第168話:捨てられないもの
定時制に勤めていた時、生徒と話すのは新鮮だった。
僕の常識にはない新鮮な感覚を彼らが持っていたからである。荒くれから引きこもりまで彼らの生き方は千差万別、多種多様、波乱万丈に満ちていて、思わず「そんな生き方もあるのか」と思わされたことも少なくない。
例えばほんの一例、ある生徒がこんなことを言ったことがあった。彼は朝の5時から午後の4時まで、毎日コンビニのバイトをし、夕方から定時制に通ってくる生徒だったが、ゴミ箱に捨てられているゴミを片付ける時、ゴミを捨てる人の身勝手さに腹立