【読書感想図】 妄想する頭 思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方
暦本純一さんの書籍「妄想する頭 思考する手」を読んでみた。
暦本さんは、東京大学 教授やソニーコンピュータサイエンス研究所 副所長などをされているインタラクション関連で著名な方。
スマートフォンが生まれる以前に、タッチパネルでのピンチイン・アウト操作というマルチタッチインターフェースを発明されたりと、時代の先を行く研究を多くされている。
この本では、予測不能な未来に対してイノベーションを生み出すためのプロセスやノウハウが紹介されているのだが、具体的な研究事例のプロセス紹介もあり、流れをイメージしやすい。
いわゆる課題解決型の「真面目なイノベーション」ではなく、未知の課題に向けた「非真面目なイノベーション」という方向性が面白い。
「やるべきことをやる」という真面目な方向性だけでなく、「やりたいことをやる」という非真面目な方向性が、予測不能さに対応するというのも納得感が深い。
それを実現するためのキーワードとして「妄想」が重要な要素として挙げられている。
「妄想=自分がやりたいこと」と定義して、それをどう形にさせていくかについて詳しく語られている。
個人的に気になった部分をまとめてみた。
書籍の内容からは少しずれる気もするが、行動を制限されがちな昨今において、ある意味「妄想」することが増えているような気もする。旅行など今できないけどやりたいことを頭の中で妄想する。
考える時間が増えた中で、自分の好きなものや、やりたいことを改めて考え直した人も多いのではないかと思う。
そんな時間も「妄想力」を高めるいい機会なのではないかとポジティブに捉えて、予測不能な未来に向けた何らかのイノベーションにつなげたいなと思う。