第207話:セーターの破れが紡ぐ恋
僕は男三人兄弟の中に育ち、高校もほとんど男子高のようなところに通ったので、女性とは無縁に育って来てしまった。
子供の頃、淡い異性への憧れがなかったとは言えないが、いわゆる「恋」とかいうものとは無縁で、交際とかデートとかとも縁がなかった。苦手だったとも言えるし、臆病だったとも言える。
大学は国文科だったので100人の中に80人の女子がいて、そういう僕には一種のカルチャーショックだったのだが、女性とどう話せばいいのかよくわからなかった僕は学科の女子と話をすることはほとんどなく