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「三度思い留まって年明けにとうとう買ったお台所の素敵な道具」
売り場で見かける度、手を伸ばそうか、どうしようか、迷っていた――私は道具は使えなくなる迄使う人である。修理の仕様がなくなって、漸くお別れとする。名残惜しい時もあるけれど、「今日迄ありがとう」ときっぱり別れる事にしている。わが家のお台所には、おろし金がある。まだまだ現役で、凡そ壊れそうにない。だがらこれを買う事は、欲ではないかと、無くても困らないのではないかと、三度思い留まった。だが、私は大根はおろし金を使うけれど、生姜は半解凍のものを俎板の上でスライスや刻むなどして使う。この場合無駄が出ないからである。無駄が出ないと云う点から見てもこの道具さえあれば云う事無しなのであった。
正月に、家族に誘われて街へ出掛ける機会が出来、そのお店が射程圏内に入ることになった。新しい年。お台所にも新しい風が吹けば、心なしか気分が華やぐだろうか。「よし、買おう」心に決めて家を出た。売り場には、その日も変わらず道具が並んでいた。すり鉢等の仲間と共に。
「これを下さい」
店員さんに在庫を確認して貰い、とうとう買った、新しい道具。
かもしか道具店の「しょうがのおろし器」
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これならば、幾らすり下ろしても無駄が出ない。唐揚げの下味用の時は調味料でボールへ流し込む。試しに指で集めてみたがそれでも問題無かった。大きさは、手の平位。大人の手ならすっぽり収まるのかも知れない。これなら食卓でも使える。添えた生姜を食卓で下ろしながら使う事も出来るのだ。色も良い。大好きな藍色。美しい光沢に鮮やかな藍の陶製。出合ってしまったら最後、買わないと云う選択肢は端から無かったのだろう。無駄な駆け引きをしたものである。だがもう全てを水に流そう。買って良かった。ようこそわが家へ。
どちらの道具であったか、サイトを紹介させて頂きたい。
三重県三重郡菰野町に実店舗を置かれているが、オンラインショップや、こちらの商品を扱うお店も各地にあるそう。因みに自分は中川政七商店で購入した。
実際に使っている処を激写。生姜好きの家族が、この日は餃子に入れるんやと、下ろす下ろす、存分に下ろす。自分も先日唐揚げの下味付ける時に一番乗りで使ったが、その使い心地に感動した次第である。器を支える手との馴染み具合、無理な力を必要としない、きちんと仕上げられた凸部分。生姜も喜んでいる。
ね。
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※撮影のため器が横向きになっていますが、実際は器の縦方向に向かって生姜を動かします。使い方の説明文も買ったときの箱に入っています。
新年早々素晴らしき道具に、職人の手仕事に触れることができて、幸先良いお台所なのであった。
以上、 #今年最初のお買い物 でした。いや、今日も真面目に語りました。
いち
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