見出し画像

ちゃんと退屈にあふれている

人は無意味に耐えられない

芸術家田村友一のインタビュー記事に載っていた

人は無意味に耐えられない
この世界から意味のある物語を読み出そうとする ルールを置くと、創意も恣意も動員して無数の物語が加速する

そうなのだ、無意味には耐えられない
わたしの行為の中で一番の静寂である「瞑想」も意味を求めて実践している
逆説的に考えると、意味をもつことができるから「瞑想」の静寂に耐えられるのだ これだって加速した無数の物語のうちのひとつ
このわずかな空いた時間にも意味を求めて、誰かの行動に物語を紡ごうとしたり、世界に起こる出来事のほんの一部から連続性を求めてものを考え始める それがすなわち創作にあたるのかもしれない

「ウーは死なない」というASLの方が書いた自叙伝には、身体がやがて思うように動かなくなる中で、苦痛から少しでも逃れるために「手を縛って」「足を縛って」と本人が言う
両親は苦しい中でも本人の希望を叶え、それが叶えられると本人は安心して眠ることができる
「夢の中では蝶のように舞うことができたのです」
縛るという行為にも、本人の紡いだ物語があった それを実行した両親にも覚悟というストーリーがあった
第三者が決して想像できないような現実があって、そこには無数の「意味」がある
出来事の一部から多くを想像して決めつけることには危険を伴うが、それもただ「無意味に耐えられない」という人間の特性からくる行為なだけであって、世の中はちゃんと退屈にあふれているのだ

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集