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#14 レトロとモダンの同居(下北沢/東京)|写真とひとり散歩
年末年始の休みは、当初から写真を撮りに行こうと考えており、どこにしようか考えた結果、下北沢に行くことにした。
今回のお供は、SIGMA fpにオールドレンズのSuper Takumar 50mm F1.4を装着。
カラーモードは、少し彩度を抑えたニュートラルだ。
シモキタという場所は高円寺と同じ分類
古着好きな方には大変申し訳ないが、自分は古着が苦手だ。
というのも、若干潔癖のきらいがあるのだ。
以前は、旅行先のホテルに家のタオルを持っていっていたし、自宅には滅多に人を招かない。
仮に招いたとしても、使い捨てスリッパを渡して必ず履いてもらう。
知り合いに対してもこういう状態だから、古着を身につけるのは難しい。
そう、下北沢は古着屋が多く、それを目当てにくる人も多いのだ。
そういうことで、自分は下北沢には縁がなく過ごしてきた。
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シモキタは、レコードやオシャレな壁アートがあったり、最近ではカレー屋が多数あって連日行列ができていたりと、独特な文化を築いている。
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分類でいうなら、高円寺に近しい。
まあ、どちらも古着を売っていて、音楽とかアートとか、独特な文化を持っているっていう話なのだが。
下北沢と高円寺の違いは、都会的な雰囲気の有無だと思っている。
シモキタは、チェーン店も進出しているのと渋谷や新宿に近いため若者が多く、再開発も進み、都会的な雰囲気がある。
一方で高円寺は、個人店舗が多く、なんとなくコミュニティができあがっているイメージだ。
新宿に近いが、そこから都会的な雰囲気ではなく、飲み文化を引っ張ってきていて、センベロ系とか高架下の飲み屋とか、下町の雰囲気がある。
これに関しては、完全に自分の偏見であるから、どうぞ悪しからず。
レトロモダン
シモキタを都会的な雰囲気と評したが、それはここに集う人々のことで、街並みを見ると意外に古めの建物が多い。
今回は、それを見越して、オールドレンズを装備してきたのだ。
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奥の建物はなかなか年季が入っている
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古い建物は、元々、居住用だったようだが、次の住人が見込めないという理由で、テナント誘致を行ったらしい。
そこをうまく活用しているのが、古着屋だったり、ラーメン屋だったり、カレー屋だったり…。
周辺にはいくつものオシャレカフェや雑貨屋もある。
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相場は決まっている
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古い建物も、いい感じに活用をして、このレトロモダンの雰囲気を作り出していることを考えると、これも根付いているアート文化のひとつなのかもしれない。
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そんな時間に服買いにくるやついる?
下北沢は、2019年に世界各国で発行されている情報誌「Time Out」により、「世界で最もクールな街50」というランキングで2位に輝いているようだ。
ちなみに、そこからしばらくランクインはなかったが、2022年には7位に輝いた。
駅前とは対照的な閑静な住宅街
ここまで、下北沢についてステレオタイプな側面をお届けしてきたが、それで終わっては面白くないので、それ以外の部分もお伝えしたい。
賑わっている通りを外れると、実は閑静な住宅街なのだ。
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それもそのはず、この場所は世田谷区だ。
世田谷の中でも、成城や等々力あたりは、言わずと知れた高級住宅街だが、下北沢駅周辺の北沢・代田・代沢あたりも高級住宅街と言われている。
そして、著名人が多く住んでいることでも有名だ。
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光が当たって綺麗だった
ただ、高級住宅を撮っても全く楽しくないので、今回はパス。
街を歩きつつ、気になったものを撮影してみた。
気になったもの
人があまりいなかったこともあり、落ち着いて写真が撮れた。
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少しオールドレンズの黄変が乗った
ゆったりとした時間が過ぎていく。
気を抜いたまま、時間をかけてピントを合わせ、シャッターを押す。
なにせ、今日はオールドレンズなのだ。
ピント合わせもマニュアルでやるから、時間がかかる。
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この上の3枚は、同じお宅の玄関先の写真なのだが、これを撮り終わって次へ進もうとすると、後ろからここの住人が家に入っていった。
どうやら、自分が撮り終えるまで待っていてくれたようだ。
なんと心が広いマダムなんだろう。
撮らないでくれ、という注意を受けることなく、先へ進む。
しばらく進むと、下北沢一番街というところに出た。
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ふと見ると、野菜屋がある。
年末にも関わらず、めちゃくちゃ安い。
母に、野菜は安いなら買うべし!と躾けられた自分は、主婦のような感覚を持っているのだが、思わず足を進めてしまい大量購入をしたのだ。
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普段カード支払いばかりだが
奇跡的に1000円だけ持っていた
野菜を買い込み、なんだか気分が満たされたため、駅方面へ向かう。
ゴールデン街を彷彿とさせる…
片手にビニール袋を下げながら、意気揚々と歩いていると、古めかしい建物を見つけた。
どうにも、新宿のゴールデン街を彷彿とさせる。
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どうやら、飲み屋が入っているようだ。
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ビルの側面まで来ると行き止まりだった。
壁を見ると、やはりアート。
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予想はしていたが、かなり大きな壁アートである。
これを撮影している2人の外国人がいたが、ひとりはおそらくハッセルを使っていた。
下北沢という土地には合うような気がした。
そんなことを考えつつ、どんな写真を撮るのだろうと気になっていたが、大量の野菜のせいで自分の腕が限界となり、帰宅を余儀なくされたのだった。
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今回の教訓、カメラ持っているときの買い物は、帰り際にしよう。
さあ、次はどこへ行こうかな?
シモキタは少しオシャレすぎたので、今後はもう少し自分に合う雰囲気のところがいいような気がする。
📷SIGMA fp