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サイドも鍛えよう Part2

前回のPart1からちょっとあいてしまいましたがサイドも鍛えよう Part2ということで書いてみました。前回のものはこちら。

回旋動作並びにアンチローテーションの重要性

スポーツパフォーマンスはもちろんですが、ボディメイクなどのトレーニングにおいても回旋動作(回旋負荷への意識)は大事です。

同時にどこを動かしてどこを安定させるかも大事。

左右対称に負荷がかかるエクササイズだと一見分かりにくいのですが、捻れが生じているケースがあります。というよりほぼあるのです。が、その捩れが許容範囲内か怪我に繋がるものなのか?そもそも人間はシンメトリーではありません。が側屈しながら高重量のスクワットを行ったら腰を痛めてしまいます。

なので体づくりのトレーニングであっても回旋に対しての意識は大切。

フラットに負荷を受けるために

バイラテラルのトレーニングであっても左右差は生じます。ベンチプレスで肩が痛い、スクワットで片側だけ腰が痛いなんてのもこの辺に問題がある可能性もあります。

ユニラテラルのトレーニングでは左右非対称に負荷がかかります。
この負荷をコントロールする身につける事でバイラテラルのエクササイズでの精度も高まります。

ダンベルベンチプレス。馴染みのあるエクササイズですが、この形は実施した事のない方もいるでしょう。

ワンハンドダンベルベンチプレス

通常のダンベルベンチと比較して負荷の掛かり方が大きく変わるでしょう。
支持面をベンチ台から体半分横に出すように乗り出して行います。不安がある場合、もう一方の手でベンチ台を掴んでサポートしましょう。重量も軽めから行います。

通常のダンベルベンチと同様の重量では重過ぎます。これは大胸筋のサイズアップのためのエクササイズではありません。体幹のトレーニングの一環として取り組みましょう。

そしてオルタネイトともまた違います。オルタネイトではカウンターバランスが働くためです。 

種目を実施する上でのコツとして必要以上に力まず動作を行う事です。ガチガチに固めるものではなく、適切な筋力発揮を行うもの。

トレーニングって何?

私は基本的にはSNS上でのトレーニング理論やそれについての議論などには積極的に関わるスタンスではありません。Twitterやnoteで議論が盛り上がっているものが、今回紹介するエクササイズや考え方の内容に少なからず関係があるものなので一意見として語ります。

定義等についてはググれば分かりますし、あくまで私個人の意見として。

トレーニングは体力要素を高めるもの、スポーツパフォーマンスを高めるもの。

なので、漸増性の原則が必要です。単純に重量増やすのも、フォームや種目をやさしいものから難しいものに変えるのも漸増。毎回いつも同じ負荷で行うものはトレーニングというより運動感。
いや維持することも大切なことです。ただ目的が向上でありながら漸増させない方法で行っている人が多く見受けられます。何を期待しているのか。変化が欲しいなら変えなきゃいけない。

可視化できないものは評価しにくい

体力要素は多様にあります。重量を増やすとかドラクエのステータスみたいなものでわかりやすいですよね。一方で体力要素について、鈍い方には伝わらないものもけっこうあります。

通常の価値観だと正誤や優劣が評価軸となるので、可視化できないものはモチベーションもあがりにくいという問題もあります。

今でこそ減った感はありますが、体幹トレーニング全盛時。

ウェイトトレーニング=使えない筋肉

体幹トレーニング=使える筋肉

という認識を持っていた方は少なくありませんでした。見せる筋肉より実用的なプランクといった体幹トレの方が優れている。そんな偏見。(この視点も私の偏見でもあるわけですが)

スポーツ指導者なんて往々にして賢くないし門外漢ですから成程、ウェイトトレーニングじゃなくて体幹を鍛えようなんて話になるわけです。

学校にトレーニング指導で呼ばれてバーベルだけじゃなく体幹もお願いします、なんてリクエストを受けるわけです。今やってただろと。

まあ認識が浅いからしょうがない。だから専門家の存在意義があるわけで。

高重量のバックスクワットより自重のプランクの方がスポーツパフォーマンスにとって優れたエクササイズという認識の人も少なくなかったのです。

ファンクショナルトレーニングの台頭

「機能性や動作を鍛える」という考えは素晴らしい。
トレーニングの変遷を見ていても昔はボディビルの手法や影響が多かった。それがパフォーマンス向上に繋がらない(使い方の問題だと思いますが)ケースもあり、ウェイト否定派が使えない筋肉、と揶揄する根っこの部分かもしれません。

機能性を鍛える
トレーニング=ボディビル
に抜け落ちていた視点でしょう。

ただこれについても、ある目的にとっては効果的なエクササイズだけど、万能であるかのように紹介したり、機能性ウリにしてるはずなのに、機能的なトレーニングでカラダを作ろう(審美的に)という主張も出てくるわけです。

いや、それは効率悪過ぎだろ。。。

でもまあ全てを効率化したい人は少数派なんじゃないかと今更ながら気づき始めたところでもあります。

特異性の原則

バランスボールの上に乗ってみる。不安定ですよね。不安定な状況でスクワットを行えばバランス能力が高まるのではないか?平地でスクワットを行うより難しい、だからスタビリティとして多くの筋肉が関与して効果的なのではないか?

答えから話すとボールの上でスクワット、筋力向上効果は薄いですが、バランスに対しての効果は一定あり。(ただしかなり限定的)

バランストレーニングの効果
バランストレーニングのグッズを用いたトレーニングによってバランス能力の向上が実際に起こることがいくつかの研究から証明されています[1]。効果の得られる有効なトレーニング法と言えるでしょう。実行の際には転倒などの事故のリスクがありますので十分に注意する必要があります。不安定な支持面という状況は実動作とかけ離れているため、これらのグッズによるトレーニング法に対して否定的な見解もあります。

eヘルスネット

高齢者のバランス能力
バランス能力を規定する要素のうち、筋力に関しては若者においては静的・動的な状態で姿勢を維持するだけの十分な筋力があるため、あまり問題とはされません。対して加齢により筋力が大きく低下している高齢者においては、筋力がバランス能力を規定する大きな要素になっていると考えられます。高齢者では、筋力トレーニングの実施によってバランス能力の向上を認めたとする研究報告が多数あります[2]。転倒の回数が減少したという報告もあります。ただし高齢者において筋力トレーニングの処方だけではバランス能力向上の十分な効果は得られないとする文献レビュー(多くの研究をまとめて評価したもの)もあります[3]。筋力トレーニングに加えてバランストレーニングを併せて行なうことでより確実に効果が得られるものと思われます。

eヘルスネット

バランス能力とは?

再度eヘルスネットからの引用となりますが、バランス能力とは下記のように言われています。

バランス能力
バランス能力とは、静止姿勢または動的動作中の姿勢を任意の状態に保つ、また不安定な姿勢から速やかに回復させる能力を意味します。スポーツ選手においては適切な姿勢を保つ能力は競技力における重要なボディコントロール能力のひとつとなりますし、高齢者においてはしっかりと「立ち」「歩く」生活機能上の重要な一要素になります。転倒の予防という点においても重要です。
姿勢の保持は、視覚情報・体性感覚情報(筋・腱・関節からの情報、足裏等の圧感覚情報など)・前庭系の情報(内耳の三半器官)などを基に脳が中枢処理を行ない、出された司令を骨格筋が実行することでなされます。

eヘルスネット

理論的にはバランス能力が高まれば間接的にストレングスも向上する可能性があります。今回の論争にも繋がるバランスもストレングストレーニングでもある、みたいな話になるわけです。

でも筋力に対しての効果は薄い。つまり、高齢者に対してやや効果ありといった程度と考えるのがよいでしょう。バランスボールの上で重量を扱おうとするより安定した環境で過負荷をかけた方が筋力へのアプローチとしては効果的です。

でも、それトレーニングではないよね?

フィジカルを強くするために

そもそもスキル面でも負けていたりもしますが、スポーツにおいて海外と日本の差はフィジカル差であるのは事実です。

そもそもフィジカルでの差分があるのにそこを軽視する風潮なのはよくないという事で漸増性の原則を発信する人も少なくありません。私もその考えでもあります。

トップ選手の影響

当然ですが、トップ選手の影響力は大きくて、競技的に成功してる人がやっている方法はみんなやりたくなるもの。成功者がロールモデルとなるのは合理的ではあります。

でももっと重要なのは、その選手はそこに達するまでにどうやって作られたのか?

そこも大事です。

トップアスリートはもうトレーニングにおける伸び代が閾値に達していたりします。だから他のアプローチを探っている。それが目新しいもので取り上げられたりする。報道(マスコミ)も仕事ですから目を引くような内容が好ましいわけです。普通の事を普通にやられたら面白くならない。SNSでも伸びやすいのは目新しいトレーニングなんかでしょう。

しかし、普通の選手ならその前にやるべき事がたくさんあるわけです。その辺を伝えたい気持ちかなあ。人の気持ちは察するだけで本意は分かりませんけどね。

トレーニングの多様性

「無駄なエクササイズなんてない」というのが私の基本的な考えです。

ただ、目的に対して適切でないものは多くあります。これに対してこれはどうでしょうか。

詐欺としか評せない非効率な方法だったり、不勉強すぎるサービスを提供している人も実際多く見かけます。明治の世なら悪即斬ですが、自由な現代なので見逃します。勉強しろよとも思うし、そういう人がはびこらないようになってほしいとも思いますが。。。

言葉には意味があって、定義もあるのですが、その辺の認識の齟齬もSNSでの論争にはあるかもしれませんね。

今回紹介しているトレーニングの話に戻りますが、とてもいいものです。

ただ、これはあくまで応用的な内容です。

「上達」と「下達」

上達、下達という言葉があります。

上達とは、小技にとらわれずに物事の根本を理解すること。一方、下達とは、小手先の技ばかり集めることに執着して、根本を理解しないことです。

今回紹介したワンハンドダンベルベンチプレスをメインエクササイズとしてやらせるトレーナーがいるとしたらそれは下達。

初中級者はやはり基本種目をメインに据えるのがおすすめです。

ただプログラムに入れる意味のあるものです。動きのテストとして取り入れてみるのもいいですし、自身の問題を認識しているならガッツリやってみるのもありでしょう。

位置付けとして、いわゆる体幹トレーニングやコーディネーションを目的としてやってみましょう。

ストレングス”以外”を目的としたトレーニング

先にも述べたように目的があってこそのトレーニングです。

ワンハンドダンベルベンチプレスの目的

「ワンハンドダンベルベンチプレスはストレングスに対して効果的か?」というとストレングス目的としては適切ではないというのが答えです。

ただし、バイラテラルのエクササイズで捩れが生じているクライアントなどに行わせる事で回旋への認識が高まり、バイラテラルのエクササイズでの扱える重量が上がったり怪我のリスクを減らして伸ばせる可能性もあるわけです。

つまり、ケースによってはストレングスの視点でも有効となるかもしれません。

ワンハンドダンベルベンチプレスの大胸筋に対しての負荷

大胸筋に負荷をかけるという意味においても、普通にダンベルベンチプレスやバーベルベンチプレスの方が優秀です。バランスを(さほど)気にせず負荷を掛けられるためです。

特異的なものが効果的なのだとすると、特異的なものを組み合わせて鍛える必要があるのでしょうか?

これは必ずしもそうではありません。視点を変えましょう。

同時に複数の要素にアプローチできるものも沢山あります。そもそもスポーツやトレーニングは複合的な要素が包括されています。だから難しくもあるのですが。

特に課題がある部分については特異的なトレーニングでアプローチ、そうでない部分については複合的要素にアプローチできる手法を選択するということが必要になります。

ワンハンドダンベルロウイングを見直そう

ワンハンドダンベルロウ、背中のエクササイズとして取り入れている人も多いでしょう。

腰の負担も少なく広背筋に負荷を掛けるのに優秀な種目です。

スタンダードな意識だと背中に効かせる、と言ったことに集中するスタイルではないでしょうか。

これを体幹部の回旋を意識して行ってみる。そうすると腹斜筋などにも効果的なエクササイズとなります。

この際に骨盤の位置や頭のポジションなども注視してみましょう。目的が違えばフォームの正しさも変わるわけです。

絶対的な正しさなんてない。

ですが、間違いだらけのトレーニング界隈。

ひとつひとつのエクササイズの精度を高める。負荷を高める。エクササイズに割く時間は変わらなくても、得るものは大きくなります。

「ワンハンドロウ、体幹部の回旋を意識して行うべき?どちらの方法がいいの?」

自分に足りないピースを選択していくのです。

この辺はトレーナーの力を借りましょう。パンダジムではパーソナル、遠方の方向けのオンライン指導もあります。是非ご活用ください!

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