10年後も健康であるために、今行うべき、「深部体温」をあげる入浴法。
年間におふろで120万人の癒しを提供してきたから断言します。おふろにはいることで一番意識してほしいのは、湯船に浸かってください!ということ。
天然温泉だろうが、沸かし湯だろうが、家の風呂だろうが、銭湯だろうが、サウナが好きだとか!嫌いだとか!そんなこと以前に、たっぷりのお湯をためた浴槽に、しっかりと身を沈める!
これに勝る身体へのアドバンテージの上げ方はないと思っています。
今回は、なぜ湯船にしっかりと浸かることが最強なのかについてお話ししたいと思います。本記事をお読みいただくことで、正しい入浴方法が身につき、いつまでも健康的な毎日を過ごすためのヒントとなるでしょう。
湯船に浸かるべき3つの作用
温泉療法専門医の東京都市大学、早坂信哉教授による研究で、14,000人の健康な高齢者を追跡調査した結果です。
3年後、残念なことに「要介護認定」を受けるに至った人の中で、毎日湯船に浸かる習慣は「ない」と答えた人は、「ある」と答えた人よりも29%も多かったという結果があります。
浴槽に浸かることが健康上望ましい理由は
さまざま考察されていますが、その理由を端的に述べるなら次の3つでしょう。
1. 温められた血流による深部体温の上昇作用
2. 水圧による身体への作用
3. 浮力による身体への作用
入浴によるカラダぽかぽかの原理
おふろに入ると、身体がぽかぽかすると表現します。シャワーを浴びて、身体がぽかぽかするってあまり言わなくないですか(いうのかな?)
入浴によって温まるのは、単に体の表面つまり肌を温めているわけではなく、最大の効用は体内を縦横無尽に走る血管と、そこを流れる血液を温めているってことです。
シャワーの場合はお湯が当たる部分だけが熱源に接していますが、浴槽に浸かると全身がまんべんなく熱源に接している。
だから、お湯に浸かっている間は、末端の毛細血管まで温められて拡張し、血流がよくなります。加えて流れる血も温められて全身を駆け巡るわけです。血液は、臓器の中も巡りますので、深部体温まで上昇させる効果があるのです。
体温には、一般的な体温と、深部体温の二つがあります。
一般的体温は、口腔、耳、脇の下、などの特定の部位の表面温度をさし、日頃体温計などで測って意識している体温のこと。外気の影響を受けやすく、日中でも変動することがあるのはごぞんじの通りです。
一方、深部体温は、体の内部、特に重要な内臓近くの温度を指します。深部体温は、体のコア温度とも呼ばれ、私たちの基本的な生命活動に最も関連している。
体の代謝活動と密接に関連しています。このため、体温よりも安定しており、日常的な変動が少ないと考えられているのです。
深部体温を上げるためには、ゆっくりと血流をあたためること。熱いお湯にサッと入ると、一瞬で身体は熱くなり体温は上がりますが、深部体温にはあまり影響は与えません。
ですから、体温より少し高い温度で、ゆっくり血流を温めることが大切です。
少しずつ温まった血液が全身を巡ることで、体の内部が熱くなり、額から汗が吹き出てきます。これが、真のぽかぽかです。
体温が高まることで、新陳代謝が促進する、免疫細胞が活性化するというのはよく聞く話ですよね。でもこれは、深部体温を上げてこそ得られる効果と言えます。
水圧による身体への効果
次に、浴槽に浸かる入浴が、シャワーやサウナと物理的に違うのは、水圧を感じることが挙げられます。入浴中の水圧が、身体にもたらす効果について考えてみましょう。
血行促進効果
先にも述べたように。温かいお湯に浸かると、血管が拡張し、血行が促進されます。
加えて、水圧は体の表面に均等に圧力をかけるため、血液循環はさらに高まり、高い血行促進効果があります。
呼吸促進効果
湯船に浸かると、「ほっ!」と、吐息が出ることがありますよね、これは、水圧によって横隔膜が押され、自然と腹式呼吸を行う呼吸促進効果です。深い呼吸を行うことで、体内の酸素量を増やし、リラクゼーション効果を高める効果があるのです。
下半身のむくみ改善効果
下半身のむくみは、体内の水分循環が悪くなることで起こります。心臓から遠い下半身は、下から上へ心臓に戻る血流が悪くなるのが大きな原因です。
全身を温水に浸すことで水圧が血液やリンパの流れを助け、むくみの緩和に役立ちます。
他にも多くの水圧によるメリットはあるのですが、浴槽に浸かることで、お湯の水圧が、循環機能の補助として大きく役立っていることはいうまでもないでしょう。
浮力による身体への効果
さらに、浴槽に浸かることで身体がうける物理的メリットとしては、浮力による作用があります。浮力が働くことで得られるものについても考えておきましょう。
関節の負担軽減効果
水の中では体が浮力により、重力の影響が減少し、関節や脊柱にかかる負担が軽減されます。
関節や、筋肉に、痛みを感じている人は、おふろの中だけは、この痛みを忘れることができるといったケースもあります。これは関節痛を持つ人やリハビリ中の人、激しい筋肉痛の時にも有益ですね。
運動可動域の改善効果
浮力のおかげで、陸上では難しい運動も水中では容易に行えます。関節の可動範囲を広げるストレッチなどが、より効果的に行えるようになるからです。
私は、坐禅で瞑想をする習慣を取り入れているのですが、身体がかたくて、坐禅の正式な足の組み方、両足の足首を膝の上にくむ(けっかふざ)ができません。ところがお風呂の中では浮力のおかげで難なく組むことが可能です。
そこで、浴室の中で坐禅をくむのですが、浮力によって身体がぐらつくデメリットも感じてており、痛し痒しですね。
なぜ、毎日浴槽に浸かる人は元気なのか
銭湯やスーパー銭湯は、多くの常連客に支えられています。そういったお客さまの大半は、毎日欠かさずお店に通って来られます。
そして皆様とてもお顔の血色が良く、お元気であるという共通点があります。
元気だから毎日通えるのか?毎日通うから元気なのか?この関係はトレード関係、つまり対等な取引関係にあるのではないでしょうか。
正しいおふろの浸かり方
仕事柄、多くの天然温泉や、サウナ、呼び物となる魅力的なアトラクション風呂や、機能的なシャワーなんかも体験し、研究をしてきました。
そういったもの一つ一つにはそれぞれの良さもあります。しかし、敢えて入浴の原点は何かと問われれば、たっぷりとお湯を貯めた浴槽に身を沈めることだと思います。
毎日シャワーで、週に1回銭湯に行く。あるいは休暇が取れたら温泉旅行に行く。気分転換としてはとても良いことなので大賛成!
しかし、メンタル、フィジカル、両面で自宅の浴槽であっても、毎日お湯に浸かるという行為に勝るものはないでしょう。
シャワーだけで、入浴をすます多くの人が、時間の節約を口にされます。でも、自分のために入浴の時間を作るといった小さな贅沢が余裕となって心身を癒すのです。
浴槽にたっぷりのお湯を張る
浴槽にたっぷりのお湯を張って下さい。水深が深いほど水圧効果も浮力効果も高くなります。また、お風呂の温度が冷めにくく、肩まで浸かりやすいといったメリットもあります。
肩まで浸かろう
肩まで浸かることを推奨します。
肩まで浸かることで、お湯の温度で血流を温める
条件が半身浴と比べて格段に良いからです、また、水圧効果による肩、首へのマッサージ効果も高まります。
適温は40度から42度
お湯の温度は、40度前後が理想です。
40度だと冬は寒く感じる人も多いかと思いますが、無理せず10分以上浸かっていられる温度を意識しましょう。
家庭のおふろは、入浴中にどんどんお湯の温度が下がってきますので、高めの温度設定でお湯をためておくのも良いでしょう。
10分以上浸かりましょう
お湯の温度は無理せずぬるめ、可能であれば首まで浸かり、しっかり10分、可能なら15分は浸かりましょう。
先にも述べたように、体温より高い温度のお湯で、体中をめぐる血液の温度をゆっくりと上げていきます。温められた血液が身体の深部までを温めていく感覚まを感じてください。
これらの入浴法はあくまでも一般向けです、体調や抱えている病気によっては無理をせず入りやすい方法でご入浴ください。
まとめ
理想の入浴法3原則
入浴はシャワーで済まさず、浴槽にたっぷりのお湯を張って、湯船に浸かりましょう
1)入浴はしっかり肩まで浸かるのが理想です。
2)お風呂の温度は、40度前後(39度〜42度)
多少ぬるめでもしっかりと時間をかけて血液を温める感覚で
3)入浴時間は10分〜15分
じんわりと額に汗が出るまでゆっくり体を温めましょう。
これによって得られる3つの効果
1) 血液が温められて、深部体温が高まり、新陳代謝の促進、免疫細胞の活性化が期待できる
2) 水圧効果で、血行促進、深井呼吸。下半身のむくみの解消が期待できる
3)浮力効果で、関節や筋肉の痛みの解消、運動の可動領域の改善がおこなわれる。
もちろん、銭湯や温泉に行って大きな湯船に浸かるのはより効果的で、気分転換になります。ぜひ、積極的にご利用ください。
さあ、これであなたも立派な「入浴マイスター」です。素敵なおふろ文化を楽しみましょう。
最後に、お願いがあります。
しあわせな人生のレシピ、おふろでくつろぐ時間はそこに欠かせない素材です。あなたの人生を豊かにする、10年後も健康である、そんなおふろにまつわる話、人間模様をお伝えしています。よかったら、いいね💌、フォローおねがいします♨️
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