「J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター3級」【受講予定者永久保存版】
おは妖ございます。妖店長です。「J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター3級」の資格を取得して参りました。
学びが沢山ありましたので、可能な限りまとめていきたいと思います。
☆他noteの資格取得の流れまとめのみの記事とは違い、画像つきでどこよりも詳細に記載するつもりです!
はじめに
【目的】
今まで文献やネットでの知識で抽出~焙煎まできたので、「自分の知識が正しくインプットされているか確かめる」ため受講して参りました。
【この記事を読むメリット!】
・これから「コーヒーインストラクター3級」受講を検討されている方
・コーヒーの民間資格が多数あるため何を基準に検討したらいいか分からない方
・コーヒーの資格は考えていないけど、コーヒーの知識について知りたい方
上記の方にどの記事よりも詳しく楽しく読める記事にしたいと思います。
では、早速いってみましょう!!
J.C.Q.A.関連組織・資格概要
Q.全日本コーヒー商工組合連合会とは?
Q.「コーヒー検定」とは?
Q.「J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター3級」とは?どうやって取得するの?
☝3級開催企業一覧!受講予定者は要チェック!!
【~ここまでのまとめ~】
・1966年に農林水産省の認可を受けた「全日本コーヒー商工組合連合会(AJCRA/All Japan Coffee Roasters Associationの略称)」が、2003年より開始した日本で初めてのコーヒー検定事業が全日本コーヒー検定委員会(J.C.Q.A./Japan Coffee Qualification Authoritの略称)である。
・2006年より、我々一般消費者も検定を受ける事が可能となった。
・3級は全日本コーヒー商工組合連合会加盟・賛助会員企業がそれぞれ独自で開催する形であり、開催企業一覧から自分で選択して申し込みが必要!
・3級を飛ばして2級受験は可能。以降は、2級→1級→コーヒー鑑定士(3つのジャンルに分かれる)の流れが必須条件。
…ん?日本初のコーヒー資格もう一つないですか?
1999年~SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)開催の「コーヒーマイスター」では?
コーヒー資格会社の選択
上記まで読んでお分かりのようにコーヒーの資格は「民間資格」なので沢山の企業から沢山の資格が出ているのです。
私は数あるコーヒー資格の中で個人的に、①「コーヒーマイスター」か②「コーヒーインストラクター」で迷っておりました。
①「コーヒーマイスター」
➣SCAJの会員登録必須。年会費が個人10000円~店50000円かかる。
受験料39000円+3年ごとの更新料10000円+他
②「コーヒーインストラクター」
➣AJCRA入会の必要がなく年会費も0円。更新不要。受験費用+他程度。
➣3級は検定料1500円+各企業設定の講義代で済みます。
日本看護○会に似たところがありますね。運営費・活動費。
日本看護○会の場合、入会金+年会費+運営資金を払う必要があり、県で違うのですが多い県だと計80000円以上払うという…恩恵があれば勿論いいのですが、私はとっくにメリットを感じず脱退致しました。
つまり…
①SCAJは競技大会や展示会が多く開催されているため、珈琲店を本職としており、年会費分の恩恵を受けるなら「コーヒーマイスター」
②AJCRA加盟・賛助会員企業のスタッフ(セミナー講師としても働けるようになる)や、費用を抑えて資格のみを取得したい個人が「コーヒーインストラクター」向けといえるのではないでしょうか?(個人的考察)
「CARAVAN COFFEE」
と、いうことで.…
個人での副業として珈琲店をしており、資格取得において費用が抑えられることにメリットを感じたためJ.C.Q.A.認定「コーヒーインストラクター3級」資格を取ることに決定!!
※2023年5月時点で、2級は既に〆切後で断念。
☝上記の開催企業の中で、私が選択したのは「CARAVAN COFFEE」(株式会社ユニマットキャラバン)様!☟
■日時
2023年5月13日(土)
①10:00〜12:00 ②13:30〜15:30
■セミナー名称
①コーヒーインストラクター3級認定講習・ハンドドリップ抽出体験
②焙煎度別・生産国別・挽き方別 コーヒー比較体験
■持ち物:筆記用具のみ。
※ダイソー等でA5サイズの硬質ケースがあると安心です妖~(後述)
■開催場所
「キャラバンコーヒー2階 セミナールーム」
みなとみらい線 元町・中華街駅3番出口より徒歩約7分等
Q.何故数ある企業の中で「CARAVAN COFFEE」主催のセミナーを選択したの?
A.
①自分が住んでいる地方(関東圏)であった。
②場所が中華街周辺にあり、空いた時間で観光が可能♥
③午前の3級認定講習後に、午後も追加で講義を受けることが出来る。時間を無駄にしない。
④Twitterで「キャラバンコーヒーの豆」(①AM)と「HARIOの手挽きコーヒーミル」(②PM)のお土産がつくと拝見したため。
午前の部:「J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター3級」講義内容
いよいよ本題に移ります。
※キャラバンコーヒー作成の講義資料(当日回収済/撮影可)の写真はSNS掲載は不可。他はUP許可を講師の方から頂きましたので掲載致します。
今回の講師は、岡田 和也様!
➢ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2017で1位、キャラバンコーヒー 船堀店 元店長
講義内容
セミナールームに入ると各机に名前が貼られており、着席します。
私が受講した際は、8人ほどの参加。女性がほとんどで幅広い世代の方が参加されていた印象でした。
■講義
①コーヒーの生産
○コーヒーは実のどこを飲むの?
○コーヒーにはどのような種類があるの?
○日本でコーヒーは採れるの?
②コーヒーの原料と抽出
○ブレンドと単品(ストレート)の違いは?
○抽出器具によって何が変わる?
○抽出するときの水による違いは?
③コーヒーの成分と保存
○カフェインは深煎りのほうが多いの?
○淹れたてのコーヒーが美味しいのはなぜ?
○コーヒーの保存はどのようにしたら良い?
■ハンドドリップの美味しい淹れ方
①講義によるデモンストレーション
②実践
上記が主な内容になります。
大まかな流れ(詳細と答えが知りたくば直接受講されて下さい!笑)を説明するのと同時に、☆自分が思った事をメインで追加して書いていきますね。
①コーヒーの生産
○コーヒーは実のどこを飲むの?
・発芽~成熟~摘み取り
・コーヒーチェリーの解剖
○コーヒーにはどのような種類があるの?
☆「珈琲大全(本)」では三種類の説明でしたが、現在は二種類での講義でした!
○日本でコーヒーは採れるの?
・コーヒーの栽培条件とコーヒーベルトの説明+α
②コーヒーの原料と抽出
○ブレンドと単品(ストレート)の違いは?
☆J.C.Q.A.側での資料には記載されていない「焙煎度で味が変わる」=コーヒーの味はほとんど焙煎で決まることをキャラバンコーヒー資料では強調しておりました。
「珈琲大全」側の考え方のようです。
○抽出器具によって何が変わる?
・器具/湯温/抽出時間/粒度の説明
☆キャラバンコーヒー様で重要視しているのは「抽出の再現性」=「味のムラ」を出さないことでした。化学きた~~!!
①ペーパーフィルターをしっかり折りドリッパーの形に添うようにして入れ
湯流れを変えない。
②雑味の泡を中心に集めて粉の壁を均一にする。
☆ドリッパーの各湯流れの特徴・器具のメリットデメリットについては3級では省略されていました。
受講者が質問し「台形ドリッパーは抽出が安定しているのでオススメです」とのこと。
○抽出するときの水による違いは?
☆まさか3級で水の話が来るとは!!!!!
「コーヒーには軟水が良いと言われていますが、日本の水道水は軟水にあてはまり、カルキ臭は温めることで薄くなるので水道水でも問題ありません」
あ、コーヒー検定でもそういう考えで良いのか…
焙煎度ごとの湯温設定、TDS、収率、非加熱天然水、Ca、Mg、炭酸イオンには触れずでした。
③コーヒーの成分と保存
○カフェインは深煎りのほうが多いの?
・焙煎度でカフェイン量がどうなるか
(当店のお客様は知っている◎)
・コーヒー含有成分の項目
(メイラード反応には少し触れる)
○淹れたてのコーヒーが美味しいのはなぜ?
・キャラバンコーヒー様の見解では「ホットコーヒーは抽出後30分、アイスコーヒーは4~5時間が美味しく飲める期限」とのことでした。
☆「揮発性なので香りは飛びやすい」と、揮発性メイラード化合物の話に少し触れておりました。
(当店のお客様は知っている◎)
○コーヒーの保存はどのようにしたら良い?
・光/酸素/湿気/温度/スチール缶の話
・豆と粉で期限が異なる
☆個人的にコーヒー豆の保管で疑問に思っていたのが
「常温保存派」と「冷凍保存派」で意見が分かれること。質問してみました。
A.「結露の問題、冷凍庫の別の食材のにおいを吸ってしまう、一回出して常温に戻すと湿気を吸ってしまう。常温推奨」
「冷凍派で究極に行きたいのならば、飲む量ごとに小分けにして冷凍庫←面倒ですよね…」
今まで冷凍庫保存で来ていましたが、なるべく早く飲もうと思いました(笑)
■ハンドドリップの美味しい淹れ方
①講義によるデモンストレーション
☆試飲させて頂きました。「美味しい~~!!」
②実践
◎今回のレシピ
「ゴールデンキャメル」(中煎り/ホンジュラス+コロンビア+他)
・粉25g(中挽き):お湯350ml(90℃)=1:14(濃い抽出)
・4投式
①40秒50g(蒸らし)→②③④50秒100gずつdripし、3:00でlock
【自分が実践した結果】
◎まあ、飲めます。以上(笑)
認定証授与
この後、一人一人講師の方から認定証の授与(A5サイズ)があります。
是非他の受講者の方を拍手でお祝いしましょう!!
☆講義についての個人的疑問点
今回の講義では、②コーヒーの原料と抽出において、器具/湯温/抽出時間/粒度の説明というか画像での説明がさらっとあった程度。
蒸らしの根拠ちょろっと→レシピ渡してdripしましょうになったのです。
蒸らしの説明:「焙煎での化学変化で起こった二酸化炭素(ガス)で豆が膨らみます。コーヒーの表面積が大きくなり、お湯との接触が増え抽出しやすくなります」←分かります妖
1:16が黄金比(酸味・苦味・濃度のバランスが良いため)を基準にして…と根拠の説明も元々の資料内容にも無く…(受講者が質問して解答)
「味が薄ければケトルを早く回す、味が濃ければケトルを遅く回す(対流の増減の話)」←3級受験の珈琲沼半年の初心者には厳しいです妖…
つまり、味のコントロールのメインを「各投の湯のテクニック」で絞っての実技になります(焦)
☆ここで注意したいのは「コーヒードームが出来る=品質・美味さ・テクニック関係ないです!」
※焙煎での化学変化が浅いライトローストと、ガラス転移現象の再硬化→内圧上昇→焙焦反応進行→炭化でガス取り込みにくくなったイタリアンロースト寄りは膨らみにくくなるのでは?と思ったり。
⇒あくまで、新鮮な豆の特徴でガスが出やすいというだけだと思います。
【結論】
美味しい淹れ方ではなく、「ブレがない(再現性が高い)淹れ方の流れ」の講義でした。(バリスタ目指す方…向け?)
【個人的に考える美味くする要素】
・欠点豆の除去!!
➢①コーヒーの生産 含めて講義で一切触れない。
・濃度の比率を黄金比の1(粉):16(湯)を基準に考える。
➢②コーヒーの原料と抽出 含めて講義で一切触れない。
・焙煎度ごとに豆に含まれる水分量が違うので湯温を変える
➢②コーヒーの原料と抽出 含めて講義でほぼ触れない。(図で終了)
・水99%:コーヒー抽出液1%で圧倒的にコーヒーは水でできてます。
ミネラル(MgやCa)を含んだ天然水の必要性に触れた方が.…
(浄水器濾過済の水道水とか、「南アルプスの天然水」とか.…)
➢②コーヒーの原料と抽出 で少し触れるが「競技大会向け」のニュアンス。
△「2時間の講義内容で到底尺が足りない」のは分かりますが…根拠が不足している印象でした。
◎講師の先生、スタッフ様はとても優しく受講者一人ひとり親身に対応して下さり感謝しております!!!!!
(どちらかというと「運営システム側」の話をしています…)
【対策】
参加予定の方は、遠慮せずに「質問コーナー」でガンガン質問することを推奨します。
☆「妖珈琲店」店長のdrip(考え方)
ここまで書いておいてなんですが...…
私、未だに「MUGEN(一投式ドリッパー)×2投」メインでやってます。
※個人的濃度研究(感覚)で、V60スイッチ(OFFで使用)/ROKUMEIのカリタウェーブ/スタバリザーブ台形メリタも以前買いました。「湯流れの速さ」的には、左から浅煎り/中煎り/深煎り向け。
➢スタバリザーブで提供のコーヒーは焙煎度が一般的のものより少し強い×「硬水」×湯流れ遅い扱いやすい台形メリタドリッパー(スタッフさんより聴取)=深煎り向け。
私の場合、どのドリッパーでも①細ーく抽出して「あ、豆ふやけて表面積大きくなって成分出て来たな(蒸らし)」→②あとは飲む分量(ml)までゆっくり適当に。
と、いうのも.…
コーヒーの栄養成分的には、「最初の50mlでほぼ抽出されている」と言われています。(岡 希太郎先生より)
当店のコーヒーは「成分焙煎」。
焙煎する上での「珈琲豆の化学的成分変化」にフォーカスを充てているので、個人的には当店の経営理念「冷めても美味しいブラックでも飲みやすい」が守れれば何投であろうと問題ではないのです妖~。
コーヒーを「薬」として摂取していた歴史があります。
私の場合、最初の50mlは栄養成分+残りの量は嗜好品という考えです。
「雑味なく渋みなく飲める 薬と言ったらいくら「珈琲一杯の薬理学」で根拠があっても薬事法が怖いので 理想的な栄養成分コーヒー」を毎日摂取しております♡
~休憩~
ここまでで6000文字超えているんだけどもどうゆうこと?
有料記事にしない代わりに当店のコーヒー買ってください(笑)
午後の部:「焙煎度別・生産国別・挽き方別 コーヒー比較体験」
講義内容
セミナールームに入ると各机に名前が貼られており、着席します。
私が受講した際は、5人ほどの参加。幅広い世代の方が参加されていた印象でした。
■講義
①焙煎度別・生産国別コーヒー比較体験
○焙煎度による違い(3種)
○生産国による違い(9種)
②挽き方別コーヒー比較体験
○挽き方による違い(3種)
○豆を挽いてハンドドリップで抽出してみよう
①焙煎度別・生産国別コーヒー比較体験
○焙煎度による違い(3種)
・浅煎りは酸味~深煎りは苦味主体
☆「ブラジル サントス」・「ケニアAA」・「マンデリン」を各焙煎度で試飲/テイスティング致しました。
当店のサイトを覗かれた方はお分かりになりましたか…?
講義での試飲メニューが「成分焙煎珈琲シリーズ」3種類中2種類が被っておりました!自分が設定した焙煎度は試飲でも個人的には一番飲みやすかったです!!
○生産国による違い(9種)
・世界のコーヒー生産国
・アフリカ、アジア、オセアニア、中米・カリブ海、南米での味の特徴(回収されてしまう資料がとっても分かりやすいので写真撮影推奨!/撮影はOK)
②挽き方別コーヒー比較体験
○挽き方による違い(3種)
・粉の粒度/器具別の粒度
○豆を挽いてハンドドリップで抽出してみよう
・HARIO手挽きミル使用方法
・挽く=豆を粉砕すること
◎レシピ(反時計周りに○回クリック)
・粗挽き:12回
・中挽き:09回
・細挽き:06回
内容は以上です。
◎まとめ
【3級講義+αを受講しての考え方】
※あくまで個人的な考察です。
・「J.C.Q.A.認定コーヒーインストラクター3級」受講だけで、「大切な基礎をしっかりと学んだ」と思わない方がいいです。
・「コーヒーの基礎のキーワード」を2時間でさらっと教えて頂いたので、持ち帰って「本質的なところを深堀りする」位の気持ちでいないとつまづく原因となると思います。お店を計画されている方は特に。
例)「時間通りにdripできないから下手かも」とか、「泡が」とか…
Q.上級の内容はどんなもの?
➢ついでに2級の試験内容も調べました。
【2級の試験範囲は?】
※非公式
こちらを参照すると…
【時間】:60分(30分で退出可能)
【問題数】:実技1問+学科45問
【合格点】:70点以上
・カップテスト
・コーヒー豆の生産国の位置と格付け
・○×問題と二択問題(内容は引用URL参照)
多数のコーヒー豆や器具を扱うお店や、バリスタさん向けかなあと個人的には思いました。
【2級の費用】(私が持ち帰った資料参照)
・受講料:25000円
・受験料:5000円
※再試験料:5000円
・認定登録料:5000円
⇒最大でかかる費用は、40000円です。
うーーん。ブローチは欲しい.…←理由(笑)
【受験のメリットとデメリット】
受験の個人的な基準としては
・「かかる費用に対しての効果(売り上げや就職/給与等)が見込めるか」
・「受験する目的が自分の中でしっかりあるか」
あたりでしょうか.…。
当店(実働私1人)としては、上記にメリット・目的を感じないので、「3級(1個資格)取ったしいいかなあ」が現在の答えです。
◎究極のお話をすると「自分の焙煎したコーヒーの説明」がお客様にしっかりできれば、資格無くても満点じゃないでしょうか?
お客様から「無資格/3級のコーヒーは不味そう」とのお話は頂かないので…
法律上必要なのは「営業届」のみですから。
おわりに
ここまでで8000字以上書いている訳ですが、最後までこれだけの長文を読んで下さりありがとうございました。
今現在の資格でとりあえず満足ですが、個人的な勉強や「仮説と検証」は引き続き続けていきますのでご安心ください。
次回からは「何故コーヒーを全く飲めなかった店長が、半年間でここまで来たのか」を小出しで記事にしていきたいと思います。
キャラバンコーヒーの皆様、ここまで見て頂いた方、本当にありがとうございました。
2023年05月14日
「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長:外堀 妖
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