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一番古い、自分持ちのカメラ
自分が幼い頃は、カメラと言えば家に一台だった。
カメラを扱うのは、父か母。
子どもである私を撮ってくれたり、家族ででかけた際の写真が今でもアルバムの中に収まっている。
だからというわけではないけど、カメラを持つ事自体に子供の頃はとても憧れていた。
そんな自分に、自分専用のカメラがある時突然やってきた。
1988年、当時我が家は父が巨人ファンということもあり、報知新聞を撮っていた。その報知新聞が創刊50周年ということで、クロスワードパズルでのプレゼント企画があった。興味本位で「どうせ当たらないだろう」と思って応募したら、なんとカメラがあたってしまった。
キャノンのオートボーイ。
正確には、「Canon Autoboy Prisma Date」。
35mm F=3.5のレンズが付いている。単焦点のコンパクトカメラ。
自分の手元に届いて、それはもう嬉しくて仕方なかった。
まだ、小遣いはそんなにもらえていなかったから、カメラを持ってもフィルムを買うことができなかった。だから、ひたすらからシャッターを切るばかり。
それでも、捨てることなく30年以上、持ち続けている。
ストラップなどボロボロ。このストラップも、最初からついているものそのまま。デザインは、ちょうど1987年から始まった一眼レフのEOSシリーズと共通したものを感じる。ボディーはプラスチック。流石に30年以上立っているので、少しボディーがゆるんでガタが来ている感が少しある。
このカメラの特徴は、名前に「Prisma」とあるが、ファインダーがプリズムを通して見えるものがついていること。ちょうどカメラの上側から、覗けるファインダーがついている。二眼レフとまでは行かないし、一眼レフとも全く違うけれども、特徴的でもある。また、取り外しのできるリモコンが付いていて、タイマー代わりに使うこともできる。
そこには、机の上においたときにカメラの角度を変えることができるようなチルト機能をもたせるものまでついている。結構、あれこれ考えられているカメラ。
こうやって、リコーR1と並べてみると、とても大きいことがわかる。分厚いし、背が高いし、横幅も広い。そして、プラスチックボディーなのにずしりと重たい。
京セラのT-Proofを購入したときには、だから驚いた。軽くて小さくて、写りが良いから。
しかし、このオートボーイも悪いわけではない。
久々に、フィルムを入れて持ち歩きたい気分になった。
この頃、カメラ1台を持ち出して、1日1本フィルムを使っている。
今日は、このカメラのシャッターを押すことになりそう。