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長いものに巻かれるエッセイ

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素数のエッセイです。是とするものを中心に。散文に注意。
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#エッセー

俄雨を待ち侘びていた僕へ

俄雨を待ち侘びていた僕へ

雨は嫌いだ。

今となっては。

自転車で東西南北を駆け抜けるライフスタイルなもので、雨は死活問題になりうる。
「ふざけんなクソ雨が!!」と叫びながらなにわ筋を爆漕ぎする三十路過ぎた男がいたら、それは大概僕である。

夏になると、ここ数年はゲリラ豪雨が毎日のようにやってくるから気が滅入る。リッチだからタクシーめちゃくちゃ使っちゃう。

俄雨のことをゲリラ豪雨と言うようになったのはいつからだろう。

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不要不急の文体

不要不急の文体

小さい頃から、ずっと変わらない人生の目標がある。

それは、「普通に死ぬ」こと。

漫然と抱いている目標なので、何が普通か、とはあまり深く考えていないのだけど、人生の最後の瞬間の事柄を目標にしたら、燃え尽き症候群にもならないし、案外いいじゃないの。なんて思ったりしていた。

そうこうして過ごしてくうちに幾星霜。
昨今のコロナの蔓延のおかけで、「死」がぐっと身近に感じられるようになった。
「死」は、

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オードリーがメディア王に挑んだ日

オードリーがメディア王に挑んだ日

暑い。

それにつけても暑い。梅雨を通り越して、我先にと夏が来てしまった。蝉の音が聞こえないのが不思議なほどである。

どうせ季節を先取りするなら、晩秋まで先取りして欲しかった、などと恨み節をこぼしている三十路男は僕だ。

こんな日は家中の電気を一切消して、ホームランバーを舐めながらラジオを聴くに限る。これは人類が長い年月をかけて発見した自然の摂理なのである。

僕には敬愛する芸人が何組かいる。と

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そうだ、散歩に行こう

 散歩が好きだ。

 こう言うと、やれジジくさいだの、寂しいだの散々な言いようをされることがほとんどだ。しかし僕は言いたい。散歩の楽しさをわからない君たちの方が寂しい人間だと。

 「歩」という漢字を含むものの、僕は散歩は必ずしも歩くものではないと思っている。
 まだ僕が因数分解も解けなかった頃から、一人でふらふらと自転車を漕いで、あてもなく彷徨うのが好きだった。僕が育った町は–––今となってはそ

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