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雑記①

先日、心臓内科医の三角和雄先生についての密着映像が情熱大陸で放送されていて、喰い入るように見ていた。

物心ついた頃から、このようなドクターに密着する系のテレビ番組や手術シーンが大好きで結構見た覚えがあるのだが、それは今でも変わっていない。

どうして好きなのかは、いまだに分からないし、言語化する必要のないことかもしれないが、人の生死が掛かった失敗の許されない真剣勝負をしている現場のリアル(live)を覗き観したかったのかもしれないと感じている。

そんな三角先生が葉加瀬太郎のエトピリカが流れる最後のシーンにて、「量なくして質もない。」と仰っていたのが印象に残っている。

32歳にして、ようやくこの言葉の重要性に気がつき始めた頃だったので、何か少しシンパシーを感じた。

兎にも角にも、まずは量が重要であるのは同感だが、無意味な努力をしても徒労に終わるだけなので、質にも拘らなければならない。

というわけで、今回は趣向を変えて雑記を書いてみることにするが、言ったそばから質は良くないかもしれないので、そこは悪しからず。

土曜日は、「イナコレ」という移住定住イベントに行った。

その前に、昼食をとった。

御堂筋線の本町駅で降りて、適当に歩きながらお店を探していると、カレーが食べたくなり CoCo 壱に入店した。

久しく来ないうちに、注文はタッチパネル式に変わっており、人との接触がどんどん削がれていく寂しさを若干感じた。

注文終了のボタンを押すと、瞬く間に前菜のサラダが運ばれてきて、その速すぎる速度が包装されたパック野菜を彷彿とさせた。

しばらくすると、今度はチキンカレーが運ばれてきた。

昔、大学生だった頃、学食とは別の場所でチキンカレーが売られていたのだが、チキンが厚盛りサクサクで、ルーも程よい辛さで旨く、よく買って食べていたのを思い出す。

そんな美味いカレーの原点を振り返りつつも、この歳にもなると舌も肥えてきて、美味しいカレーに要求されるレベルがぐんと上がっていることに気づいてしまったのだった。

腹拵えも終え、イナコレの会場であるシティプラザ大阪に向かった。

建物の名前こそ覚えていなかったが、その外観を見た瞬間に、遠い昔アイドルとのツーショット写真会目当てにやってきて、写真を撮りまくった黒歴史が頭に蘇った。

受付も済ませ、会場の中に入ると、自分以外の参加者も結構いて、イベントはある程度の賑わいを見せていた。

参加者はやはり夫婦での参加が多く目立ったが、僕のように一人で来ている人も稀にいる印象だった。

そんな中、会場を彷徨いていると、徳島県のブースにいた強烈なおばちゃんに捕まった。

何が強烈かと言うと、話の勢いであり、表情の圧だったり、人間としての活気と色々なのだが、75歳にして老眼もなく、病気も一切ないという健康体そのものなことが驚いた。

おまけに、4月から世界一周旅行に行くみたいで、移住定住とは全く関係ない旅行の話で盛り上がった。

おばちゃんによると、僕は癖がなさそうに見えるようで、何か野心や鬱憤のようなものを溜めて、それを爆発させないとダメだというニュアンスのことを言われた。

確かに、特にやりたい事がない自分にとっては、そういう指摘が当たっている部分もあるなとどこかで感じつつも、果たして今後そういうものが湧いてくるのかどうか少し不安に感じた。

また、「今の若い人たちは、選択肢が広すぎて、何か一つに決めきれなくなっている」ともおばちゃんは言っていて、現代にそういう傾向があるにしても、やはり行動することによって、その範囲を限定していくことがいつの時代も求められているのは確かだなとも実感した。

その後、三重県、山口県、石川県、京都府と順に周ったが、各県まだまだ知らない魅力があるようで、今のうちから観光でも何でもいいので、日本各地に旅するのもいいなと思い始めた。

日曜日は、性懲りも無くピッキングのアルバイトに行った。

すでに記事は消してしまったが、これでピッキングのバイトは2回目である。

その時も思ったが、10時〜19時までひたすら調味料やら冷凍食品を配送先ごとに仕分けしていく作業が永遠という概念をまざまざと感じさせてくる。

こういう仕事があるおかげで、全国各地のチェーン店などが成り立っているわけで、全く否定する意図はないが、やはり僕には合っていなかった。

そして、手にした金額はたったの 9,200円。

帰り道には焼肉屋の前を通ったのだが、あの店に入れば、一瞬でそのほとんどが吹き飛ぶと思うと、末端には資本主義社会は優しくないなと思った。

僕の他に、50代くらいのおじさんもアルバイトで働いていたのだが、側から見ても要領が悪そうで、それだけで結構怒られていた。

どうして、仕事ができる方ができない方よりも立場が上になるのだろうか。

なかば、無意識的な反応にすらなっているが、それは朝井リョウさんの生殖記の中にも書かれてある「拡大、発展、成長」を是とする社会になっているからかなと、ふと思った。

寒空の下、自転車を漕ぎ、帰路を進む。

お気に入りの SURLY crosscheck に跨り、街灯もなく真っ暗な川沿いの砂利道をULTRA ROMANCE 氏のごとく走り抜けた。

途中、川に向かって佇む女性を見つけた。

彼女も何かを一人考えているに違いなかった。

そろそろ、僕も何かに真剣になりたい。

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