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【ストレスフリー仕事術】なぜ心理職は10セッションしても疲れないのか?|こころの疲労を最小限にする秘訣
心理職として仕事をしていると、よく聞かれることがあります。
毎日多くの人の心理相談を受けていて、その相談も深刻な相談が多いでしょう。死にたいという人とも毎日接していて、そのストレスたるや半端ないでしょう。ストレス解消はどうしているのでしょうか。感情を感じないようにしているのでしょうか。でも、それだと仕事になりませんね。秘訣などがあったら知りたいものです。
心理職に仕事は感情労働とも言われ、感情にアクセスする仕事なので、知識を働かす仕事よりも疲労感は大きいでしょう。死にたい、消えたいと、多くの人から訴えられます。それを50分1セッションの相談を、1日10セッションも続けたら、ストレスも半端ないように思えますよね。
この状態を、何の対策もないままに、仕事を続けていれば、確かにバーンアウトするでしょう。医者・看護師を含めた援助職のバーンアウトは、この業界ではよく聞く話です。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■理解することで疲労は最小限になる
どうして心理職が疲労を感じることなく1日10セッションの相談をこなせるのでしょうか。それは相談される内容をスルーしているわけではありません。しっかりと傾聴しているのに、1日10セッションできるのです。
不思議ですよね。確かに、10セッションやると体力的には疲れます。10人の相談をメモっているので、腕や指は当然疲れます。また、座って傾聴しているので、その疲労感もあるでしょう。しかし、疲労感で一番問題になるのは、身体の疲労でなくて、こころの疲労です。こころにモヤモヤと暗雲たちこめている状態が一番疲労するのです。
ここまで読んできて気づかれた方もいらっしゃると思いますが、心理職はこころの疲労が最小限になるように工夫をしているのです。こころの疲労がなければ、身体的な疲労は一晩寝れば解消されます。
しかし、こころの疲労は寝てもなかなか解消できるものではありません。こころの暗雲は翌日まで持ち越すことになります。傾聴すればするほどに、暗雲は立ち込めます。
では心理職は、こころの疲労が最小限になるための、どんな工夫をしているのでしょうか?それは…、
相手を理解すること。それも、
相手の言葉を使って、です。これは自分の変な解釈をさしはさまずに、客観的に相手を捉えればブレることはないからです。状況証拠のようなものですね。
なぜなら、相手を理解できないということが、心理職にとっては、一番のストレスなのです。そして自分の解釈だけだと、証拠のない思い込みだけになるのでこころの位置がブレてしまいます。
理解できないとは、見立てがはっきりしないということですね。相手を理解できれば、モヤモヤは消えます。スッキリして、その視点から援助を組み立てられます。
この、こころがブレてない感じが、ストレスを貯めません。経験則としては10年かけてこのレベルになればいいのではないでしょうか。
■仕事のストレスは仕事で解消する
結論は、相手を(相手の言葉を使って)理解できれば、心理職にとっては、こころの疲労が最小限になったということです。つまり、「仕事のストレスは、仕事の中で解消する」ということです。
よくみなさんも実行していることに、運動、筋トレ、ストレッチ、ヨガ、鍼灸、瞑想、旅行などをして、仕事のストレスを解消しようとしますね。それが効かないとはいいませんが、こころの疲労を最小限にはできません。
それをやっても、10セッションもすると、調子はダダ下がりになります。復活するまで、ふとんの上でのたうち回っていることしかできません。これが私の実体験です。こころの疲労をすっかりと取ってくれる方法は、色々探して実行しましたが、見つけることはできませんでした。
仕事でのストレスは仕事の中で解消する方法がある、他のストレス解消術は効かない。これが一つの真実です。真実はまだまだあると思いますが、少なくとも、心理職については、これは間違いのないことです。
■理解することの重要性
仕事のストレスは、「理解できればこころの疲労は最小限になる」ということでしたが、これは自分にも応用できることです。ちょうど今朝答えた質問がそれです。ご紹介しておきます。
【質問】子どもの頃から無気力でした。今も無気力で寝たきり状態です。もう終わりにしたいです。自分は甘いでしょうか。
【お返事】どういう事情で子どもの頃から無気力なのかは分かりませんが、子どもの頃から無気力というのは、普通ではありません。あなたの身の上に何か大変なことが起こっているのは確かだと思います。
ぜひ、治療につながってください。時間はかかるかもしれませんが、あなたの無気力な事情を理解することです。理解すれば、そこから脱することもできるでしょう。
なぜそうなっているのか、こころの状態を正しく理解できれば、こころの負担も低減します。今回は、そのようなことをお伝えしました。
■まとめ
相手を(相手の言葉を使って)理解できれば、こちらのこころの疲労が最小限になる
仕事のストレスは仕事の中で解消できる。心理職を例にして話しました。
自分のことも理解できれば、現状から脱することも可能。
◇ラジオのおやすみカフェ:
■他の助けを求めるのもいいでしょう
もし、あなたが相手を理解しがたい、自分のことがよく分からないと思っているのでしたら、臨床心理士などの心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。時間はかかるかもしれませんが、あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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