100%主観の2023映画ランキング
2023年に映画館で観た映画は以下の通りです。
以下の中から著者が気に入ったものでランキングします
すずめの戸締まり
エブリシングエブリウェアオールアットワンス
刀剣乱舞ー黎明
名探偵コナン黒鉄のサブマリン
東京リベンジャーズ血のハロウィン編・1
東京リベンジャーズ血のハロウィン編・2
シン・仮面ライダー
君たちはどう生きるか
バービー
怪物
スーパーマリオブラザーズ
正欲
ゴジラ-1.0
鬼太郎誕生ゲゲゲの謎
首
この中で好きだったやつを発表します
ドゥルルルるる……
同率3位:
エブリシングエブリウェアオールアットワンス
アカデミー賞作品賞。
出典は忘れたが、ある映画評にミレニアル世代で毒親育ちのアジア人女性がペルソナとあった。
それ、ワシやんけ!
……ということでド直球に喰らいました。
非常にトガッたプロットで、
子供の頃から劇場版ドラえもんなどSF作品に触れて「パラレルワールド」に対する概念を事前にインストールしていないと物語についていくことができない。
私が観に行った回も途中で帰ってる中年の女性がいたくらい。
私としてもまったくあらすじも読まずに適当に映画館のイスに座ったので、序盤の意味不明さとテンポの速さに頭痛を催しかけた。
けど、どこからか……っていうかやはり毒親然とした物語前半のエブリンに悪気なく傷つけられた娘のジョイにぐっと感情移入させられて、物語に引き込まれたと思う。
日本のキャッチーなアニメキャラみたいな見た目で、内面はジョジョでいうDIOみたいな、暗黒とCawaiiを体現したジョブトゥバキが、私にとってもカリスマになってくれた。
「すべての人生は素晴らしい」
そういう一見陳腐っぽいメッセージを、ホンモノっぽい重みを持たせておみやげとして持ち帰らせてくれた。
見た後しばらく元気になれた。
同率3位:
怪物
腐女子よ、これがBLだ(アベンジャーズのアオリ)
いや〜〜〜〜意外でした。
「怪物」とは誰なのか?ってこの映画見てウオオオ!ってなってる腐女子のワシのことではないのか…?とか思うくらいに……
是枝裕和の撮る映画って視点が良くて、自分が名も無い登場人物の一員として、映画の世界に没入させられるカメラワークがいいと思うし好きだ。
是枝監督の新作だし、観に行っとくか〜〜みたいな軽いノリで行ったのにまさか日本を代表する映画監督から腐女子マウントを取られると思ってなかった。
途中から綾城さんのマンガでお馴染みのジャン神に出てくる他人の作品に心を討たれる女オタクと同じリアクションをしていた。
私は素晴らしい同人誌に出会った後、作者の腐女子に向かって「ごちそうさまでした」「けっこうなお手前でした」「まいりました」と感極まって天を仰ぐ癖があるのだが、立川シネマシティを「まいりました」と言いながら後にした。
それにしても是枝裕和はいつか捕まるんじゃないだろうか
2位:
東京リベンジャーズ血のハロウィン編・2
ハイロー大好き!なので類似作として東京リベンジャーズももちろんチェックしている。原作は未読で、映画のみ観ている。
前作からそうなのだが、ハイローと比べてこの東京リベンジャーズの映画はどうも大道具の作り込みが甘いというか……
不良のたまり場なのにどこか小綺麗だったりしてハイローの鬼邪高みたいな「見たことないイカレっぷり」が見られるわけではなく、
カットも教科書的というかあまりテンポが良くないので(原作ファンへの配慮でマンガのコマを一つ一つコンテに採用しているのかもしれない)正直そんなに期待していなかった。
ただ血のハロウィン前編を見終えてすぐの頃に永山絢斗が逮捕されたので、お蔵入りになる前に観に行かねば……、と慌てて観に行ったのだった。
いや〜〜〜こんな女の子向けっぽいキャッチーなパッケージしておいて、ここまで人の弱さを丁寧に掘り下げる繊細な作品だとは夢にも思わなかった。
例えば有名な作品にレ・ミゼラブルがあるが、作品の冒頭でキリスト教的な「赦し」に触れた主人公のジャン・バルジャンの心の底からの改心が物語の大きなテーマであり、見ている者の心を打つのだが、
そういうキリスト教的な「赦し」を与えられたとしても、心が弱いゆえに、受け入れられない人間だってそりゃいるはずなのだ。
キリスト教的な「赦し」とは、罰されるべきところを、許され、与えられ、愛されるということだ。
きっと一虎は、許されるんじゃなくて、本当は罰され、殴られ、殺されたかったのだと思う。
そう感じるのも、また、人の心だよなぁと思った。
拘置所で自身の犯した罪をかつての仲間から「許す」と言われて、
ありがとう、でもなく、受け取らない、複雑な表情で返した村上虹郎の表現力……
イケメンパラダイス✩を見てやろうというスケベな気持ちでいたのに、非常に繊細な心の描写を見せつけられて家に帰ってからもちょっと泣いた。
SUPER BEAVERの歌も良かった。
1位:
バービー
Twitter(現X)で主題とは関係ない炎上をしてしまったのが心底残念だ。
しかし私も日本人として、核兵器に対して冗談でも容認しない姿勢でいたいと思う。
作品としては核兵器を軽率に扱うような映画ではもちろんなくて(ていうか核兵器出てこないし)
どちらかというと幼い少女を抱きしめるような柔らかい雰囲気の作品だった。
私も、バービーに抱きしめられたような気分になって帰ってきた。
昨今、Twitter(原作X)などでもう嫌と言うほど目にする男女の対立。フェミニズム、ミソジニー、ホモソーシャル、ジェンダーギャップ……
両陣営が感情に立脚した論建てで極限までやりあう泥仕合で、その中には建設的な議論もあるのだろうが、あまりの過熱ぶりに視界の端で気にしつつもあまり本気で取り合わないようにしてきた。
と言いながらも、自分だって、母親を見下す父親のいる家庭で育ったし、東京都の高校受験はかつて同じ学校でも女子の方が偏差値が高かったし、道を歩けば痴漢やナンパに遭うこともあった。処女だけど、女性であるというだけで傷ついたことがないわけじゃなかったのだ。
とはいえ、今日も明日も男性のいる社会でやっていかなきゃいけないわけで、自分の属する女性側の陣営の語るフェミニズムなども、関心を持ちつつも話半分であまり入れ込まないようにもしていた。
男性から親切にしてもらうことだってもちろんもあったし。
なんというか、「バービー」とはどこまでも「かつて女の子だった、女性たち」の味方であろうとしていて、女性たちの本当の味方であるために、どうしても女性が虐げられている現状を指摘しないわけにはいかない、という感じだった。
物語の中で「女が支配するおもちゃの国」と「男が支配するおもちゃの国」の2つを実際にやって見せることで、執拗に今の我々の生きる現実世界の不公平・不平等をわからせようとしてきた。
これにはさすがに、黙り込むしかない、という感じになった。
物語のラストでは、現状最も良いと思われる女性の生き方が提示される。
それというのは、恋愛せずに、母親になる、という選択であり、それについては、これはアメリカ社会が現状出してる最適解なんだろうなぁと少し遠く感じた。
しかしこの映画を観た人には言うに及ばないと思うが、このバービーという映画が言いたいのは、すべての女性は恋愛せず母親になるべき!ということではなく「女の子のすべての生き方が尊重される世の中になるべき」ということである。
では、どうしたら、いいのだろう。
女性の支配する国で虐げられ軽んじられている「ケン」はかわいそうだったし、不公平に扱われていると感じたが、
後半で「ケン」たち男性の支配する国になった時、今度は女性が虐げられ、不公平に扱われはじめた光景は、なんと私たちが今見ている世界そのものと酷似していた。
これからの社会では、男性も、女性も、互いに尊重し、敬意を払い、慈しみ、協力しあう社会を目指すべきだと思うし、そうあってほしい。
ではまず、私たち社会の現在位置とはどこなのか?
この映画からは、現状を忌憚なく指摘し、さらに虐げられてきた女性たちを励ましたいというエネルギーを感じた。非常に社会派の映画だと感じた。
他にも、ルッキズムや、ブロンドの白人女性といった民族的な偏見にも言及していたと思うが、そのあたりは単一民族国家で暮らしているためあまりピンと来なかった。
また、ものすごく穿った見方ではあるが、
「思想」を伝えてくる映画でもあったので、今後政治的なメッセージを含むプロパガンダ映画が作られるとして、このレベルのに来られたら抗いようがないな……とも思った。
おもちゃの国のかわいらしい光景に思わず童心に戻されてしまい、心をこじ開けられたところに、見て見ぬふりできない、ジェンダーギャップの話をされたので……
シン・ゴジラやズートピアのように、「今」観ないとテーマが上手く伝わらない映画だと思うので、
興味がある方はなるべく早く見て下さい。
思ったよりあんま見てないなという感想です。
回数的に。
その分劇を観に行ったので、観劇ランキングもやろうかな!やめとこうかな!
みなさんの面白かった映画も教えてください😊
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