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ビジネスしっぱい雑記『ソーシャルゲームで大爆死!?』

カンボジアのプログラマと組んで仕事をしたら、自分が好きなようにゲームやアプリが作れるかもしれない。

これが9年前、カンボジアへ来た理由のひとつだった。

そして実際に、カンボジアのITチームと一緒に『そーしゃる天使』というゲームを作った。今回は、その大失敗話をしようと思う。

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カンボジアのプログラマのレベルがもし低かったとしても、それに合わせてデザイン・企画をすれば良い。逆に、カンボジアでしかできないことをやろう。そう思っていた。

そう思えたのも、カンボジア視察した際にCAMITSのCleomora Momさんとの出会いがあったからだ。Momさんはポルポト内戦後、初のカンボジア国費留学生として埼玉大学へ留学し、日本のソニーなどで働いていた経験のあるIプログラマーだ。ITチームをマネージメントしていて、日本語もペラペラである。

そんな彼と出会い、カンボジアに魅力を感じたところだった。

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多くのカンボジアへ進出するIT企業は、安い労働力のカンボジア人使って、単純でつまらない仕事をさせようとする。日本人がやりたくない安い仕事を、より安いカンボジア人にやらせるのだ。当然、単純でつまらない仕事は、日本人がやっても、カンボジア人がやってもつまらない。

だからそうではなく、その安い労働力で自分たちが『オモシロい』と思うことをやりたかった。その方が、コストもリスクも低く挑戦できる。

だからカンボジアへ来て最初にやった仕事は、受注案件ではなく自社開発だった。

そこで、その当時のブームだったトレーディングカードを集める種類のソーシャルゲームを日本向けに作ることにした。

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ソーシャルゲームとは、ソーシャルネットワーキングサービスをプラットフォームにしたオンラインゲームの総称。
主な例として、GREEやMobageなどで配信されているタイトルが該当する。
ジャンルの走りとなったのは携帯電話端末(ガラケー)向けのゲームである。ゲームソフトを必要とせず、モバイル専用の会員制ウェブサービス上で展開されていたブラウザゲームおよびウェブアプリ。

とはいえ、その当時はパズドラなどのスマートフォン向けのゲームもで始まっていた。正直、トレーディングカードを集めるタイプのソーシャルゲームは人気も落ち目だったのは分かっていた。

しかしその当時のカンボジアのITチームは、当然最新技術のスマートフォン向けのゲームの制作経験はない。つまり新しい技術は難しいので、彼らができる古い技術でどうにかするしかなかったのだ。

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正直、個人的にはソーシャルゲームというものが嫌いだった
課金して、単なるカードのデータを集める射幸心を煽るゲームは、お金も時間も無駄。賭博的というか、パチンコのようなもにしか感じられない。

だから、カンボジア人のITチームのメンバーに、ソーシャルゲームの仕組みを説明すると、詐欺なんじゃないかと言われた。お金を払って、単なるカードのデータを貰えるだけ、というのがカンボジア人の感覚からしたら理解できなかったのだ。

だから、日本のコレクション文化を理解させる必要があった。ビックリマンシールから、AKBなどのアイドルカルチャーなど、カンボジア人のITチームメンバーに説明した。外国人、それも貧困の国の人に、こういった文化を理解してもらうのはなかなか骨を折った。

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とはいえ、カンボジア発のソーシャルゲーム。
単なるデータだけでは終わらないリアルと連携したゲームを作りたかった。(最初の構想は農業ゲームで、リアルのカンボジアの農家と繋がらせる案などもあった。)

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そこで、キャラクターの絵師はカンボジアの子どもたちの絵にすることになった。その絵をキャラクターに見立てて名前をつけて、ビックリマンシールのようなプロフィール文書を設定していく。Artistボタンをクリックすると、どのような子どもが描いたキャラクターなのかわかる仕組みだ。

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そして、他のソーシャルゲームと大きく違うところとして、課金したお金の一部が、キャラクターを描いた子どもたちに還元する仕組みを作りたかった。寄付のように見えるが、キャラクターを作った子どもたちに制作費として還元して支援するとも言える。

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最初に構想していた時はお金を還元するつもりだったのだが、Appleの規約で寄付のように取られるアプリは申請が通らないらしい。仕方がないので、画材を届ける仕組みに変えたり、文言を修正の対応に追われる。

作っている最中も、色々トラブルは多発した。

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そして、実際に子どもたちの絵を集めるために、カンボジア中を飛び回った。ここでもソーシャルゲームの説明が難しいカンボジアの子どもたちの絵は、田舎へ行けば行くほど、テレビのアニメの影響などを受けておらず、たくさんの個性的な絵画を集めることができた。

その繋がりが9年越しでWhiteCanvasアートコンペディションの運営や作品募集にも繋がったりもしている。

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プログラマに伝えるための仕様書・遷移図の作成、ゲームのシナリオ執筆、ソーシャルゲームなので、イベントの準備や運営など多種多様のことを担当した。プログラム以外のことを自分自身でやれば、制作費はめちゃくちゃ抑えられる。
日本でこんなに好き勝手なゲームを作ったら、恐ろしいコストとリスクがあっただろう。

そうして、2013年10月16日​ iPhoneアプリ『そーしゃる天使』をリリースすることができた。

しかし、しかしである。
失敗はここからだ。

アプリはリリースするだけでは、ダウンロードされない。広告・宣伝しなければならないのである。

そこで、広告について調べてみると、そのコストの高さに驚かされた!!
その頃の自分は本当に無知だったのだ。。。。

そこで、宣伝費を集めるたに、クラウドファンディングを人生で初めてやってみることにしたのだが。。。見事、大失敗。

いくら、カンボジア人といっしょに作ることによって制作費を大幅に落とすことができて、広告費は別である。大反省である。

結果として、アプリ自体は完成させることができたが、ソーシャルゲームとしては成功とはいかなかった。

とはいえ、このアプリを作ったことにより、カンボジアのITチームには受注の仕事が入ってくるようになった。そーしゃる天使を作ったということが、彼らの力量がよくわかるポートフォリオになったのだ。

そして、このそーしゃる天使のコンセプトや反省点などが、ソーシャルコンパスの活動に繋がっていくことになる。

そういう意味では、少しは価値ある大失敗だったのかもしれない。

Momさんはその後、VRコンテンツ開発やタクシー配車アプリなど技術力を上げてITチームを引き連れれ、今も活躍している。また、いつか一緒にそーしゃる天使のリベンジを試みたい!



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有料コンテンツ・そーしゃる天使 カードコレクション

失敗談としてはここまでだが、そーしゃる天使 ~カンボジアde迷子の巻~ で作った全50枚以上のカードコレクションを有料公開します!もうアプリの配信は止まってしまっているので、もしカードの内容に興味ある方は是非有料ですが見てみてください!

課金して頂いたお金は、そーしゃる天使のコンセプト通り、カンボジアの子どもたちに還元される形で使用させて頂きます!



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