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#映画感想文

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

賀歲片だから、いや、賀歲片だけに、観るべきかどうか迷っていた。

German Cheungと Philip Ng は絶対に観たいが、Gigi Leung がボクシングやるとかフニャフニャでもまあ良しで流してるんじゃないだろうか、Louis Koo 古天樂のコメディ・タッチの芝居は『喵星人 Meow』(2017) で背中がむずむずしたのでキャップ被っちゃってる今回もちょっとキツイかもしれないし、い

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電影鑑賞記『這裡是吾家 Here』(2024)

電影鑑賞記『這裡是吾家 Here』(2024)

おひとりさま聖誕節3本目は『這裡是吾家 Here』。随分前から trailer を観てとても期待していた1本。

カメラ位置(アングル)を固定し、その家で過ごした家族の物語を追いかける、というような感じの謳い文句だった。アングルを固定して描くというのがとてもチャレンジングだし、Robert Zemeckis と Tom Hanks は傑作『阿甘正傳 Forrest Gump』のコンビだし、絶対に面

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電影鑑賞記『教宗選戰 Conclave』(2024)

電影鑑賞記『教宗選戰 Conclave』(2024)

おひとりさま聖誕節2本目は『教宗選戰 Conclave』。タイトルそのまま教宗(教皇)選挙戦をベースにしたサスペンス・ドラマ。

斜め上に出てる光は単に劇場のライトの映り込みなのでポスターにはありません、念のため。

時間があったことと、なんとなく面白そうだったので観た。当然ストーリーの予習も無し。タイトルで教皇選挙戦だなとだけ。

出演者はハッキリ言って Isabella Rossellini

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電影鑑賞記『虎毒不 Montages of a Modern Motherhood』(2024)

電影鑑賞記『虎毒不 Montages of a Modern Motherhood』(2024)

東京国際映画祭2024で『母性のモンタージュ』という邦題でジャパン・プレミア公開された作品。

監督の Oliver Chan 陳小娟は『淪落人 Still Human』でその実力を知られている。この作品も期待して鑑賞。

『淪落人』と同じく、市民の日常生活の状況や起伏を丁寧に描いている。自身が母親となったことで感じたあれこれを伝えたかったとのこと。

母親になるまでわからなかったこと、街で接した

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電影鑑賞記『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

電影鑑賞記『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

私は日本映画を観ない。好きだと思えない。面白いと思わない。多分それはあまりに日常すぎるから。ミソジニーや枠にはめたがる空気や出る杭を打つ習慣性やどうしてもステレオタイプから抜け出せないビビりといった私が嫌気し日本以外の場所を生活のベースにしようと思う重大な動機となる事象がベースに流れているのを感じてしまうから。

黒澤明が好きになれない。様式美や計算された画角の素晴らしさなどはわかる。初めて観たの

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電影鑑賞記『送院途中 Vital Sign』(2023)

電影鑑賞記『送院途中 Vital Sign』(2023)

実はこの作品は観ていない。ちょうど私が香港に戻る直前の香港國際電影節で上映されたのだけれど、私が本格的に戻ってきてからは劇場での上映はしていない。なのにこの作品の導演の劇組に参加することになろうとは想像だにしていなかった。

作品としては全体的に薄い。薄べったいというかちょっとぼんやりというか。題材としてはとても良いのだけれど、全体を通しての一番の柱をハッキリ立てきれていなかった感はある。第一の柱

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電影鑑賞記『爸爸 Papa』(2024) @東京国際映画祭&@香港 謝票場

電影鑑賞記『爸爸 Papa』(2024) @東京国際映画祭&@香港 謝票場

翁子光導演は私が観た限りの作品で言うと重い題材の作品がホンマに上手。『風再起時』はかなり不満が残った。『正義迴廊』は実はまだ観られていないのでどんなだったかわからない。

なぜまた猟奇殺人の作品を?の質問に「こういうのが上手いのはお前だからやってくれと言われた」と答えた導演。私も「だってそうだもんね」と制作者に心から同意。

劉青雲の芝居については何も言わなくても良いでしょう。この役はラウチンしか

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電影鑑賞記『破・地獄 The Last Dance』(2024)

電影鑑賞記『破・地獄 The Last Dance』(2024)

鑑賞記の前に、去る10月19日海洋中心にて行われたプレ・イベントの様子から。本来11月14日公開予定だったが11月9日に前倒しになったという発表がここでなされたので、バナーにはすでにそれ用の口號「11月9日 那日 見」が出ている。とりあえず写真だけ置いておく。みんな楽しそうで和む写真よ。電影鑑賞記はその下に。

東京国際映画祭で配布用に作った英皇集團オフィシャルのチラシ。東京で陳茂賢導演、子華神、

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電影鑑賞記『破浪男女 The Chronicles of Libidoists』(2024)

電影鑑賞記『破浪男女 The Chronicles of Libidoists』(2024)

Wu Kang Ren 吳慷仁ファンとしては観に行かずにはおれない。なんだか世間では騒がしいし、このビジュアルはとても魅力的だ。

吳慷仁は Jessey Tsang 曾翠珊の『非分熟女』で知った。阿Saの体当たり演技なんかより吳慷仁の芝居の良さで成り立つ映画だった。ここからファンになった。

『富都青年』『但願人長久』で縁起が多くの人に認められて本当に嬉しかった。様々なインタビューなどで人品も良

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電影鑑賞記『狗陣 BLACK DOG』(2024)彭于晏映後線上分享會

電影鑑賞記『狗陣 BLACK DOG』(2024)彭于晏映後線上分享會

Eddie Peng 彭于晏はもともと好きな俳優で、ポスターや宣伝用スティルを見て気になっていた作品。オンラインとはいえ Eddie による映後分享會(つまりQ&A)があるというので観てみた。

いつも通り、何の前情報も入れずに鑑賞。Eddie と犬に何が起こるのだ?Eddie の役名が二郎というのは日本人には覚えやすくてとっつきやすすぎるぞ。しかし二郎の本名は郎永暉という設定なのにニックネームが

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香港電影鑑賞記:『九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In』(2024)

香港電影鑑賞記:『九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In』(2024)

基本的に動作片は絶対に観る。しかもこれは Soi Cheng 鄭保瑞執導、谷垣健治武術指導、John Ching 莊澄/Wilson Yip 葉偉信監製ときたら観ないわけがない。

当然ながら実にクオリティの高いアクションを観せてくれている。さすが谷垣さん。なんだけれど私、アクションの現場に入り過ぎているせいか、いちいち「あ、このアクション、ここで切ってCG入れてるのかな」「あ、この武師、誰それか

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香港電影鑑賞記:武影江湖『武館 Martial Club』(1981)

香港電影鑑賞記:武影江湖『武館 Martial Club』(1981)

時間が無くて Teach-in を聴けなかった。幸か不幸か講者の麥德羅が体調不良で参加できなくなり、出演者による現場の話が聴けないなら私にとっては魅力半減なので後ろ髪引かれることもなく退場。

とはいえ、一応感想など。

実は私、麥德羅がここまで功夫出来るとは知らなかった。劉家班出身とは知ってはいたけれど、私生活での伴侶である Apple姐との泥沼離離合合騒動を知っているし、マツケン紛いの歌って踊

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香港電影鑑賞記:武影江湖『洪拳與詠春 Shaolin Martial Arts』Teach-in 講者:劉家榮、彭志銘

香港電影鑑賞記:武影江湖『洪拳與詠春 Shaolin Martial Arts』Teach-in 講者:劉家榮、彭志銘

こちらの作品、モデレーターは Jimmy Pang 彭志銘、文化評論家として著作多数、香港電影人としてプロデューサーや副導の経験もあり、そして劉家良師傅に師事した劉家班の一員。劉家榮師傅は劉家良師傅の弟で、導演、演員。

劉家榮師傅は着席前にまず立ったまま皆さんにご挨拶。本当に謙虚な方。

彭志銘は劉家良師傅の徒弟なので劉家榮師傅を師叔と呼んでいるのだそうだ。

劉家榮師傅は冒頭から何度も何度も「

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香港電影鑑賞記:武影江湖『猛龍過江 The Way of The Dragon』(1972) Teach-in 講者:張同祖、張偉雄

香港電影鑑賞記:武影江湖『猛龍過江 The Way of The Dragon』(1972) Teach-in 講者:張同祖、張偉雄

Fists and Swords Kaleidoscope of Hong Kong Martial Arts Films 武影江湖と銘打ったシリーズ上映に『猛龍過江』があったので、李小龍會メンバーの皆さんと観に行ってきた。上映作品は1本だけなのに表紙中央にドカンと載っているのはやはりレジェンドだからだよね。

モデレーターは脚本家の張偉雄、ゲストは導演、編劇、監製、演員の張同祖。実は本作では場記

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