双極症が海外旅行に行く時に気をつけるべきこと
こんにちは。双極日記です。
本記事では、私の実体験を基にした「双極症の方が海外旅行に行く時に気を付けるべきこと」についてお伝えします。
はじめに
はじめに、簡単に私の自己紹介から。
私は双極症の発症以降、激務系サラリーマンとしての生き方を見直し、自由と健康のために新たな生き方を模索中の者です(2024年12月現在)。
(※なお、詳細な自己紹介は現在作成中です)
そしてこの度、双極症発症前から予約していた海外旅行に行ってきました。
(正直キャンセル代も高いし、この先の人生で海外旅行に行けるチャンスがまた巡ってくるかも分からなかったので。。)
今回は、そんな無謀な旅行を決行してしまった備忘録として、
・旅行前後で双極症の症状はどう変化したか
・何に気をつけるべきだったか
についてお伝えします。
旅行の概要
日本からスイス経由の便でヨーロッパ圏に渡航し、チェコ・ドイツ・オーストリアを約1週間かけて巡るツアーの旅でした。
妻と二人で参加し、妻と私は飛行機移動やバス移動、観光中も常に行動を共にしていました。
また、ツアーなので移動中は旅行会社の添乗員さんも近くにいて個人で申し込むより比較的安心でした。逆に、時間や移動先が事前に決まっており融通が効かないという所はツアーのデメリットでした。
海外旅行前の体調
海外旅行前の時点では、そこまで体調に不安要素はありませんでした。
むしろ体調が良いくらいで、ギリギリ躁転はしていませんでしたが、普通に日常生活を送れますし、エネルギーも充実した元気な状態でした。
このまま海外旅行に行っても何の不安も無い、そう感じていました。
この時は、まさかあんな辛い思いをすることになるとは全く想像もしておらず、完全に油断し切っていました。
海外旅行中の体調
結論として、旅行中に双極症の症状は悪化しました。
特に辛かったのが、行きの飛行機移動です。
日本からスイスまで飛行機に乗っていた時間は脅威の14時間。更に日本とスイスとは時差が8時間あるので、移動中は機内食が出た後早々に消灯されてしまいました。いつもと異なる時間に夜が来て、朝が来る。概日リズムが症状の安定化に非常に重要となる双極症にとって、最も避けるべきことでした。
更に最悪だったのが、双極症の薬を手荷物の奥深くにしまい込んでいたことでした。
日本時間で薬を飲むべきタイミングになった時には時すでに遅し。飛行機の中は真っ暗に消灯されており、皆寝静まっている。灯りをつけてバッグを手荷物入れから見つけ出し、薬を探してガサゴソ漁れる状況ではなかったのです。
そのため、やむなくスイス到着後に薬を服用したのですが、その時にはすでに強烈なめまいと吐き気が私を襲っていました。
スイスからチェコへの移動の待ち時間はわずか1時間。私はグロッキーな状態で冷たい空港のベンチに倒れ込み、そのまま寝ているしかありませんでした。
更に、ツアーなので飛行機の便を変更するわけにもいかず、この時は「今回の旅、もうダメかも。。。」と絶望しました。妻にも謝りました。
結局、吐き気止めを飲んで無理やり予定されていたフライトでチェコまで2時間かけて移動しましたが、ずっと吐きそうでした。
その後、ホテルで寝たことで少し体調は回復しましたが、今度は下痢に悩まされることになりました。
2日目のチェコ観光中に急に腹痛に襲われ、本当にギリギリのところで見つけたトイレに駆け込むことができましたが、後少し遅ければ社会的にアウトになるくらい漏れそうでした。
もしそうなっていたらツアーで他の観光客もいたので、私の自尊心は粉々に砕かれていたことでしょう。
また、チェコ中に日本人の汚名(文字通り)が轟くことになっていたでしょう。
あとは、バス移動中にずっと何回か吐きそうになりました。バス酔いとかではなく、双極症のめまいです。ただ、これは日を追うごとに段々収まっていったのでそこまで辛くなかったです。
ちなみに、薬は決まった時間(現地時間)に飲んでいましたが、日本時間と現地時間で8時間ずれました。これは夜ご飯後に服用する薬なので仕方なしですが、
本来は避けた方が良かったと思います。
ただ、服用タイミングを現地時間に合わせたお陰か、観光は普通に楽しむことができました。
1日目スイスに着いた辺りと2日目の便意は正直かなりきつかったですが、それらを除けばチェコ・ドイツ・オーストリアを大いに満喫することができました。
そんなこんなでどうにか旅を終え、帰国しました。
また、帰りの飛行機では反省を生かし、薬を手持ちのポーチに入れ、日本時間に合わせて早めに飲みました。
その結果、帰りはめまいは吐き気に襲われることはありませんでした。
(ただし、帰りの空港から帰るバスで下痢は再襲しました。もしかしたら双極症関係なく、私のお腹が弱いのかもです。。。)
家に着いた私に込み上げてきたのは、旅の感動と安堵と便意でした。
その夜は意識を失うように寝落ちしました。
帰国後の体調
次の日、全く体が動かなくなりました。鬱転したのです。
寝ていること以外何もできなくなりました。
旅行で概日リズムが崩れ、服薬リズムも崩れ、完全にエネルギーを使い果たすという役満により、今まで安定していた体調があっさり鬱転してしまったのです。
絶望しました。
自分は今後海外旅行に行ったらまた同じ結果になるのではないか。
旅行するたびに毎回辛い思いをするのではないか。
でも、私はそれらの感情を杞憂だと思っています。
なぜなら、体調が悪化した要因を一つずつ排除して、次の旅行で気をつければ良いだけだからです。
今回の旅は、双極症発覚前に予約していたものなので、体調的に少し無謀な内容となっていました。また、症状を悪化させるような多くの失敗もしました。
そりゃ体調を崩しても仕方なかったと思います。
でも、今回の旅で多くのことを学べたと思います。
出来ればまた次も海外に行きたいですし、次はもっと良いコンディションで旅行を満喫できると思います。
気をつけるべきこと
今回の旅で学んだ「双極症が海外旅行する時に気をつけるべきこと」は、下記です。
出国前に生活リズムを大きく崩さない
絶対に薬を持っていく。落とすかもしれないので、小分けにして少し多めに持っていく。
スーツケースはロストバゲージする可能性があるので、薬は手荷物に入れる
なるべく薬を飲むタイミングを日本と海外でずらさない。どうしてもずらす必要がある場合は主治医に相談した上で少しずつずらす
機内に薬を持ち込む際は、すぐ取り出せる場所に置いておく
なるべく時差の大きな地域に行かない。行く場合は、日本で少しずつ時差に対応した生活リズムに慣らしてから行く
多くの国や地域を巡るツアーは避ける
なるべく自由行動が多く、融通が利くツアーに参加する
現地での移動時間はなるべく短くし、長時間のバス移動は避ける。仕方なく長時間となる場合は、休憩を多めに入れてもらうなど配慮してもらう
現地でもはしゃぎ過ぎず、ゆっくり観光して早く寝る
「せっかくだから、、」と思っても無茶な観光計画は立てない
事前に同行者に不安要素を伝えておく
吐き気止めを持っていく
コーヒーや酒は避ける。ホテルビュッフェのコーヒーや現地のビール・ワインが飲みたくなるが、グッと我慢する
行き先のトイレの場所を事前に調べておく
体調が悪化した時に休める場所を把握しておく
帰国後は急に今まで通りの日本での生活を送らないで、しばらく安静にする
少しずつ日本の生活リズムに戻していく
(上記を守った上で、)体調が最悪の場合は、無理せず勇気の撤退をする
おわりに
双極症は「低め安定を目指しましょう」とよく言われます。
でもそれは、=「人生を楽しむな」ということではないと思うんです。
私たちも人生を楽しんで良いんです。海外旅行だって行って良いんです。
辛いことが多い人生だからこそ、楽しみは少しでも多い方がいいじゃないですか。
双極症でも海外旅行はできます。
ただ、健康バリバリの人よりも少しだけ気をつければ良いだけです。
体調が許すなら、ぜひ海外旅行にチャレンジしてみてください。
きっと、あなたが辛い時にそっと思い出して元気を取り戻せるような、
素敵な思い出になると思います。
この記事が、「双極症だから海外旅行に行くか悩んでいる」という方にとって少しでも役に立てたら嬉しいです。
それでは、また別の記事でお会いしましょう👍