駅でベビーカーの女性を助けるということ
こんにちは、Lightblue代表の園田です。
今年の4月から東京に戻り、妻も育休から職場復帰して、息子は元気に保育園に行っています。最近は、手を振ってバイバイするのが得意技で、ベビーカーに乗っていると道行く人に手を振り、保育園で先生に預けるとすぐにバイバイします。来月で1歳になりますが、日々の成長が微笑ましいです。
そんな東京生活ですが、ベビーカーでの電車移動は想像以上に大変でした。我が家は車がないので、週末のおでかけは電車かタクシーになります。家族3人で移動するときは、息子と荷物で手分けが出来るのですが、息子と2人でお出かけする際は、ベビーカーでの移動は大変です。
男の僕でも大変なので、妻や世のおかあさんはさぞ大変なことだろうと思い、駅でのベビーカー・車椅子利用について考えてみました。
(保育園で絵を描いて得意げな息子)
「ベビーカーで電車やバスを利用するのは迷惑」?
電車は公共交通機関として多くの利用者がいます。確かに、ベビーカーや車椅子は人1人より多くのスペースが必要で、邪魔に感じる方もいるのかもしれません。
しかし、子ども連れでお出かけする際は、子どもが寝ることもありますし、おむつや着替えなどの荷物も多いです。飲食店によっては子ども用の椅子が無い代わりにベビーカーを席の隣に置けるようにして対応というお店もあります。
特に女性が子どもを連れてお出かけしようと思うと、ベビーカーがないととても大変です。
そんなベビーカーですが、東京で電車で移動しようと思うと非常に大変なことがわかります。地下鉄の駅はエレベータがない駅も多く、あっても何百メートルも先の反対の出口にしかないことも多いです。乗り換えに至ってはほぼできないと言っても良いくらいです。 ベビーカーで行ける? 東京の駅 ひととおり調べてみた(NHK)
確かに、ベビーカーを使う子育てはほんの数年ですんでしまうため、歳を取るとこの大変さを忘れてしまうのかなと思い、悲しい気持ちにもなります。
というのは、車椅子の方は子育てとは違い、一生、車椅子で過ごさないといけないこともあるにも関わらず、こんなに大変な環境で、周囲の理解を得にくい状況は心配になります。いつ、自分が車椅子生活となるかはわからないわけですし。
(保育園のベビーカーは4人乗りです)
ベビーカー・車椅子利用者の声
このような駅や空港のような公共交通機関におけるベビーカー・車椅子利用について利用者の声を調べてみました。
今回、回答があったのは、ベビーカーの利用者172名、車椅子21名、両方の利用経験がある方7名となっています。
(エレベータ待ち)
東京駅は便利?新宿駅は不便?
まず、便利な駅・空港と不便な駅・空港について聞きました。
その結果便利な駅No.1は東京駅、空港No.1は羽田空港となりました。
一方で、不便な駅ワースト1は新宿駅、空港ワースト1は成田空港となりました。
いずれも利用頻度が多いターミナル駅、国際空港となっており、利用者数の影響が大きいと考えられます。
便利な施設は、近年、リニューアルが行われた駅、空港であることがわかります。首都東京の玄関として、最新の設計により、バリアフリー化が進んでいることが理由として推察されます。
一方で、新宿駅は乗り入れ路線も多く、再開発が続き、常に工事中であり、エレベータが少なく、仮囲いが多いことが影響していると思われます。
また、成田空港も歴史が古く、施設のバリアフリー化が遅れていることが推察されます。
新宿駅は、広いですが、ホームまで上がるエレベータが1箇所しかなく困った経験があります。成田空港は、広く、ベビーカーがなくともラウンジから搭乗口までは非常に遠いです。
(街中は意外と整備されていて歩きやすいです)
駅での大変な経験
駅での大変な経験について聞いたところ、9割以上の方が大変な思いをした経験があるようでした。その中でも、エレベータに関する不満は6割以上にのぼります。他にも車両との溝の広さも4割近くの方が不満として上がっていました。また、4分の1以上の方が、駅で溝に落ちそうになった経験があるようでした。
例えば、三田線の三田駅は、空港へキャリーバッグを持って移動するだけでも大変な思いをするほど幅が広いですし、ベビーカーや車椅子では乗り降りが困難なことは間違いないです。
(駅のスロープ)
駅員さんへの期待
駅には「お困りごとは駅係員にご相談ください」といった張り紙がされています。しかしながら、必要な場所に駅員さんがいないことも多く、いても忙しそうで声をかけづらい経験をしたことがあるのは僕だけではないでしょう。
介助を受けたことがあるのは1/4以下にとどまり、依頼しない理由としては、声をかけづらい、駅員さんを見つけられない、サービス自体知らないといった意見がありました。
一方で、駅員から声をかけてほしいという意見も1/4以上あり、サポートを求めている人は多いことがわかります。
空港はバリアフリー化が進んでいる?
空港でベビーカー・車椅子を利用していて大変な思いをしたことがある経験は5割ほどと駅より少ないことがわかりました。
大変だったことは、空港内の案内やエレベータの場所がわかりにくいという意見が最も多く、係員への意見は少なかったです。また、対応した係員の方への反応も非常に良い・良いという意見が6割以上で、悪いという意見は2名しかいませんでした。
(空港は便利)
駅のサービス向上
駅は利用頻度が多く、バリアフリー化は非常に重要な課題であると思います。
一方で、空港より街づくりに密着していることや拠点も多いことから、エレベータ等の設置は時間がかかることが予想されます。
そこで、駅のバリアフリー化を進めるためには、駅員さんの活躍が非常に重要になると思います。空港のホスピタリティをすべて再現することは、難しいとしても、駅員さんが声をかけてほしいという要望に応えていくことで、ソフト面でのバリアフリー化が進むと思います。
空港と比べて駅は階段も多く、駅員さんも少ないことからベビーカーや車椅子の存在を改札等で見つけて声掛けしていくことで効率的にバリアフリー化が進むと期待されます。
「一日一善」
駅員さんへの期待は大きいものの、駅の利用者である私たち自身が「助け合いの精神」で困っている人を助けるということも重要です。
助けるにしても、声をかけるのが恥ずかしいや、断られたらどうしようという心配もあると思います。
最近では、公園で迷子の子どもを保護しようとして不審者に間違われるといった話も聞きますが、ベビーカーや車椅子の手伝いなら、もう少しハードルは低いように思います。
助けられる方は明るくお礼を言って、家族に通勤の際に他の人を助けるように伝えると、助け合いの社会ができるんじゃないかなーとも思ったりします。
僕は、人助けができた日は、なんか人間ランクが上がったようなちょっといい気分になって、「助ける労力<充実感」となることが多いです。「やらない善よりやる偽善」的な感じで、助け合いができる社会になると良いなって思います。
最後に
僕たちLightblue Technologyは、工場・建設現場だけでなく、公共施設内での画像解析を行っています。
プライバシーのハードル等もありますが、施設内で困っている人を発見しスタッフに伝えるといったことをやっています。
エレベータの新設のような設備投資より低コストで実現できるため、ぜひ、多くの公共施設に導入してもらいたいと思っています。
以上のようなバリューに共感してくれる人を募集中です。
追記
yahooニュースで、昨日、こんな記事が出てたんですね。