TVドラマ「ラヴソング」第2話を見て
今日(日付変わって昨日)放送のこのドラマを見て、なにも手に着かないというか、なにかトラウマに触れている感覚があり、自己分析してみました。
ストーリーには触れませんが、公式サイトに書かれている範囲で取り上げます。
佐野さくらを演じる藤原さくらさんの演技力には驚嘆させられました。
初めてみる女優でしたので、新人とは思えない演技力に目を見張り、福山雅治さんの存在感が薄れて見えるほどでした。
佐野さくらは吃音症で、さまざまな苦労をしていました。
福山雅治さんが演じる臨床心理士、神代広平が佐野さくらのさまざまな場面に遭遇するわけですが、藤原さくらさんの迫真の演技に、私の心が揺さぶられるのです。
心が揺さぶられた理由
佐野さくらのなにに共感したのだろう。
佐野さくらのどの心境に、私の心が揺さぶられたのだろうか。
私の心の中に映し出された佐野さくら像を観察してみます。
佐野さくらは、一生懸命生きています。
佐野さくらの吃音症は、自ら望んでなったものではありません。
それでも周囲の人は、佐野さくらの苦しみを理解しません。
赤の他人や親しくない人は責め立て、罵り、気持ち悪がります。
友だちは心配してくれますが、けんかをすれば厳しいことを言ってきます。
佐野さくらは、友だちの協力を得ながら、なにもできない自分に苦しんでいました。
そしてついに自分の無力さに絶望します。
おおかた、こういったところでしょうか。
この佐野さくら像に、私の心が揺さぶられたと思われます。
私の過去と照合してみます。
私なりに、一生懸命生きていました。
私のコミュニケーション能力の低さや難聴は、自ら望んでなったものではありません。
それでも周囲の人は、私の苦しみを理解しません。
赤の他人や親しくない人は責め立て、罵り、気持ち悪がります。
友だちは心配してくれませんでしたが、相談しても厳しいことを言ってきました。
私は、友だちや親の協力を得たかったけれど得られず、どうしたらいいのかわからない自分に苦しんでいました。
そしてついに自分の無力さに絶望します。
まさに佐野さくらは幼少の頃の私と同じ
幼少の頃の私はまさに佐野さくらと同じでした。
言い換えれば、佐野さくらはトラウマで吃音症になりましたが、私はトラウマで右耳が聞こえなくなりました。
現在の私は難聴のままとはいえ、コミュニケーション上で無力感を感じることはなく、幼少の頃の苦しみは乗り越えました。
乗り越えたはずの私がなぜか佐野さくらに共感したのです。
懐かしいというか、子どもの頃の自分に戻るかのような体験(心境)でした。
ドラマを見て真っ先に感じたこと
第2話のクライマックスで、私はいても立ってもいられなくなりました。
自己分析する前に感じたこと、それは、
私の原点に触れるなにかがある
というものでした。
自己分析してみると、まさに私の原点でした。
すでに乗り越えた苦しみのため、長らく忘れていたものですが、確かに極限状態になると私の頭の中をかすめる心境の正体に思われます。
この私の心の中で騒ぎ出した、幼少のままの私に話しかけます。
もう乗り越えたんだよ。もう心配ないよ。
肩と首と後頭部に鳥肌が立ちます。
親にわかってもらえなかった自分、
友だちにわかってもらえなかった自分、
他人にわかってもらえなかった自分、
社会にわかってもらえなかった自分……。
しかし、今の私には表現方法があり、
世の中の誰もが自分の表現方法に苦しんでいて、
わかってもらえない苦しみに誰もが悩んでいて、
親にも、友だちにも、恋人にも、結婚相手にも、
果てには我が子にさえもわかってもらえず苦しんでいる……。
そんななかで、私は苦しみのない表現方法を手に入れた。
もう私は、わかってもらえない苦しみを恐れる必要はないのだ。
私の中の、幼少のままの私がポカンとしている……。
ドラマの展開はおそらく歌へ
ドラマのタイトルが「ラヴソング」というのですから、佐野さくらが歌を歌って、自分の表現方法を手に入れていくストーリーであることは想像がつきます。佐野さくらを演じる藤原さくらさん自身が歌手ですし。
自分の表現方法を手に入れるということはまさに、
自分自身の解放
です。
私は占いや自己啓発を勉強して正解探しをしましたが、正解を言えば言うほど嫌われ……。
運命を読み取る霊能力があればまちがいないと思い、本当に霊能力を手に入れて未来を語っても、望んでいない未来だと叱られ……。
やさしく受け止めてあげればセラピー効果があると考えて、肯定と励ましを繰り返せば、予言が外れたと苦情が入り……。
二転三転してついにたどり着いた境地は、まさに奇跡を呼ぶ仏陀の境地でした。
仏陀を見習ったのではありません。
考え抜いてたどり着いた境地が、仏陀のそれと同じだったということです。
それが私にとっての自分自身の解放となりました。
仏陀の境地の中身については、いずれ公開させていただきます。