すりーぷ。

ものすごく怖い夢を見た。

いや、珍しいことでは全くないのだけど、
朝、体を起こした時の寒気が特別に嫌だった。

そして今、今日という日を終えて、また夢の世界へと戻りに行く今、僕はこれを覚えておくために、これを書く。

布団の中で眠りについた。
ふと、真っ暗なそこで私は目が覚める。
そこで私は気づく。手足がベッドにくくられていた。

まるで人体実験が始まるような、鉄の感覚が足首と手首に。
叫ぼうとしても声が出ない、ただただ息が流れていくだけ。
この感覚に私は過去を思い出して泣きそうになる。

首を回してみると、少し離れたところに人がいるのが見えた。
私の好きなバントのボーカルだった。
清く澄んだ綺麗な顔立ち。でもその表情は怒りと憎しみと悲しみ…で歪んでいた。

何かを殴っていた、床にある、何かを。
耳鳴りのような呻き声がそれでなければいいと祈った、
でもその祈りは届かなかった。
彼は人間を殴っていた。
音がした。色々な音が。耳について離れない。

彼がこっちを見た、
憧れたあの瞳ではなくて、鋭く私を殺すかのような瞳だった。

私は泣いていた。
憧れの彼に会えたからじゃない。
死にたくなかったのだ。
「あの人になら殺されてもいい」なんて口走ったあの日が思い出される。別に良い、と思っていたのに実際にその場面になると泣いてしまったのだ。

涙があふれるまま、私は目を閉じた。
いつ殴られてもいいように歯を食いしばって。

気づけば朝だった。
そこには血だらけの床も、深い闇も、叫び声も無かった。

僕は安心だった。
そうか、自分はまだ死にたくないんだ。

死に対して、感覚が薄れてしまっていたことに気づいたけれど
僕は、大丈夫だったんだ。

そりつり.

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