山口周 『仕事選びのアートとサイエンス : 不確実な時代の天職探し』を読んで
著者紹介
山口周(やまぐちしゅう)
1970年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループに参画。現在、同社のシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、組織開発、人材/リーダーシップ育成。著書に『グーグルに勝つ広告モデル』(岡本一郎名義)『転職は寝て待て』『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』『外資系コンサルの知的生産術』(以上、光文社新書)、『外資系コンサルのスライド作成術』(東洋経済新報社)など。神奈川県葉山町に在住。
刺さった言葉①
ある職業が求めるスキルやコンピテンシーについて外から理解するというのは非常に難しいことで、個人が社会に出て発揮できる強みや能力というのは、結局のところ、実際にその仕事についていろいろと試行錯誤を経てみなければ結局は分からない。
これは本当に共感。
就活やってた時は、
自分の過去の経験と、想定される職務経験を無理やり紐づけて、
色々仮説を立てようとしていたが、ほぼ無意味だったように思う。
今まで6つの会社に関わって色々な業務を経験してきたけど、
期待値通りだった仕事なんて何一つない。
また、自分は何が得意なのかを過去の経験から考え、
それを職務レベルに落とし込むのも結局厳しいと思う。
だから山口さんのおっしゃる通り、実際にやってみないとわからない。
直感で面白そうだなって思ってものに飛び込んで、
違ったらそこから学んでまたやり直せばいい。
それくらいの気軽さで仮説検証を繰り返し、
自分の中の天才性を徐々に探し当てていきたい。
刺さった言葉②
人生を見つけるためには、人生を浪費しなくてはならない ー アン・モロー・リンドバーグ
これもまた真理だなぁって。
今思えば何をやっていたんだろうって経験は結構あるけど、
それが意外と大事なご縁につながっていったり、
自分の人生の転機を与えるきっかけになっていたりするもの。
一直線にビジョンに向かう生き方もいいけど、余白を持たせるのも大事ね。
刺さった言葉③
少し心を落ち着けて、いま自分のいるところから周りを見てみれば、それが愛おしい人や物で満たされてた風景であることも、またあるのではないでしょうか。そこから、どちらの方向に一歩踏み出すかは、その時その時で考えていけばいい、という考え方も、また肯定されるべきだと私は思います。
ここら辺から、徐々に感じる人間愛。
ビジョンとか志って、
「誰にどんな価値を届けたいか?」
っていう文脈で語られがちだから、
自分もよく思考実験をするけど、
自分と自分の大事な家族や友人が幸せだったら、
まあとりあえずそれでいいじゃん?って結論に至る。
幸せってそこら辺に転がってるんだけど、
意外とみんな気がつかないで蹴飛ばしてるんだろなって。
今の幸せを噛み締めつつ、将来どうしたいかはその時考えりゃいいよね。
それくらいの気楽さで、幸せへの感度を養わないとダメな気がしている。
自戒も込めて、笑
刺さった言葉④
何気ない毎日の仕事の中、あるいは生活の中で、皆さんの周りにいる人と、どれだけヘルシーなやりとりができたかが、「いい偶然」を生み出す畑の土壌の質を決めるのです。
これは、キャリアの80%以上が偶然によって決まるという
「プランド・ハプン・スタンス理論」についての考察で、
どうやったらいい偶然を呼び込めるかって文脈。
結局大事なのは、日々を丁寧に生きて、
周りの人とヘルシーなやりとりを続けること。
打算的に言えば「信頼を貯める」ってことだけど、
もっとシンプルに言えば、周りと気持ちのいい関係を作り続けること。
この言い方なら、肩肘張らずにやれるはず。
どんな夢も、結局は日常の延長線上にしかない。
だからこそ、今日という1日を大切にしたい。
刺さった言葉⑤
どんなに汚くてかっこ悪いものでも、あなた自身のこれまでの人生はかけがえのないものでしょう。そしてまた、これからも自分の人生を愛してあげてほしい。
まあ結局これだよね。
自分が自分を愛せなかったら、世界で誰も自分を愛してはくれない。
逆に自分が自分を愛せたら、世界の全員が自分を愛してくれるようになる。
慣れない人にとっては???って感じかもだけど、
ここら辺は深層心理学とかでだいぶ明らかになってきている感覚。
これはもう「意識高いね」とか、
「哲学者だね」とかでスルーできない領域な気がしている。
ちょっとでも気になったら『THE MENTAL MODEL』を読んでみて笑
ぼくはこれを知って人生がだいぶ変わりました!
まとめ
ご専門の哲学、美術史学に限らず、文学から歴史、宗教まで
本当に本当に幅広い教養をお持ちの山口さん。
にわかながらも哲学好きの自分としては、どの作品も面白くてたまらない。
山口さんの本を読むたびに、
大学院でより深い教養を学びたくなる衝動に駆られる笑。
他にもオススメがたくさんあるので、また時間がある時に紹介したい。
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