20220731 7月の読書課題・・・ユンガー「労働者」
7月の読書会での課題は、この本でした。
ユンガー、知りませんでした。
こうした本に出会えるだけでも、すごく有り難い事です。
とても難しくて、手に入れてから何度も何度も読み直しました。
いつも、読んでいてわからなくなるとこちらに書くことをためらってしまうことになるのですが、訳がわからないなりにアウトプットする事にしました。
さて、この本の中で、今のウクライナとロシアの問題について関連しているなぁと感じたところは、251ページ「軍事エネルギーの解放、すなわち生死を賭した戦いにおけるそれの使用を、社会契約によって差し止めることが出来ると考えることは、ロマン主義的な考え方である。そのような考え方の前提は、人間が善であるという観念にある。しかし人間は善であるのでなく、善であると同時に悪である。」
ロマン主義的な考え方と捉えるならば、話し合いで戦争は終わらないわけで、おそらくどちらかがある程度の破壊を経て、おそらくはウクライナが破壊されることでしか戦争は終結しないのではないかというところにつながるのだろうなと感じました。
また、少し戻って207ページ
「それゆえ戦争の最も重要な結果の一つは、進歩の価値観に全く太刀打ちできなかったこの指導層が姿を消したこと、これである。」
戦争が起こっているということは、そこに価値観の戦いが起こっているということになる訳で、確かに日本でも第二次大戦後に戦前の指導層は表に現れなくなったということもあり、ゼレンスキーがいなくなることでしか、この戦争の終結はないのだろうなぁと考えるのは、早合点しているのかな?と思ったり。
類型人についての記述で295ページから
「類型人はそれゆえ創造的な業績の申し分のない担い手となりうる。この業績の全く別種の地位は、それが個人的な価値基準と何ら関わりを持たない、という点にある。」
「つまり、今日、保守的論法では実族共同体や仕事共同体や文化共同体として、社会的論法では共同経営体として論じられているような共同体を、価値論的な視点から個々人に対置することが、ここで問題となっているわけではないのである。本質的な対置は、”個々人か共同体か”ではなく、”類型人か個人か”である。」
類型人として生きていくというのが、いわゆる日本的社畜というのにピッタリはまるのかと。
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