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20241109 自分は圧倒的に井の中の蛙

昨日、この本を読んだことをnoteのつぶやきに書いたと同時に、Facebookでも同じ内容を載せた。
そうすると、noteでもFacebookでも繋がっている田中長徳さんがこんなコメントを残してくれた。

ウィーンのアパートメントの側にシグムントフロイトのミュージアムがありました。彼がロンドンに追われるまで住んでいた場所です。ウィーンはシオニズム発祥の地でありながら同時に弾圧がすごかった。フロイトと言う名前をかぶせた公園というのが1980年まで存在していなかったのだから背景がよくわかるね

ほんの数行のコメントなんだけど、これがもう現地の歴史や社会、空気感や政治・体制の移り変わりなど、あらゆることが含まれていて、コメントにどんなお返事をすればいいかわからないくらい、文章の内容に圧倒された。
もう、現地におられたことも含めて、教養の塊のような文章である。

この本は、アインシュタインとフロイトとの1往復の書簡のやり取りである。
本の裏側の紹介には、こう書かれている。

1932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。
「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」
選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だった。

講談社学術文庫

長徳さんのコメントをいただいて、改めてフロイトがアインシュタインに対して書いた書簡を読み直して、自分が見落としていたところに気がついた。

そう、この手紙は、ウィーンで書かれていたのだ。
ナチスドイツがオーストリアに侵攻し、フロイトの書物が禁書となったりしたことで1938年、フロイトはウィーンを去ってイギリスに亡命している。
時代背景は知っている。
しかし、フロイトがどんな風に影響を受けて、また社会における存在さえ影響していたことまでは、繋がっていなかった。
知らないことが多すぎるだけではない。
それが、自分の中で繋がりを持って感性として昇華するところに至っていない。
これが、読書だけでは満たすことのできないところでもある。
まさに、人生における教養の貧しさかもしれない。

井の中の蛙なのだ。

しかし、幸せでもある。
こうやって、気づくことのできるきっかけを与えていただけたのだ。
感謝の気持ちでいっぱいになってきた。
多様な人との関わりが、ネットの世界という直接的ではないところであっても存在していることで、出会いがあったのだ。
これは、もう有難いとしか言いようがない。

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