今夜は電話をしなかった
あなたとは
何度めぐりあっても
やっぱり私ばっかり片思いなんだな
そう思いながら
昨日の夜にあなたと話をした
でも今夜は電話をしなかった
来週また話すかもしれないけれど
今夜は電話をしなかった
あなたを好きだった頃は
まだ子供で
子供だからあなたに恋したのかと思ったけれど
大人になってもやっぱりあなたが好きだった
それがわかるくらいに何年も
あなたなしの日々を
生きてこられてよかった
私の恋は、いくつになってもちゃんと恋だった
昨日、 あなたの声に一瞬にじんだ色は
私には拒絶に見えた
それが小さな針のように
胸に突き刺ささっている
好きでいたい
拒まれたくない
決定的なことをしなければ
拒まれもしないのに
ついからかいたくて
挑発をしてしまう
言葉遊びの先に
何かあるのだろうか
何があるのだろうか
どこにもたどり着かない
そんな無為な行為のはずなのに
こんなにも楽しい
悪くて美しい子供が目を光らせて笑うようだよ
この道の先が禁忌だとしたら
喜んでその手を取るのに
一緒に堕ちてくれる気も
あなたはないんだろうな
あなたで遊んでいるつもりでも
本当はただ付き合ってもらってばかりいる
ただの子供なんだな
それに気付かないフリを
もう少し続けたかったから
今夜は電話をしなかった
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