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モノのウリ方を忘れた店員たち

最近、家電量販店、百貨店などで接客を受けて感じた違和感がありました。

商品は丁寧に説明してくれるのに、
なぜか「ここから買おう!」という気にならないのです。

ネットの方が価格が安いから?NO!
本当は欲しくなかったから?NO!

これらの店員さんは、商品知識のプロなのに、商品の売り方を忘れてしまったのではないか?と疑問を思いました。


例えば気になる食器棚を見かけた時に受けた接客はこんな感じ

店員:「この商品、気になりますか?」
私「そうですね(えっと気になってるけど何を聞けばいいんだろう)」

私「これって全部でこの値段ですか?」
店員:「そうですね。ここからここまででこのお値段です」
私「なるほど(えっと、他に分からないことはなんだっけ・・・)」

私「幅が160cmのものを探しているんですが、この商品、入りますかね?」
店員:「基本サイズは180cmなんですが、160cmにも対応できますよ」
私「なるほど(えっと、他には・・・)」

私「値段の差って材質が大きいんですか?」
店員:「そうですね、この材質になると一番高くなりますね」
私「なるほど(うーん、自分が知りたいのはそこじゃなくて・・・)」

といった感じ。
客であるこちらが質問を精一杯考えないと次に進まない。

質問を考えるのがだんだん疲れてきて、
自分が本当に聞きたかったことからどんどん遠ざかって行く。

後になって振り返ってみると
この商品について詳しくなりたかった訳じゃなくて、
自分が一番聞きたかったのは

「この商品を家に導入したら、映えるのか」
ってことが聞きたかったのです。

私の生活環境について興味を持ってもらい、
「そういった環境でしたら、このような準備をして、この商品を導入すれば間違い無いと思うのですがいかがしょう?」
と背中を押して欲しかった。

でも、うまい質問の方法がその時は思いつかなかったし、
家の生活感溢れるキッチンを写真で用意して
「このキッチンにこの棚を導入したら、映えますか?」
なんてすぐに会った店員さんに聞くのは無理でした笑

店員だって問題を起こしたくない

店員さんがどうしてこんな状況になっているのかは、
ある程度想像がつきます。

客に下手にオススメして店にクレームつくぐらいなら、
商品をオススメしないほうが良い。

最終的に満足するかどうかは判断するのはお客様次第だから、店員としては正しい商品知識でサポートするだけの方が良い。

でもね、質問されたら答えるなんてAIやチャットボットでいいんですよ。

そりゃあ顧客理解しないで
「お客様にはこれがいいですよー」
なんて軽はずみにやったらクレームになりますよ。
ネットでバッドコメント書かれますよ。大変。

でも顧客に「あ、これやっぱり欲しいかも」
と思わせられないのなら、売り場にいる必要は無いのではないか。
顧客に寄り添う、と言う事を履き違えてないか。
と強く思いました。


顧客理解って何だろう

顧客には他人には気軽に明かせない秘められた願いがあります。

・この商品を買ったら、友達に自慢できるか
・この商品を買ったら、生活が確実に快適になるか
・この商品を持っていたら、テンション上がるか
・この商品を入手した後も故障せずに使い続けられるか
・この商品は、他の商品に比べてお買い得か

顧客理解とは、そういった気軽に口に出せない秘めた思いを汲み取ること。
商品を売るとは商品導入後のイメージをありありと想像させる事。


自分にとってこの製品、自分にとって合うの?美味しいの?
っていう問いにしっかり答えるってことなんだなと思いました。

人の振り見て我が身を直せ

・・・とか散々偉そうなことを語ってしまいましたが、私のいる職場でもSIerとしてお客様にDXを提案する立場にいます。
顧客の「DXって美味しいの?」
っていう問いから逃げないようにしたいと思います。

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