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いつもAsh のnoteをご覧いただきありがとうございます。メインで「運航」しております有料マガジン「Pilot's note」についておしらせします。 この度、有料マガジンご購入者の方々の利益を守りつつ、より多くの方に私の有料記事を読んでいただくために、有料マガジン「Pilot's note」に格納されている全ての有料記事について、本日ご購入分から「返金可能*」としました。同時に、各記事の価格の改定も行なっています。 ほとんどの記事でちょい値下げしました。 有料記事の
前回は、スタンバイに呼ばれて、時間があったので天気を見たところまで話をしました。 前日のテレビの天気予報を見て、自分の行くところの天気が良いことを知っていて、いつもよく行く空港なら、そこまで神経質になる必要はありませんが、天気が悪い日はこのように出勤前に少し細かく見ておきます。スタンバイの呼び出し電話を受けてからの思考の流れをおさらいすると、 あれ、今日北島のほう天気悪くなかったっけ? → ロトルア、サンダーストーム警報が出てるぞ → ランウェイどっちだ?北風だとまさか
本日はスタンバイ。朝、自分で作ったコーヒーを飲んでぼーっとしていると、携帯電話がビーっと音を立てました。 「病欠がでて、ロトルアリターン入ったよ~よろしくね~」 クルーコントロールからそう言われて、思わずよっしゃ!と声が出ました。 今日は月曜日。元旦の振り替え休日なので、給料が少し上乗せされるのです。スタンバイだとこの上乗せがありません。まぁ、それがなくても、スタンバイでずっと家にいるより、飛行機を飛ばしていたほうが楽しいので、スタンバイの日はいつも「仕事入れ!」と思っ
飛行機のコクピットに座っていると、地上からは同じ場所にあるように見える雲が、実際にはかなりの高度差を持っていることに気が付きます。 下に層積雲、上に巻雲の亜種が見えます。形も高さも質感も全然違うのが分かると思います。 「洗濯板」でわかる雲のできかた 高積雲(羊雲)と呼ばれる雲です。 並んでいる羊、縞模様、あるいは「洗濯板」など、いろんな形に見えますが、これは気流が波打っていることを示しています。洗濯板でいえば、洗濯物をこする方向(シマシマと直角の方向)に気流が流れてい
私は、職場である空港に車で通勤しています。 家を出てから海岸沿いに車を走らせ、滑走路の下をくぐるトンネルを抜けて社員用の駐車場に車を止め、そこから徒歩かシャトルバスでターミナルまで歩き、二階に上がってフライトプランを立てる部屋に着くまで、きっかり30分かかります。 そのため、家を出勤時間の40分前に出るようにしています。一本道で、車を運転している時間は15分と短く、ほとんどの場合、家を出て計ったように30分でプランニングルームの前に着くので、私は毎回10分を「捨てて」いる
先日、師匠と話をしているときに、パイロットになりたい若い人たちが、昨今の世相を受けて非常に悩んでいるという話題になりました。 私もたびたび相談を受けることがありますが、師匠のところにはそういう質問がひっきりなしに来るようです。私もかつて、自社養成に落ちて絶望していたところから海外への道を開いたのは師匠のHPを見たおかげでした。 だから、今、若い人たちがパイロットの歯がゆい思いは痛いほどわかります。私立大学のパイロットコースの学費は、2000万円もします。世相からみて今後数
前回は、本番で結果を出すために必要な「自信」と「集中力」を解説しました。 今回は、本番中の集中力の使い方として、私がシミュレータ訓練で実際にやっている具体的なメンタルコントロールの方法を説明します。 これはどこかの本に書いてあったことではなく、私が必要に駆られて仕方なく開発した、完全に私のオリジナル「忍術」ですが、個人的にはとてもうまくいっています。先日もシミュレータチェックがありましたが、この方法を身につけてからと言うもの自分の集中力がしっかりとコントロールできるので1
もしもしそこのお方、あなたは大事な面接やテストなど、ここ一番で実力を発揮するのは得意でしょうか。 私は苦手でしてね。 昔はそんなことなかったんですが、飛行機に人生コミットしてからというもの、毎度フライトテストやシミュレータなどいざというときにプレッシャーを感じて、思うように実力が発揮できない症状に苦しんできました。 巷を見回すと、シミュレータやチェックで苦労したことないだとか、成績優秀なパイロットがわんさかいらっしゃる。全く、うらやましい限りです。 その一方で、小型機
11月22日 有料版を更新しました。本記事をご購入された方は、有料版内のリンクからこちらの有料記事がもれなく無料で見られます。ご検討よろしくお願いします。 長いこと休んでいたので、パイロットの仕事に復帰するにはいろいろとやることがたくさんあります。 危険物の取扱いや、セキュリティに関する講義、さらには飛行機のテクニカルな知識、実際のオペレーションにかかわる知識など、法律で定期的な知識のアップデートとテストが義務付けられているものがありますが、その多くが休んでいる間に有効期
前回の記事で、パイロットの天気の見方の原則として 大きく見て、公式の数字を確認、逃げ道を確保して、決断を下す という流れがあることを紹介し、「大きく見る」ところについては無料版で、「公式の数字」については有料版で解説しました。 今回は、後半の「逃げ道を確保して、決断を下す」について解説します。 運航可否の判断パイロットが運航可否を判断する場合、前回の記事で見た公式の数字であるMETAR(現況)やTAF(予報)を空港の最低気象条件(ミニマ)と比較することで可否を出します
久々のPilot's noteシリーズ、今回はパイロットと天気についてです。 天気の見方については、どんなパイロットにも一家言あるものですが、今回はニュージーランドのエアラインで飛んでいる私のスタイルを紹介します。今訓練をしている学生の方から、エアラインで飛んでいる人まで、何かしら参考になることがあれば嬉しく思います。 大きく把握、数字を確認、逃げ道を確保、決断を下すパイロットが天気を知る目的は何でしょうか。それはもちろん、飛行機を安全に飛ばすためです。どこに悪い天気があ
海外のエアラインの面接でほぼ必ず聞かれるのが以下の質問です。 「誰かと対立したとき、あなたはどのように行動しますか」 いわゆる、コンフリクト・マネジメントです。現代のエアラインの飛行機は、基本的に2人乗務なので、相性の悪いキャプテンやファースト・オフィサー(FO)と飛ぶことって、やっぱりあるんですね。 コクピットは、狭い空間です。普通のオフィスのように、トイレに一時避難することもできません。安全のためには、パイロットは相性が悪い人とも、円滑に協働することが要求されます。
今回から、「小手先シリーズ」始めます。私のパイロットとしての小手先テクニック集です。有料マガジンPilots noteに格納していきますのでよろしくお願いします。 *** みなさん、毎日元気に横風着陸やってますか。 どんな着陸でも、毎回、ある程度のクロスウィンドが入ってますよね。完全にヘッドウィンドってなかなかないと思います。 今回は、横風に流されず、バッチリRWYにアラインするコツについてお話しします。このコツを掴むと、毎回クロスウィンドのセンターラインにバッチリア
ある実験の話をします。 6人の被験者が、下のような図を見せられて、左側にある線分の長さと同じ長さの線分を右の3つの選択肢から番号で答えるという、超簡単なものです。 6人の被験者のうち、5人は仕込みで、本当の被験者は1人だけです。実験の様子を記録した下記の動画では、右から2番目の白いTシャツの男性です。 1問目、2問目はつつがなく進むのですが、3問目でこのTシャツの男性がどう答えるか注目してください(クリックで1問目の回答場面から再生)。 これは、Solomon Asc