連載童話「桜と一粒の砂」(第四話 岩と桜の木)
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カワガラスは、大きな岩に語りかけました。
「岩さん、しかし見事なものですな」
と言うと。
カワガラスは、渓流の崖の上を見上げました。
そこには、満開に咲く美しい桜の木があり、その花びらが、はらはらと大岩の上に舞い落ちていたのです。
岩は、カワガラスの言葉に、ゆっくりと低い響く声で同意しました。
「まったくだ。
俺は、この厳しい山の中の渓流で、ずっと昔からこの森を見てきた。
しかしこの桜の木が、ここで咲き始めてからは。
森の中の誰もが、心の中に暖かな灯が灯るような気持ちになって。
この山の厳しい冬に耐えて、この桜が、春になって花を咲かせる事だけを
何よりも楽しみに待っている事を知ったんだ・・・」
その話を、じっと聴いていた桜の木は、自分がそのように人の役に立っている事を岩の話で初めて知ったのでした。
桜の木は、その話に感動し嬉しさのあまり涙を流しました。
それからと言うもの、桜は、もっともっと美しく咲くようになりました。
そして、岩は、その桜をやさしく見守っていたのです。
しかし、そのような桜と岩との関係は、ある日を境に終りを迎えたのでした。
その日は、突然おとずれたのです・・・。
「桜と一粒の砂」第四話 おわり
次回「桜と一粒の砂」第五話へつづく
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使用画像 イラストAC 写真ACより CanvaAI画像より
2023.11.10 11.11加筆 11.12加筆
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