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ゆこたか雑記帖
2021年8月3日 18:05
チベットの僧院で日々修行を積む「彼」。まだ変声期を抜けきれない「彼」が住む土地にとって、書物は世界そのもので、この世のすべては何千、何万巻もある経典に閉じ込められているもの。「彼」や他のひとびと、周囲の森羅万象はすべて書物の中から生まれ、いまなお刻々と生まれ続けている。風が強い日はいっせいに文字たちは四方に拡散し、風がやんだらどこかの国の地に落ちて、やがてあらたな砂となる・・・。これは本書の冒