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おススメ相続本のご紹介 Vol.2

今日のおススメ本は、

障害のある子を持つ相続専門家である著者自身が、愛する子の将来のために「できること」を詰め込んだ一冊。

鹿内幸四朗 著 杉谷範子 監修 「障害のある子が『親なき後』も幸せに暮らせる本」 大和出版(2020年8月)

この本を読んで、自分の知識の薄さと如何に自分が相手の気持ちや想いに寄り添えていないか、を痛感させられる一冊でした。
障害者のいる子どもを持つ親御さんの相続については、これまでも何度か相談を受けたことがありました。
自分がこれまでお話していた内容は、以下のようなことです。

●親御さんが認知症になったり死亡したりした後は、成年後見制度を活用して子どもの財産を信頼できる親族・専門家に依頼する。
●子どもの財産管理において家族信託の活用も視野に入れる。
特別障害者扶養信託契約に基づく特定贈与信託を活用して、障害者を受益者とする非課税贈与(特別障害者6000万円、障害者3000万円まで)を活用して、税負担を回避して子どもの生活費・療養費を確保。
生命保険信託を活用して、親御さんの死亡後も定期的に子どもに資金が交付される仕組みをつくる。
障害者に対する税の優遇措置は以下の通りです。

引用:障害者と税(国税庁) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm

障害のある子どもの将来の生活費・療養費を、如何に子供に税負担なく引き継がせることができるか、といったことに主眼を置いていて、このような話はどんな本でも書いてあるような内容であったと思います。

しかし、最大の懸念は、

親である自分がいなくなった後、誰が子どもの面倒を見るのか?

この問いの答えは簡単ではないと思います。そんなことは当事者の方であれば百も承知で、小生のような人間が軽々に言える話でもありませんし、当然小生も明確な答えを持ち合わせていません。

ただ、私がこの本を読んで素晴らしいと思ったのは、

できる事とできない事をしっかり調べ上げ、できる事や変えられる事を徹底的にやり切る❗️


そんな大切なことを示している本だからです。そして、自分が考えていた障害者の子供がいる場合の相続対策を根本から変えるような、素晴らしい本であったと思います。

障害のある子どもの生活費・療養費を誰がどのように管理すべきなのか?
そして、そのために今やらなければならない事はなにか?

当事者であるからこそ、そして、相続の実務家であるからこそ、考えに考えて出来うる事が全てこの1冊に込められていると思います。

筆者の方には、障害のある子どもの財産管理のあり方を、実務家として、そして一人の親として、世に広めてくださったことに敬意を込めるとともに、多くの相続実務家にも是非一度読んでいただきたいと思い、ご紹介させて頂きました。

それではよい一日を🎵






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