
「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んで
先日、大学時代の友人2人と飲みに行った。
久しぶりの飲み会、いつぶり。
実家に帰ったタイミングで、しかも親の仕事休みと重なり、子どもを任せられるタイミング!
感謝しつつ、久しぶりの飲み会を楽しんだ。
友人の1人にすすめられた本が
「82年生まれ、キム・ジヨン」
今でこそ映画化されたりして注目を浴びているが、彼女はこの本が日本で出版されてすぐくらいに読んでいる。
読書が好きな友人。
どこでそんな情報をゲットするのだろう。。
先見の明があるなぁと感心しながら
私も読むことに。
●129ページのジヨンさんのセリフに
とても、共感した!!
出産後、仕事を続けられるかという不安
子どもが生まれる前から預け先を考えることへの罪悪感について夫と話し合っている場面
「失うもののことばかり考えるなっていうけど、私は今の若さも、健康も、職場や同僚や友だちっていう社会的ネットワークも、今までの計画も、未来も、全部失うかもしれないんだよ。だから失うもののことばっかり考えちゃうの。だけど、あなたは何を失うの?」
☆そうなのだ!結婚だって出産だって
なぜか女性側ばかりが主体でいろいろ変更することがあったり、制度に合わせて動かないといけないことが多い。
心と体の著しい変化に対応するのも大変。
だけど
夫のチョンデヒョン氏は
決して激昂することなく、冷静に
キムジヨン氏の思いを常に受け止めながら
自分の考えを話していて、とても思慮深い人だと感じた。
●ジヨンさんが
夫の実家へ帰省している時に義母へ感情が爆発した場面も
「わかるー!思ってるけど言ってない、我慢してただけだよね。」と思った。
「お言葉ですが、申し上げますよ。お宅だけが家族ですか?うちだって、家族なんですよ?うちの三人の子どもたちも大きな祭日でないかぎり全員揃うことなんぞありません。最近の若い人たちはみんなそうでしょう。お宅の娘さんが帰省してるんだったら、うちの子だって里帰りさせてくださいよ」
☆私も結婚してから
夫の実家は年末年始、お盆
こっちに帰ってきて当たり前という風習だったので
じゃあ私の実家はどうなるの?
いつも後回し?と思うことがいろいろあった
子どもが生まれてからは
内孫、外孫という言葉をよく使われてずっとモヤモヤ
今の時代にもまだこの言葉を使う人っているのか、、とも思ったし、うちの義実家の地域がかなりそういうものを重んじる風習だったのもある。
本家のじじばばと過ごすのが当たり前という流れになっていて、それは今もだが、
すごくモヤモヤ
なぜ?
最近は
旦那と子どもたちだけで帰省とか、
母親と子どもたちだけで帰省とか
各々楽しみましょうスタイルも出てきたなんて聞くけれど、うちでは、まぁありえないだろう。
そんなことをしようものなら、
「あそこの嫁は、、、」と言われると思う。
義母がご近所の噂話とかをする時に
今も「あそこの嫁が、、」みたいな言い方をするのがとても苦手。
「嫁」という言い方も、なんなんだろう。
だけど、育ってきた時代、環境が影響しているので仕方がないことだとも思う。
相手は変えられないから、
自分の受け止め方、対応を変えるしかない
何年も悩んだ末、こんな大人な考えができるようになった自分を褒めたい。笑
●ジヨンさんの旦那さんは
すごくジヨンさんに寄り添っていて
そこが良いなぁと思った。
●お腹の中にいる赤ちゃんが女の子であることでこんなに悲しい気持ちにならなければならないなんて
↑ジヨンさんの母が、女の子が生まれたあと、「次は男の子」というプレッシャーを周囲から与えらた過去、実際にお腹に身籠った子どもを堕した過去。
☆私の義父もまた、古くからの風習を大事にしたい人だ。
私の親類に男の子が生まれた話をした時
(当時、私たち家族は娘1人生まれたところだった)
夫に向かって
「男の子かー!お前、焦るやろー??」と笑いながら言ったのだ。
私はずっとこのことを忘れないと思う。
お前焦るやろ。。
つまり、お前は女の子どもしかいない。
男の子が生まれていないから焦るやろ?とのことだ。
「誰が焦るか。笑
時代は令和やぞ。」と心の中で思い
呆れるしかなかった。
帰ってから夫に
あの発言の意味わかった?
腹立つ。
みたいなことを打ち明けた。
すると夫は
「よくわからんことを言ってるから気にせんとこう。」とさらっと返答。
きみも同じ考えじゃなくてよかった、、
と思った。
その後、私は息子を妊娠することになるが
男の子を妊娠したというと、義父が喜びそうなので言いたくなかったのを覚えている。笑
その時の苛立ちやモヤモヤした気持ちは
日記に書いているけれど思い出すと悲しく悔しくなる。
「女の子でも男の子でもどっちでも嬉しいです。今時そんなもの関係ありませんから。
自分の価値観を押し付けるのはやめてください。」と言いたい。
●それぞれの年代で
女性が圧倒的にキャリアを積みにくい環境
男性優位な韓国の状況について描かれていた。
日本よりも韓国の方がそのような風潮は強いこともわかった
何年か前に
「韓国人男性は
彼女のかばんを持ってくれる、徹底したレディファースト」なんて聞いたことがあるけれど、(そういう人もいるのはいるのだろうけど)実際はそんな人ばかりではないし、
韓流ドラマが流行った時にその噂が流れただけなのかなぁと感じた。
●あとがきのところで
残念ながら、この本に描かれている世の中の考えや動きはそこまで大きく変わっていないということが記されていた。
●小説の中で、
韓国の中学、高校、大学の進学制度についても説明があって、とてもわかりやすかった。
きっとこの本を読んでいなかったら
知らないままだったのだろうと思うことも多かった。
この本を読みながら
国も時代も違うけれど
1人の女性として生きる
キム・ジヨンさんと自分を重ね合わせて考えることがたくさんあった。
共感して一緒に叫びたくなる気持ちになったり。
特に、結婚出産を通しての生活環境の変化について。
結婚してからというもの
義母や義父との関係にずいぶんと悩んできた。友人はたいてい
地元の近くに住むパターンが多かったので、
風習の強い義実家の近くに住む自分と比較してとても落ち込んだり、いいなぁと思ったりする自分がいた。
今はそれなりに上手く付き合えるようになったと思う!(たぶん)
ん?と自分にとって、共感はできないな、と思う義父母の考えや行動にも
相手はこう考えてこんなことをしたのかな?言ったのかな?と立ち止まって考えられるようになってきたと思う。
人間関係は難しい。
結婚だって
全然違う環境で育った赤の他人と
考えを擦り合わせて、妥協点を見つけていく作業の繰り返し
自分はよく頑張っているじゃないかーと
自分のことを
褒めながら生きていきたい。
そんなことを思った一冊。