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#香港

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

賀歲片だから、いや、賀歲片だけに、観るべきかどうか迷っていた。

German Cheungと Philip Ng は絶対に観たいが、Gigi Leung がボクシングやるとかフニャフニャでもまあ良しで流してるんじゃないだろうか、Louis Koo 古天樂のコメディ・タッチの芝居は『喵星人 Meow』(2017) で背中がむずむずしたのでキャップ被っちゃってる今回もちょっとキツイかもしれないし、い

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電影鑑賞記『Enter The Clones of BRUCE 李小龍:複製新宇宙』(2023)

電影鑑賞記『Enter The Clones of BRUCE 李小龍:複製新宇宙』(2023)

実はこの作品、急遽告知が入ったもの。3回限りの上映だということで、とりあえず初日にまず観て、面白かったらリピートしようと思って初日の上映を購入。

トレイラーはこちら。

予想以上に面白かったので結局3回とも鑑賞。

実は本作の英文タイトルを最初に見た時に、てっきり『The Clones of Bruce Lee 神威三猛龍』(1980) だと思ったのよね。

本年2025年は龍哥生誕85周年。こ

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電影鑑賞記『看我今天怎麼說 The Way We Talk』(2025)

電影鑑賞記『看我今天怎麼說 The Way We Talk』(2025)

数年前にはまだ資金を集めて回っている最中だったこの作品が遂に作品として出来上がってきた。「次の作品は聾人の話なんだ」と目を輝かせていた Adam Wong 黃修平。もう5年も前のことになるのか。

本作の香港正式公開は2月20日と発表された。5年かけて膨大な量のリサーチをしたという。とても重要なポイントが複数ある作品なので是非観てみていただきたい。

初鑑賞では感動よりも学びや気付きが残った。感動

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散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 >

散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 >

「久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅」という電影ロケ地巡りツアーに参加してきた。「團長:《電影現場之旅》作者 奇夫」とある。この奇夫氏は香港電影ロケ地巡りの始祖だそうな。

実はこのツアー、Facebook で見かけたのだけれど『久別重逢 The Last Song For You』のロケ地巡りだというので、まだ観ていないしと申し込んでいなかった。

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電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Dot』(2014)

電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Dot』(2014)

嶺南影像というプログラムで『點對點 Dot 2 Dot』を上映していたので観に行った。

2014年の作品。大阪アジアン映画祭で上映されたおかげで導演の Amos Wong 黃浩然や音音姐こと Susan Shaw 邵音音と仲良くなった。もう10年も前になるのか。感慨深い。

ストーリーを大雑把に紹介すると、黃雪聰(陳豪)が様々な場所にこっそり書いた線結び用の点に気付いた曹小雪(蒙亭)が線結びを完

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電影鑑賞記『往村莊的路 A Road to A Village』(2024)

電影鑑賞記『往村莊的路 A Road to A Village』(2024)

おひとりさま聖誕節だったので映画三昧にすることに。久々に非港產片を3本。

1本目は『往村莊的路 A Road to A Village』。ネパール映画だということ以外の情報無し状態で鑑賞。このポスターの絵柄に惹かれたのよね。

実は私、『那山、那人、那狗(邦題:山の郵便配達)』(1999) とか初期の張藝謀作品『紅高粱』(1988)、『菊豆』(1990)、『秋菊打官司』(1992)とかの山奥の小

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『日本映画の「働き方改革」現場からの問題提起』を読んで香港電影界と比較してみた

『日本映画の「働き方改革」現場からの問題提起』を読んで香港電影界と比較してみた

「action4cinema / 日本版CNC設立を求める会」からのメール・マガジンでこの本を知り、読んでみた。港日合作映画をメインに香港電影制作現場に関わる者として日本の現場も経験しているので、第一章から第三章までは「そうなのよ!」「でしょう?」「私もそう思ってる!」尽くめだった。それぞれに私の経験を記しておく。

第一章 日本映画の「現状」

過重労働の部分で、制作部スタッフが疲労と寝不足から

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散步香港136 < 赤柱 / Hong Kong Sea School 香港航海學校 >『The Orphan / 人海孤鴻』拍攝地

散步香港136 < 赤柱 / Hong Kong Sea School 香港航海學校 >『The Orphan / 人海孤鴻』拍攝地

2024年11月23日、Hong Kong Sea School 香港航海學校の Open Campus Day に行ってきた。実はここ、李小龍主演『The Orphan / 人海孤鴻』(1960) の拍攝地なのである。

そうそうない Open Campus Day ということで李小龍會で事前に連絡を取り、李小龍生誕84周年記念イベントその1として会員一同で参観させていただくことになった。

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散步香港135 < 油麻地 / 夜 廣東道 >

散步香港135 < 油麻地 / 夜 廣東道 >

夜になると、数少なく残っている燈火(ネオン)や窓からの光に照らされた招牌が美しい。

廣東道と言いながら、新填地街でちょっと面白い招牌を見つけたのでこれもアップしておく。

そして廣東道の終わりにある油蔴地警署。「油麻地」が元は確かに「油蔴地」だったことが残る数少ない歴史の証言者。

灰藍色とでもいえば良いのだろうか、この微妙な色が素敵。

大陸人観光客女子6人が陣取っていた。一人が写真を撮り終わ

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電影鑑賞記『焚城 Cesium Fallout』(2024)

電影鑑賞記『焚城 Cesium Fallout』(2024)

それなりの入りだと聞いていたのに、雨降りの平日だからかこの上映は私を入れて6人。全員 End Roll 終わるまで席を立たなかった。

入場プレゼントとして港式宣傳單張(香港式チラシ)とでも名付けたくなるシートを貰った。最近はこのA4で卡紙(=ちょっと固めの紙)を入場プレゼントにする作品が増えた。といっても私は高先電影院でしか観ないので、他劇場でも配布しているのかどうかは知らない。

せっかくの高

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散步香港135 < 灣仔 / Nam Koo Terrace 南古臺 >

散步香港135 < 灣仔 / Nam Koo Terrace 南古臺 >

以前 Ship Street 船街を歩いていた時に見つけた Ship Street Garden 船街花園から見えた廃屋は Nam Koo Terrace 南古臺というお屋敷だった。

まずは2024年4月、船街花園がまだ正式オープンにはなっていない時の散步香港058 < 灣仔 / Ship Street Garden 船街花園 >の記事に「実はこの廃屋、ここの工事が本格的になる前に横っちょの階段

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電影鑑賞記『送院途中 Vital Sign』(2023)

電影鑑賞記『送院途中 Vital Sign』(2023)

実はこの作品は観ていない。ちょうど私が香港に戻る直前の香港國際電影節で上映されたのだけれど、私が本格的に戻ってきてからは劇場での上映はしていない。なのにこの作品の導演の劇組に参加することになろうとは想像だにしていなかった。

作品としては全体的に薄い。薄べったいというかちょっとぼんやりというか。題材としてはとても良いのだけれど、全体を通しての一番の柱をハッキリ立てきれていなかった感はある。第一の柱

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電影鑑賞記『爸爸 Papa』(2024) @東京国際映画祭&@香港 謝票場

電影鑑賞記『爸爸 Papa』(2024) @東京国際映画祭&@香港 謝票場

翁子光導演は私が観た限りの作品で言うと重い題材の作品がホンマに上手。『風再起時』はかなり不満が残った。『正義迴廊』は実はまだ観られていないのでどんなだったかわからない。

なぜまた猟奇殺人の作品を?の質問に「こういうのが上手いのはお前だからやってくれと言われた」と答えた導演。私も「だってそうだもんね」と制作者に心から同意。

劉青雲の芝居については何も言わなくても良いでしょう。この役はラウチンしか

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電影鑑賞記『破・地獄 The Last Dance』(2024)

電影鑑賞記『破・地獄 The Last Dance』(2024)

鑑賞記の前に、去る10月19日海洋中心にて行われたプレ・イベントの様子から。本来11月14日公開予定だったが11月9日に前倒しになったという発表がここでなされたので、バナーにはすでにそれ用の口號「11月9日 那日 見」が出ている。とりあえず写真だけ置いておく。みんな楽しそうで和む写真よ。電影鑑賞記はその下に。

東京国際映画祭で配布用に作った英皇集團オフィシャルのチラシ。東京で陳茂賢導演、子華神、

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