イマジナリー嫌いな人
奥さんと僕は、「嫌い」のベクトルが酷似している。
十九歳で出会うまでの人生(と呼ぶほど大したものではないが)が、おおむね共通しているので、趣味嗜好、特に「嫌いなもの」に対して同じ感性を持っている。
たまに、「こんな人が嫌い」という想像上の人物に対してのヘイト話で勝手に盛り上がることがある。
具体例を挙げるなら、「EXILEのファン層」、もっと踏み込むと「白いピタピタのスキニージーンズを履いた肌が浅黒くてクロムハーツのゴツゴツしたアクセサリーを身に付けてる割にはDADのステッカーを貼ってある軽ワゴン車に乗ってる筋肉質の人」が嫌い。
悪意は全然なくて、「嫌いな食べ物は何?」って聞かれて答えてるくらいの感覚だと思って欲しい。そもそも、嫌いな「食べ物」とか「動物」だったら何も気を遣わずに言えるのに、対象が「人」になった途端に後ろめたい気持ちになったり、非道徳的だと揶揄される世間の風潮に「人のエゴ」を感じる。
「嫌い」以上の相手を貶めるような発言は控えるべきだとは思うけど、「好き嫌い」の発言はもっと自由でいいんじゃないだろうか。
EXILEもクロムハーツも悪くないけど、なんていうか、「一般的なイメージ」。「こういうの好きな人ってこんなタイプだよね」的なアレ。
最近のLDHグループの曲がびっくりするくらいダサくて、どの層が好んで聴くんだ?から飛躍し、そういえば「清水翔太が一番好き」って人を見たことないよね、という話になった。言われてみれば、想像したこともなかったし、出来ない。
昔、清水翔太と二人で曲を出した加藤ミリヤ好きな人は、「ギャルほどの派手さはないけれどしっかり目の化粧とハイブランドのバッグを持っている恋愛体質のちょっとヘラった女性」みたいなイメージは出来るのに。
清水翔太のファンの想像が出来ない。方向性としてはEXILEのファン層をちょっとマイルドにした感じだと思うけれど、具体的な姿が浮かばない。
そもそも、清水翔太が一番好きな人って存在するのだろうか?「清水翔太」という存在だけが一人歩きしていて、本当はそんなもの実在しないのでは?
とても狭い知見だけで書いているので、もし清水翔太が一番好きっていう人が居れば、ごめんなさい。自分がもっと違うコミュニティに居れば想像出来たのかもしれない。