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トイレの神様のおかげでピカチュウがやってきた
夏休みを持て余している息子が
私のトイレ掃除を手伝いたいと言う。
それならばとやり方を教えて、やってもらった。
「おトイレには神様がいて、お掃除するといいことを運んでくれるんだって」
そう伝えると、途端に息子の目が輝いた。
慣れない手つきだけど丁寧に、楽しそうに掃除をする。
達成感があったのか、「階段のお掃除もする!」と
階段の掃除機がけも請け負ってくれた。
汗をかきつつ子供には少し重い掃除機を使って
これまたとても丁寧に掃除してくれた。
「いいことあるかな?」
と言いながら。
夜になって、一日中だるさが抜けなかった私は
どうしても夕飯を作る気がしなくって
ハンバーガーをデリバリーしてもらうことにした。
ほどなくして玄関の呼び鈴が鳴り、
出てみるといつも配達してくれる男性のドライバーさんだった。
過去に何度か届けにきてくれている、とても感じの良い方だ。
私の後ろからひょっこり顔を出した息子に
セットのおまけでついてくるオモチャを渡してくれた。
お礼を言う息子に、ドライバーさんはデリバリーのボックスの奥から
もう一つオモチャの袋を出して「ナイショだよ」と渡してくれた。
前回そのドライバーさんがデリバリーに来てくれた時に
息子が狙っているおまけのオモチャがなかなか当たらず、ダブりまくってると
ほんのちょっとの軽い雑談で話したことを
覚えていてくれたのだと思う。
渡してくれたオモチャの袋は小さくまとめられていて、
もしかしたらどこかのお家でいらないと言われたものを
大事にとっておいてくれたのかもしれない。
数回しか会ったことのない、ただの配達先の子供である息子のことを
オモチャを見て思い出してくれたことがうれしかった。
もちろん息子は大喜びだった。
オモチャの袋を開けるとピカチュウが出てきた。
さらに飛び上がって喜んだ。
「おトイレの神様が見ててくれたんだ!」
本当に、ちゃんと神様が見ていてくれたのかもしれない。
そしてあのドライバーさんは天使だったのかも。
優しい心遣いがとても嬉しかった。
どうもありがとう。
ナイショだったのに書いちゃってごめんなさい。