「光る君へ」の超ダークなエンディングを妄想する
「光る君へ」のラストへの展開を勝手に妄想した。
今後の展開のメインは敦康親王問題だろう。
これをどう描くのか? これは、このドラマの構想の初期の段階から、作者の頭にあったことだろう。
作者は、春頃のインタビューで「道長は闇落ちしません」と言い切っている。では、どう描くのか?
そこで考えたのは、「国家の安寧のために泣いて馬謖を斬る」という展開ではないか? というものだ。
史実では、本来東宮となるべき定子の子敦康親王ではなく、彰子の子敦成親王が立太子し、後に後一条天皇となる。ただ、彰子は養母として育てた敦康親王への思い入れが強く、この裁定について父親を恨んだというのは有名な話だ。
そこでだ。
今後の展開を予感させる2つのエピソードが今日(10月6日)あった。
1つは、道長が息子頼通に説教するシーン。
その中で、道長は、立太子について言及し、「天皇は誰でもいいのだ。宮中を安定させ、まつりごとが平穏に行われれば」と言い切っていた。それから、「これは、我が家のため、という問題ではない」とも言った。
「我が家のため」というのは、道長の父、兼家の言葉で、これが道長のトラウマになっているという設定で、この言葉は、これまでにも何回か登場している。
だから、広く言われているように、自分の栄華のために自分の孫を強引に皇太子にする、という展開は考えられない。
しかしだ。逆に考えれば、「国家の安寧を乱す者は、何人であっても除く」という決意と宣言にも受け取れるわけだ。これが1つ。
もう1つは、彰子とじゃれ合う敦康親王を見つめる道長のシーン。そこに「源氏物語」の「藤壺」の記述が重ねられた。
藤壺は、桐壺帝が桐壺更衣亡き後に迎え入れた桐壺と瓜二つと言われる女性である。その義理の母親と光源氏が、禁断の関係を結んでしまうというストーリーだ。
このシーンを見て、ああ、これじゃないかな?と思った。
つまり、彰子と敦康親王が禁断の関係になってしまうのだ。
これは、まさに「源氏物語」と現実とのクロスオーバーだ。さらに穿って言えば、「若紫」の逆パターンとも言えなくはない。
脚本家ならぜひとも書いてみたいストーリーだろう。というか、ここまで来て「源氏物語」を絡ませなくては、わざわざ紫式部が主人公のドラマを書く意味もないというものだ。
そっかあ。ひょっとしたら、このドラマの着想のきっかけは、もしかしたらこの展開なのかもしれないなあ、と思った次第。
そして、もしそうなるとなれば、道長は、迷うことなく、敦康親王を除くだろう。なんとなれば、これは「我が家のため」ではなく、「国家の安寧を揺るがす一大事」だからだ。道長は、為政者として、秩序崩壊の芽を摘むことになるだろう。まさに「泣いて馬謖を斬る」だ。
そして、ドラマチックなオーラスも妄想した。
この非情の決断に籐式部は泣いて抗議するだろう。
その時、道長は言うのだ。
「国家と民の安寧こそ、お前が望んでいたものだったのではないのか? そういうまつりごとをしてほしいとお前は俺に言ったじゃないか? だから、俺はお前との約束を守ったのだ」と。
とかとか考えると、「闇落ち」以上にものすごいダークなラストになっちゃいそう。
さらに、ウィキで調べると「親王は道長の嫡男である摂政頼通と親しく、相婿となり家を共にしていた」とある。
この辺も絡んで超ドロドロな展開になるのか?
結構人気のドラマだったけど、ラストに来て、「見るんじゃなかった」って悲鳴が全国にこだまするのだろうか?