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「車と子どもたちの冒険ファンタジー~映画『チキ・チキ・バン・バン(Chitty chitty bang bang)』~」

                  2003.8.20記録 2024.5.7加筆

映画『チキ・チキ・バン・バン(Chitty chitty bang bang)』(143分)
  監督:ケン・ヒューズ
  製作:アメリカ・イギリス合作(1968年)
  原作:イアン・フレミング
  主演:ディック・ヴァン・ダイク

出典:Wikipedia

『チキ・チキ・バン・バン』という映画をどのくらいの人がご存じでしょうか。
 
息子たちが小さい頃によく観ていた、Eテレの幼児番組「えいごであそぼう」に出てきた『チキ・チキ・バン・バン』の歌を聴いて初めて、遅ればせながらも本当は「チティ・チティ・バン・バン」と発音することを知りました。
 
その時から、むかし聞いたことはあったけどどういう内容の映画かは知らないなあ、いつかちゃんと観てみたい、と気になっていました。
 
ある日子どもたちにせがまれてレンタルビデオ屋に行った時、すぐに目につき即、借りてきました。
 
てっきり、カーレースのみのお話だと思い込んでいたのが、大間違い。(それは、「チキチキマシン猛レース」だろ!…とひとり突っ込み。これまた古すぎて、どれくらいの人が知っているかしら?)
確かに、はじめはクラシックカーレースの数々の大会で賞を総なめの車がある時、事故を起こして廃車寸前になってしまってからお話は始まります。
 
オンボロで使い物にならないこの車で遊ぶのが大好きなジェレミーとジェマイマの兄妹。
ある日この車が鉄くずとして売られると聞いて慌てた二人は、ディック・ヴァン・ダイク扮する父親に買い取ってもらおうと「30シリング用意して!」とお願いします。
 
この父親というのが珍品発明が大好きな一風変わった人で、でも子どもたちはいろんな物を作ってくれるお父さんを愛しています。しかし、家には車を引き取れるような大金はありません。
 
そこで、発明した珍品を使ってお金を手に入れようと、悪戦苦闘します。
 
結局、予想だにしなかった踊りのパフォーマンスでお金を稼ぐことができ、無事に車を引き取りきれいに化粧直しして、エンジンも手入れして美しい自動車として誕生させます。
しかし、動かしてみると変な音が…そう、「チキチキバンバン」と音を立てて走るのです。
仕方なくそこからこの車をそう呼ぶことにしました。
 
「チキチキバンバン」に乗って海へピクニックに行くと、そこへ一艘の船が…。
 
そこから、お父さんの語る冒険物語が始まるのですが…。
 
ここからは空想物語が続きます。夢と笑いの楽しい映画です。
 
とは書きましたが、私個人は後半の空想部分がけっこう長くて、正直に言ってやや退屈したのは事実です。
 
しかしながら主演ディック・ヴァン・ダイクの踊りは、「メリーポピンズ」でもその素晴らしさを知っていたので、とても軽妙で気持ちよく見られて楽しいです。

当時まだ小学2年生だった長男は楽しい映画などはじっと観る傾向にあったのですが、この映画も本人的にはおもしろかったようで、かなりの長時間のミュージカル映画ですが、最後まで笑いを絶やすことなく観ていました。
子どもの心には刺さる物語なのでしょうね。すみません、もう子ども心が無くなりつつある頃の私にはやはり無理があったか…。情けない。
 
その後半部分では、チキチキバンバンは船になって海を渡れたり、飛行機に変身して空を飛んでいったりと、空想ですから自由に描かれます。
そして登場する悪人をみんなで助け合って退治してしまいます。

それにチキチキバンバンのためのお金を稼ぐときに一緒に助けてくれた女性と父親が、その空想物語でも二人活躍し、結局仲良くなって父親が女性に結婚を申し込むという流れはもちろんハッピーエンド。
空飛ぶ車も空想話が終わっても出て来るし、どこからが創作話でどこからが現実なのかあいまいになっていますが、そんな野暮なことはたいして重要ではないですね。
 
夢を持ち続ける、何事も途中であきらめない、時には現実を見ることも大事ということを、しっかり教えてくれる映画でした。

ちなみに脚本は、あの『チョコレート工場の秘密』のロアルド・ダールも共同で手掛けており、いかにも展開がダールらしいなと後に知ってから納得しました。


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