チェックメイト
「好きなものは最後に食べるの」
女王様はゴキゲンに真っ赤な宝石を頬張りながら、笑う。
唇の端、ほんの少しだけクリームがついているのも、3秒後に綺麗な舌で舐めとるのも全てが計算通りなのも、私は知っている。長い付き合いだ。
敵陣の皿の上、残る財宝は三つ、二つ、と減っていき、最後の一つとなるまにころり、自陣の同じものをころりと剣先で掬い差し出す。途端、だらしなく破顔する女王。
可憐な唇に吸い込まれていくルビーを見送りながら、心の中でほくそ笑む。
ああ、今日も、私の勝ちだ。
「好きなものは最後に食べるの」
女王様はゴキゲンに真っ赤な宝石を頬張りながら、笑う。
唇の端、ほんの少しだけクリームがついているのも、3秒後に綺麗な舌で舐めとるのも全てが計算通りなのも、私は知っている。長い付き合いだ。
敵陣の皿の上、残る財宝は三つ、二つ、と減っていき、最後の一つとなるまにころり、自陣の同じものをころりと剣先で掬い差し出す。途端、だらしなく破顔する女王。
可憐な唇に吸い込まれていくルビーを見送りながら、心の中でほくそ笑む。
ああ、今日も、私の勝ちだ。