「本編で知りえなかったエピソードで、再びファンを萌えさせる!~『RDGレッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』~」【YA㉚】
『RDGレッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』 荻原 規子 著 (KADOKAWA)
2018.2.21記録
今回の記事が「RDG」に関する最後の記事になります。
懲りずにお付き合いください(^^ゞ
なんと5年ぶりに出た新刊!(こちらの単行本:2017年12月出版)
物語としてはすでに終了していたのに、なぜ?と思ったら、番外編でした。やっぱりね。
大好きな物語だったので、さっそく読んでみました。
知らなかったのですけど本編がでているときに、あちこちの雑誌などで書かれていたものをまとめたものらしいです。
短編収録の今回の巻で最もページを割いているのが、主人公・泉水子(いずみこ)ちゃんの友人で戸隠忍者の家系に生まれた宗田真響(そうだ まゆら)からの視点で描かれているエピソードです。
突然行われることになった冬のスケート合宿が、どうやら宗田家が秘密裏に企む真響の婿選びという目的が潜んでいるという情報を得た「チーム姫神」(姫神である泉水子ちゃんを守る精鋭チームのこと)のメンバー。
婿候補最有力の深行(みゆき)を盾に乗り切ろうとした彼らに立ちふさがるべく、まさかのアメリカ帰りの従兄が登場します。
しかし、何かがおかしい。
宗田家の思惑に引っかからないように気をつけていた彼らでしたが…。
真響の泉水子愛がとてもなごみます。
また一族のためとはいえ、まんまと利用されてしまった従兄。
術をかけられていたとは言え、傲慢で上から目線の態度はいけ好かないけどややかわいそうに感じます。
それでも他の部分では泉水子を終生守る立場にある相楽深行の、本編では描かれなかった空白の期間で起こったことや、彼が感じたこと・思っていたことがわかって、ファンにはたまらない1冊となっています。
(この表紙絵はおそらく真響だと思われます)