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荀子 巻第七王覇篇第十一 3

今回は短めです。早速読んでいきます。

の国を持することは必ず独りすべからざるなり。然らば則ち彊固きょうこ栄辱は[宰]相をえらぶに在り。みずか(自)ら能あり相も能あり、くの如きは者は王たらん。みずからは不能なるも恐懼して能者を求むることを知る、是くの如き者はつよからん。みずから不能にして[而も]恐懼して能者を求むることをも知らず、すなわち唯便僻べんべい(嬖)左右の己れに親しみおもねる者をのみ用う、是くの如き者は危削きさくせられ、これをきわむればすなわち亡びん。

(「荀子」岩波文庫 金谷治訳注)

彊固きょうこ→強くかたい。堅固。
栄辱→誉れと辱め。名誉と恥辱。
恐懼→おそれかしこまること。
便僻べんべい→人のきらうことを避けてこびること。 また、その人。
拙訳です。
『国の運営は絶対に一人でできるものではない。であれば国の堅固さや名誉と恥辱は宰相を選ぶところに起因する。王自らに能力があり宰相にも能力があれば王者になるだろう。自分は無能だが畏れかしこまって能ある者を求める事を理解している王であれば強い国になるだろう。自分に能力がなくしかも畏れかしこまって能ある者のを求めることをも知らず、自分に親しみ、人の嫌うことを避けてただ媚びおもねる者を左右に揃え用いる王は、国を危うくし削減され極限に達すれば亡びるだろう。』

国は独りでは運営できず、宰相選びが重要だという話です。
国というと遠い話になりますが、国に限らず組織とすれば、組織は一人では運営できず、組織を運営できる有能なパートナーを探し用いることが重要と身近になります。
組織運営者というのは限られた人ですが、運営者になる前から有能な人を見極める力を養っておけば、いつか自分が人を使う立場になったときに大きな武器になるはずです。


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