Amazon広告「ルールに基づく入札」で売上が劇的アップ!成果最大化のための7つの秘訣を説明します
Amazon広告の運用において、入札額の設定は非常に重要。
といいつつ、入札額が高ければ上位に表示されて表示回数が増える一方、効率が悪くなってしまう可能性もあります。
そこで今回、Amazon広告の入札戦略の一つ「ルールに基づく入札」をご紹介します。ROAS(=Return On Advertising Spend、広告の費用対効果)を基準に最適な入札額に調整され、売上の成果最大化が期待できる機能です。
公式ヘルプには書かれていない「実はこう使うといい」ポイントや、驚きの成果事例を公開します!
「ルールに基づく入札」とは?
自動で入札金額を最適化できる入札戦略
Amazon広告の入札金額の設定はキーワード・商品単位で入札金額を設定した上で
固定額入札
動的な入札 - ダウンのみ
動的な入札 - アップとダウン
の中から選ぶ形式になっていました。
「動的な入札」は、コンバージョンしそうな配信先に対して、一定の割合で入札金額の上げ下げを自動で行なう入札戦略です。適切に使うことで、キャンペーンの配信効率を高めることができます。
しかし、Amazon広告のKPIや目標として設定することが多い「ROAS(=Return On Advertising Spend、広告の費用対効果)」を基準に調整されるわけではないため、使いにくい場面がありました。
キャンペーンで目標とするROASを設定すると、そのROAS以上になるよう配信金額が調整され、コンバージョンを最大化するような動きをとることができます。
※設定したパフォーマンスターゲットを達成することを保証するものではありません。
「ルールに基づく入札」が使えるキャンペーンタイプは、スポンサープロダクト広告でオートターゲティング、キーワードターゲティング、商品ターゲティングのすべてで使用できます。
注意点として、1日の最低予算額は600円以上にする必要があるので、
配信量が少ないキャンペーンで使いたい場合は工夫をする必要があります。
(※次の段落の「3.できるだけ多くの商品を一つのキャンペーンにまとめると活用しやすい」を参考にしてみてください!)
参考:Amazon Ads サポートセンター|ルールに基づく入札
https://advertising-japan.amazon.com/help/GDLQ5D2BNFCAU3TW
「実は」こう使うといい
「ルールに基づく入札」を使うと、ヘルプには書かれていない細かい仕様があります。実はこうやって使うといい!というポイントを⑦つご紹介します。
1.入札額は低めで設定するのが吉
Amazonのヘルプでは、
「Amazonがインプレッションごとに基本入札額の引き上げや引き下げを行って調整します。 」
と記載があります。
しかし、実際は入札額の引き下げはほとんど行われず、コンバージョンが取れそうなタイミングで入札額の引き上げが行われる傾向にあるようです。
例えば、入札額を10円に設定して「ルールに基づく入札」を使用すると、平均クリック単価は15円になるイメージです。
2.「アップとダウン」から始めるのがおすすめ
「ルールに基づく入札」は、作成したばかりのキャンペーンでは使えないようになっています。
👇のように、管理画面で「このキャンペーンは、過去30日間にコンバージョンが10回発生していないため、対象外です。」というエラーが出て、「ルールに基づく入札」が選択できないようになっています。
そのため「ルールに基づく入札」を使うためには、その他の入札戦略を使った状態で、過去30日間にコンバージョンを10回発生させる必要があります。
私のおすすめは「動的な入札 - アップとダウン」を使うやり方です。「動的な入札 - アップとダウン」を使うことで、コンバージョンが取れそうなタイミングで入札額の引き上げが行なわれるため、コンバージョン件数を増やしやすくなります。(※ただし、平均クリック単価が高くなりやすいため、ROASが低くなる可能性はあるので注意です!)
キャンペーン開始時にROASが低くなったとしても、「ルールに基づく入札」が使えるようになったタイミングでROASを重視する運用に切り替えることで、うまくいく傾向にあるように感じます。
3.できるだけ多くの商品を一つのキャンペーンにまとめる
Amazon広告では、一つのキャンペーンのなかに複数の広告グループを設定することができます。また、一つの広告グループで複数の商品の広告を配信することもできます。
Amazon広告における最も望ましい運用方法は、1キャンペーンの中に1ASIN(1つの商品)だけを登録する方法です。
しかし、広告費が限られている場合や、キャンペーン数が多くなりすぎて管理が煩雑になってしまう場合は、ある程度の単位で商品をまとめて配信することが実運用上は一般的。同じカテゴリーの商品を一つの広告グループやキャンペーンにまとめて役割をわけ、管理しやすい構成にして運用していくイメ―ジです。
💡しかし「ルールに基づく入札」を活用する場合には、
同じような目的のキャンペーンを複数作ることはせずに、一つのキャンペーンのなかに複数の広告グループを作り配信すると成果を伸ばしやすいです。
例えば、販売している商品が
アパレル
小型家電
食品
とわかれている場合、
というように、一つのキャンペーンのなかにできるだけたくさんの広告グループが入るように構成するほうがキャンペーンのなかに学習データが集まりやすくなり、「ルールに基づく入札」によるROASの改善効果が高くなります。
この場合、
カテゴリーごとの成果は見づらくなる
特定の広告グループに配信が寄ってしまう可能性がある
というデメリットもあるので、デメリットとのトレードオフで考えるのがいいでしょう。
4.特にオートターゲティングと相性が良い
「オートターゲティング」では、広告のターゲットにするキーワードや商品を指定しなくても、広告対象商品の販売が見込めるキーワードや商品に対して広告を出すことができます。
「ルールに基づく入札」は、この「オートターゲティング」と特に相性が良いです。
「ルールに基づく入札」以外の入札戦略を使う場合、「オートターゲティング」は必ずしもコンバージョンがつきやすいキーワードや商品に対して広告が出るわけではなく、配信が出やすいキーワードや商品に対して広告がたくさん出てしまうという事象が起きることがあります。
【「ルールに基づく入札」×「オートターゲティング」】で運用するとROASの目標値を設定でき、ほかの入札戦略を使う場合と比較してコンバージョンがつきやすいキーワードや商品に対して優先的に配信される傾向があるようです。
また、「オートターゲティング」と同様の理由により、商品ターゲティングで、商品カテゴリーを指定することも相性が良く、良い効果が期待できます。同一商品カテゴリーのなかで、特にコンバージョンがつきやすい商品に配信が寄る傾向があります。
5.いきなり目標ROASに設定するのではなく、徐々に近づける
新しく作成したキャンペーンでコンバージョンがつき始め「ルールに基づく入札」が使えるようになったあと、いきなり目標ROASに設定するのは配信が縮小されるだけの結果になってしまう可能性があるので、少しずつ設定ROASを上げていくのがコツです。
ROASの設定を行なう際、👇のように
「このROASは、過去のパフォーマンスよりも大幅に高くなっています。コンバージョン数が減少する場合があります。」
というエラーが出る場合は、配信が縮小されてしまう可能性があるので避けた方が望ましいです。
👇のように、設定しようとしているROASがリコメンドされているよりも低い状態になっているのが望ましい設定です。リコメンドで表示されているROASの値は、過去の配信実績をもとに算出されています。
設定したい目標のROASがリコメンドされているROASよりも高い場合は、リコメンドされているRAOS+200%~300%に設定して数日配信を行ない、リコメンドされているROASが高くなったら、またさらに200%~300%高いROASに変更、ということを繰り返すと、最終的に目標のROASの設定ができる状態にスムーズになりやすいです。
6.大きくCVRが動くタイミングには頼りすぎない
「ルールに基づく入札」は、過去の配信結果をもとに入札額の調整を行ないます。Prime Day(プライムデー)やセール時、価格を大きく変更したあとなど、CVR(獲得率)が過去の配信結果と変わる場合は注意が必要です。
CVRが過去の配信実績よりも高くなる場合にそのままの設定だと、配信が思うように伸びないことがあります。その際はターゲティングキーワード・商品の入札額を上げたり、別のキャンペーンの入札戦略に一時的に切り替えたりすると、機会損失が起きにくいです。
7.成果最大化のためには、ターゲティング設定が重要
「ルールに基づく入札」は、安定して稼働をすれば目標のROASをキープしたまま半自動的に配信量を伸ばすことができるのですが、新たなターゲティングの設定はできません。
また、入札額の引き下げはあまり行なわれないので、コンバージョンのつきにくいキーワードや商品を登録しており、入札金額が高い場合、成果の悪いキーワードや商品に配信が多めに出てしまうことがあります。
そのため、通常の入札戦略を使うのと同様に、ターゲティングに登録しているキーワードや商品の設定の見直し、入札額の調整が重要なことには変わりありません。
成果事例
【Amazon広告版 P-MAX】売上が右肩上がり
▍商材
食品
▍結果・考察
運用開始してコンバージョンが安定してきた2か月ほどで「ルールに基づく入札」を導入。ROASをキープしながら、売上が増加しました。
一度うまく動き始めれば、媒体の機械学習の力で成果を伸ばし続けることができるのが【Amazon広告版 P-MAX】の強みです!
ROASをキープしたまま、売上210%
▍商材
生活雑貨
▍結果・考察
「ルールに基づく入札」を導入したあと、すぐに売上が約2倍に上昇しました。ROASをキープしたまま、売上を伸ばしています。
「ルールに基づく入札」を導入できるだけのコンバージョン数がある場合は、導入後すぐに成果を改善できる可能性があります!
ROASをキープしたまま、売上290%
▍商材
日用品
▍結果・考察
「ルールに基づく入札」を導入した今年は、前年同期間と比較して、ROASをキープしながら、売上が約3倍に増加しました。
主に狙っているキーワードは変わっておらず、「ルールに基づく入札」で入札を最適化することで成果が伸びた事例です。
ROAS170%・売上もアップ
▍商材
食品
▍結果・考察
ある程度売上はついていましたが、ROASが目標よりも低く推移していたキャンペーンに「ルールに基づく入札」を導入。前年同期間と比較してROASが改善し、広告費を抑制したにも関わらず、売上も上昇しました。
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました!
「ルールに基づく入札」を活用することで、ROASをキープしたまま売上を拡大できたり、ROAS自体を改善したりすることができます。
可能な範囲で積極的に導入を検討してみてください!
もし、気になることがありましたらお気軽にご連絡ください。
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