愛着(アタッチメント)とは?
心理学における愛着(attachment)とは、
他人や動物などに対して築く特別の情緒的な結びのことで
特に幼児期までの子どもと育児する側との間に形成される
親子関係を中心とした情緒的な結びつきのことを言います
抱っこをしてもらったり、ミルクをもらったり、あやしてもらったりなどの関わりを通して、信頼関係を築き愛着を形成していきます
しかし愛着の形成が不十分だと、その後の学習面や生活面、社会面などで困難が生じる場合があります。
今回は、愛着(アタッチメント)についての研究者と理論の概要について一緒に学んでいきましょう💪
【参考文献】
アタッチメント(ボウルビィ)
愛着の発達を4段階に分け、それぞれの愛着行動について研究しました。
第1段階 人物を特定しない働きかけ
生まれた時から8~12週頃まで
ある特定の人物に対してではなく
無差別に周囲の人間に対して興味を持ち働きかける段階
乳幼児が周囲の人間に対して笑いかけたり、泣いたり、手を伸ばしたりといったような行動が周囲の人間に影響して、乳児のそばにいる時間が長くなる
第2段階 特定の人物(特に母親)に対する働きかけ
生後6カ月頃まで
人に対する親密な行動が特に母親に対して顕著になる
母親に対する見分けがつくようになり、母親に対する分化した反応が見られるが、母親の不在に対して泣くという行動はまだ見られない段階
第3段階 真の愛着形成
生後8ヶ月頃~3歳頃まで
人見知りが起きるようになる段階
子どもが親とその他を区別する能力は確固たるものとなっていく
逆に、見知らぬ人に対しては警戒したり不安を感じるようになったりする。
第4段階 目標修正的な協調性の形成
この段階に達するのは早くても2歳、多くは3歳ぐらい
母親などの特定の人物がいなくても、情緒的な安定を保てるようになる段階
母親が考えていることや目的、行動などが洞察できるようになると、母子間に協調性という関係を発達させる基礎が形成されるようになる
ストレンジシュチュエーション法(エインズワース)
ストレンジシュチュエーション法とは
エインズワースが行った愛着の質を調べるための実験法
人見知りの激しい「満1歳児を対象」とし
実験室での母子分離(母親は部屋から出て子供だけ残す)
と再会、他人の導入などへの子どもの反応を組織的に観察する方法です
実験により、愛着を4つの型を提唱しました
回避型
母子分離時の混乱がほとんどなく、親との再会時も無関心で、母が安全基地として機能していない状態
〈親の養育特徴〉
・子どもの働きかけに拒否的
・身体接触が少ない(微笑み、抱っこなど)
・子どもの行動を強く規制しようとする
安定型
母子分離時に多少の混乱を示すが、親との再会時には積極的に身体接触を求め、混乱が容易に沈静化する。母親が安全基地として機能している状態
〈親の養育特徴〉
・子どもの欲求や状態変化に敏感
・無理な働きかけが少ない
・遊びや身体接触を楽しんでいる
アンビバレント型
母子分離時に強い不安や混乱を示、親との再会時には強く身体接触を求める一方で、怒りや攻撃性と示す。母親は安全基地としてあまり機能していない。
〈親の養育特徴〉
・子どもの働きかけに鈍感
・子どもへの働きかけが親の気分や都合によって変わる
・子どもの行動に対する反応に一貫性がなく、タイミングがずれている。
無秩序型
突然のすくみ、顔を背けて親に接近するなど、不可解な行動パターンや、両立しない行動が同時に活性化される。個々の行動がバラバラで組織立っていない。
〈親の養育特徴〉
・子どもに未解決の心的外傷がある
・親が抑うつ傾向
・虐待が推測される
まとめ
巡回相談員として色々な子ども達と関わっていると
学習面・心理面・健康面など、多種多様な課題に対してどのような関わりが必要なのか考えさせられます。
その課題の背景にある要因については、丁寧にアセスメントすることが求められます。
その背景の一つとして必ず生育歴について可能な範囲で共有し、幼少期の愛着形成に課題はなかったか、大人との信頼関係を築くことができているかという視点を大切にしています。
学校ができること
家庭ができること
関係機関ができること
それぞれの強みを活かしながら、連携・協力し、子どもたちの健やかな発達に貢献できるようこれからも精進してまいります💪
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
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少しでも『愛着』について興味を深めていただき、少しでも参考になれば嬉しいです🌈
今後もできる限り有益な記事を書いていきますので、よろしくお願いします✨
【参考文献】
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