としてよく使われ、歌、詩、絵画に小説…表現のテーマとしても登場率が高い。
色んなサイトを巡り、幸せの由来を求めた結果が以下である。

・日本での「幸せ」は、室町時代に生まれたとされる「しあわせる」という言葉に行き着きます。
・「しあわせる」は、「為る(なる)」+「合わせる」を組み合わせた言葉で、漢字表記だとでは「仕合わせる」となる。
・この「仕合わせる」という言葉は、動作が合う、めぐり合わせという意味を持っていた。
そこから巡り合わせが良い/悪いという意味で、「しあわせが良い・悪い」のように良し悪しを加えた表現として利用されるようになった。
・当初は良し・悪しをつけ、使い分けられていたが、江戸時代以降になると「しあわせ」という言葉のみで幸福である状態を表すように変化したという。

漢字の成り立ちより引用

巡り合わせが由来なのか。考えてみると良いことも悪いことも計画的に行われていたらちょっと怖い。例えば自販機で起こる当たりが出ればもう一本!っていうクジも『ルーレットスタート!ハズレだけど』と表示されたら一気に萎える。そんな事が起きたら「束の間のワクワクを返せ」と183cmの筐体に毒を吐くに違いない。
冗談は置いて、幸せの由来を知った私はSNSの繋がりも巡り合わせに当てはまるなぁ、と考えた。

月に1度通話をするフォロワーさんがいる。最初はTwitterで繋がり次第にお互いnoteを利用していると知りそちらでもフォローをし、ゆるゆると仲良くさせていただいている。
サブカル、音楽、文学にアニメ…好きな物の共通点が多く、毎回夜更けまで語り合ってしまうためたいてい週末に話す。
そんな共通点の多い我々だが、ふと出た話題に考えさせられたのでここに記録する。

その日は天気の話から始まり、夏の予定に話題が変わっていた。

「秋にジブリパーク開園しますね。ジブリ好きな俳里さんは行かれるんですか?」

「いかないですね」

「あら、人混みは苦手ですか?」

「それもあるけど、遊園地とかアミューズメント施設の空間が根本的に苦手なんです。いや、嫌いですね」

そこから約15分、私がパークを嫌いな理由について話した。

・遠足・修学旅行の経験からああいう場所は『誰かと一緒じゃないと行けないところ』と学習している。
・夢の国など大規模な所はガチ勢が怖いし、何回も行く……?という感覚がわからない(経験として1度行けば満足な人)

「でも夢の国が好きな人から見ると、同じ本を何回も読む私の姿も異様に見えるんでしょうね」

「同じ好きでも視点が違うからね」

という結論に至った。
この方と話すとネガティブな話題も最後には夏の夜明けに吹く風のような軽やかな気持ちになる。

今まで好きな事について語ってきたが、この時初めて嫌いな事についてハッキリと話した。親以外に自分の嫌いなものを宣言したのは初めて。でも淀みなく出てきたので、嫌いなことについても語れる仲になったのかと嬉しくなった。

これも仕合せと言っていいだろうか?もちろん「良し」を添えて。

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