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0727_アクアパッツァ

「アクアパッツァ」

7/25
友達に「何が食べたい?」と聞くと、彼女はそう答えた。彼女が仕事終わりに私の家へ来る日は、私が手料理を振る舞う。いつもと変わらない質問を今日も彼女にした。

アクアパッツァ?リクエストのレベル高!
作ったことはない。食べたことは、あるような、ないような。正直記憶にない。3〜4年以内では確実にないだろうな。
アクアパッツァが出る時って他に何の料理を作ったらいいの?そもそもアクアパッツァが出る時ってパンを合わせるの?白米?バターライス的な?

「ちょっと面倒だろうし、なんでもいいよ。」とその後に彼女は言ったけれど、彼女がアクアパッツァと言った時から私の中で今日の夜ご飯はもう決まっていた。
だって、彼女の喜ぶ顔が見たいし、食べたいと思うものを作りたいから。
それに、リクエストを貰えるなんて幸せなこと。

「アクアパッツァ」と検索をし、材料を調べる。
白身魚、あさり、パプリカ。
特別な材料や調味料は特になくて、少しホッとする。
とりあえず材料を買いに行こうと、自転車に乗って風が心地良い夕方、スーパーへと向かった。


空を見上げると、何とも言えない色にぽつんと月が見える。少し寂しい、紫がかった青色。ふと、この色に名前はあるのかな〜と。似た色を調べて見つけた" 紺藤色 "。私が見た、空の色のまま。

紫がかった青色だと感じたこと、それを表す漢字が " 紺 " と " 藤 "。日本語は美しいな。少しの違いしかないと思うような色それぞれに、しっくりとくる漢字の使われた名前があるなんて。
" 紺藤色 " をベースに " み空色 " や " 薄花色 " がグラデーションになったような、そんなこの日の空。


買い物を終えて、レシピを見ながら作り始める。
「事前準備:あさりの砂抜き」
「あさりの砂抜き:2〜3時間置いて取り出す」

待て待て、友人が帰ってくるまで残り1時間。
砂抜きって、そんなに時間かかるの。
8年も一人暮らしをしているのに、あさりを買うことは初めてだった。
正直、私は料理が好きではない。自分に作る料理が。だから手間のかかることはしてこなかったし、そもそも料理に対する知識や基礎は全くない。恥ずかしいなと思いつつも、まぁ、いいのよ。

「 あさりの砂抜き 時短 」
50℃のお湯の中にあさりを入れ、お湯の中でこすり洗いをし10分放置するというやり方。
温度計なんてないけど、と思いつつ、お湯と水を半分ずつ入れて50℃にする方法で、" きっと50℃ "のお湯を作り出しあさりの砂抜きはクリア。多分。ジャリってしたらごめんなさい。

全ての具材をにんにくが香るオリーブオイルで炒め、白ワインを入れて蓋をする。
「いい匂い」と、帰ってきた彼女の言葉を聞いて、私は人に作る料理は好きなのだと改めて思う。

人生ではじめて作ったアクアパッツァ。
彼女のリクエストがなければ、この先も作る機会はなかっただろうな。
出来上がったこの味が果たして正解なのかもよく分かっていないけれど、「美味しいよ」と言ってくれる彼女の言葉で今日の私は満足した。



1,240文字。

1,000文字に収まる日記を書こうと思って始めたのに、初回から全然収まりきってない。
私の書く文章はnoteでも友人たちとのラインでもいつだって長くて、だらだら書いているつもりは全くないのだけど、どうしても長くなってしまう。
ほら、今もすでにそれを感じる流れ。

だから短くまとめることができるように、その練習のために " 1,000文字で書く日記 " を始めることにした。
でも、どこかを削るのはちょっと難しいや。また次回、リベンジしよう。
というか、一昨日の話を今日更新するあたり、これは日記なのか?と思いつつ。" 日記とは? " とか言い始めて、また長くなりそうなのでやめます。


あ、結局、白米と一緒に食べました。日本人だね。
柔らかめに炊く、ツヤツヤとした白米で。

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