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【南チロルの風】コラム3に紹介したワインの案内

トスカーナだけでなくイタリア全土、および他国にもワイナリーを持つアンティノリ社は、創業1385年。

フィレンツェで小さなワイン生産者組合を作ったところから始まります。

その600年以上の歴史と伝統を元にイタリアワインの第一人者として新しい風をトスカーナに送り込んだ生産者でもあります。

スーパートスカーナ誕生のきっかけを作ったワイン、ティニャネッロ、そしてその兄弟分ソライアがそのきっかけです。


二つのワインが作られる畑はフィレンツェ郊外にあるメルカターレ・バル・ディ・ペーサというキャンティ地区にあります。

初めはティニャネッロが1970年に「Chianti Classico Riserva Vigneto Tignanello」として発売されました。

しかし当時のキャンティは白ブドウの含有が義務づけられていたので、翌年1971年から白ブドウをいれず赤ブドウ(初年度はサンジョベーゼとカナイオーロ)のみで作ったのが始まり。

サンジョベーゼ自体の改良もあり、より独自性を表現するため現在のようにカベルネ・ソービニョンをブレンドするようになったのです。


ソライアはというと、その7年後1978年に偶然できたワインでした。サンジョベーゼとカベルネの比率を丁度逆になるように変えて作ったことからできたのです。柔らかいスパイシーさを出すためにカベルネ・フランを加えて、新しい味を表現しました。


外見はルビー色からレンガ色にかけて凝縮した色合いです。

香りはタバコや甘いスパイスを連想させる香りが第一印象、時間をかけてブルーベリーのようなフルーツ香がだんだんと現れて融合する感じ。

味わいはサンジョベーゼ特有の前半に感じるボリューム感と酸が一体となり舌を包んだ後、カベルネの特徴でもある長い余韻とともにバランスの取れた柔らかなタンニンを感じることができると思います。


製造工程は5000リットルの木樽で発酵を行った後、14ヶ月のフレンチオーク、12ヶ月の瓶内熟成を経て出荷されます。

およそ年間平均8万から9万本を生産していますが、雨の多かった2002年、暑さの影響で収穫が例年より1ヶ月近く早まった2003年でも7万本と年の気候により生産量はもちろん変わってきます。

しかしそのような難しい年でも、極端に生産量が減らないという事実はそれだけブドウ畑の管理が徹底され、多くの人の手が携わっているように見受けられます。


ちなみに2002年と2003年のビンテージはカベルネ100%のみで作られています。

一風変わったこれらのSolaiaを試してみるのも面白いかもしれません。

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