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第293話:🟢秋とカミさんの誕生日:短歌


いい季節になりました。
秋を擬人化した歌と秋の風景を集めてみました。

秋はいつか僕の隣に腰をかけ白く光を揺らしていたり


秋が奏でるヴィオラの音の寂しさに木々の葉は揺れるしかない


この明るさの中へ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかねて
琴はしづかに鳴りいだすだらう

これは八木重吉の詩ですが、平明な言葉、繊細でつぶやくように慎み深く、でも秋の清明な空気や美しさを見事に表現しています。
いい詩だなあと思い、趣向を真似て歌を作ってみました。



もう一首。

柿ひとつゆわんと熟るる青空を 頬杖をつき秋が見ている



昨日はカミさんの誕生日でした。

「一つ上の女房」であるところのカミさんは65歳という何となく区切りめの歳に僕よりひと足さきに突入しました。

ケーキを買うときに、
「誕生日のプレートのお名前は?」と聞かれてカミさんの名前を答え、
「ろうそくは?」と聞かれて、
「大6、小5」と言うわけにもいかず、「小さいのを6本」と返事をしたので、きっと店の人は「おじいちゃんが孫の誕生日ケーキを買いに来たんだな」と思ったことでしょう。


■土竜のひとりごと:第293話

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