久しぶりのパニック。少し俯瞰して見れるようになったのかな。
実は昨日、ミッションをクリアしてきたぴぃは、食後にミッケ発動で久しぶりにパニックを起こしていた。
いつも行くショッピングモールのフードコートでラーメンが食べたいと言ったぴぃ。
ラーメンを食べ終え、アイス買って食べようかと話していると、ぴぃは胸元が当たる部分のテーブルのふちについている何かに気づく。
その何かをじーーーっと見つめ、「もう無理、アイスはいらない。」と言って立ち上がった。
そして、フードコートをでて、目の前のフロアを泣きそうな顔をしながらウロウロし始めた。
時々ジタバタと足を踏み鳴らし、ハーハーと大きくて細かい呼吸をしている。
こうなるとすぐに声をかけてもだめ、とにかく時間をおこう。
フードコートの中から遠目にそれを眺め、なんとか乗り越えてくれと祈るしかない私。
テーブルのふちについていたものを確認すると、ぴぃではない誰かが食べこぼしたものがベットリとついて固まっていた。
ぴぃの不潔恐怖は食べかすや食べ物のシミに大きく反応する。
それが体についたと思うと、時間がたった食べ物の菌が体中に蔓延し、死んでしまうという強迫観念に囚われてしまう。
「食べ物には賞味期限、消費期限があり、それを超えたものを食べて死んでしまう人もいる。」
と、3年性の時の先生がサラッと話したことがきっかけで、ついての正しい知識を何度塗り替えようとしてもダメなのだ。
そうこうしていると、ぴぃが泣きながらショッピングモールの外に出て行ってしまった。
急いで追いかけ、ぴぃの後を追う。
だめだ、全くパニックがおさまる様子がないと思い、ぴぃに近づく。
私「ぴぃ、おいで。怖かったね、怖かったよね、もう大丈夫だよ。」
両手を広げて待っていると、恐る恐る私に近づいてくるぴぃ。
でも、腕は絡ませてくれるのだけど、胸の中には来てくれない。
「ママは大丈夫だから、ちゃんとおいで。」と言っても大きく首を振る。
きっと洋服が怖いんだと思い、荒くなった呼吸を整えるために背中を撫でる。
ちょうどフリータイムにぴぃの秋服を買っていたことを思い出し、「お洋服買ってあるから着替える?」と聞くと、「うん」とうなずく。
ショッピングモールに戻り、多目的トイレに向かっていると、
ぴぃ「本当はね、外に出て洋服を脱ごうと思ったの。もうそれしかないって思って。」
私「脱いだら裸になっちゃうじゃん。」
ぴぃ「そうだよね。とりあえず茂みを探してそこで脱ごうってことしか考えられなかった。裸になっちゃうことなんて考えられてなかった。」
私「そんくらい怖かったんだね。頑張って乗り越えようとしてたんだね。もう大丈夫だよ。」
ぴぃ「あの食べかすはなんだったの?もうほんと最悪。」
私「ママにもなんなのかはよく分からなかった。でもあれは怖いよね。」
ここまでくるとあれがなんだったのかは重要なことではない。
たとえ「食べ物じゃなかったから大丈夫」という嘘で安心させようと思っても、一度菌だと思ったぴぃにはもう菌でしかない。
だから、なんだったかをハッキリさせようとはしない。
ただ怖かったという気持ちを受け止めるようにしている。
フードコートでご飯を食べる時、ぴぃはどこに座るかをじっくり吟味する。
昨日も、何箇所も何箇所も見て、なるべく綺麗なテーブルを探して決めたはずなのに、テーブルの上ばかりを見て、ふちを見逃していたことを悔やんでいた。
その後、多目的トイレで買ったばかりのきれいな洋服に着がえる。
たまたまカットソーとボトムを買っていたのだが、セットで着れるように買ったものではなかったからチグハグなセットアップ。
「変な格好w」と言って笑うと、ぴぃも笑った。
ぴぃは着替え終えた瞬間から表情が一変し、「アイスを食べたい。」と言った。
アイスを買って、2人で食べながら歩いた。
どうでもいい話をして笑いあった。
昨日ぴぃは私が課したミッションをクリアした。
でも、相当な不安と緊張があったのだと思う。
それがどれだけぴぃにとってストレスだったかと思うと、思いつきでミッションを課してしまった自分を一瞬呪う。
疲れ、緊張、ストレスはミッケを誘発する。
そんな瞬間をもう何度も見てきたはず。
でも、ぴぃの成長は、成功体験の積み重ねでしか得れないものもあるとも思う。
全部は無理、完璧じゃなくていい、ただそれだけのこと。
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