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愚かで無秩序なトリックスターの役割
先日の15区補選をきっかけに、"トリックスター"に注目しています。
トリックスターとは、
幼稚で劣等な性質で、境界線を無視し秩序を壊す愚者のことです。
個々人の心にもトリックスターが現れることがあり、ユングは”影(シャドウ)”とも名付けました。現実と願望を取り違え、安易で、ルールを守ることのできない、自分の欲望だけを満たすことばかりの原初的な意識。
個人的見解では、単純に、とても嫌な気持ちになる。
自分の中の秩序が乱されている時、
トリックスター=影(シャドウ)が現れている。
いつもと違う、違和感を感じる、馴染みのない、居心地の良くない、うっとおしい、不安や恐れを感じる、等といった感じでしょうか。
しかしこの嫌なトリックスターには、硬直性を壊す役割があります。
道化師が王の横暴さや凝り固まった考えを笑って批判し気づかせるように、ひとつの凝り固まった価値観の影響でどうにもならなくなっている時に突き壊して流れを動かすといったポジティブな力を秘めています。
王の立場からしたら批判は腹立たしいけど、周りの誰も言えなかった王の硬直さや横暴が正されれば、国や国民のためになりますよね。
「壊す」という役割は新たな流れを作るための、最初のアクション
トリックスターが現れると害ばかりに思えて大迷惑だし、心の底から嫌悪感でいっぱいになります。しかも避けられない状況であると、強制的にそれと相対して自分の秩序は乱される。
しかし、そのおかげで自分を見つめざるを得なくもなります。
腹立たしいトリックスターを無害化するには、
変えるしかない何かがあるってことに気づく必要がある。